北朝鮮の青少年の間で麻薬が蔓延していることは、本連載でも継続的にレポートしている。背景には1990年代の大飢饉がある。学校に通えない子ども達が急激に増大し、彼らが「コチェビ」と呼ばれるストリートチルドレンとなって社会不安をもたらしたことがあるが、学校に通う高校生たちも彼らに負けず劣らず荒れているのだ。たとえば、金正日時代には高校生3人組が中国から爆薬を密輸する事件が起きている。事件の概要はこうだ。