【対談】地方銀行がこども達の未来に投資する理由。百十四銀行が挑んだ「Out of KidZania in かがわ」初開催の舞台裏

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KCJ GROUP 株式会社

地域の未来を支えるために、銀行ができること

少子化や地域産業を担う人材不足など、地域社会はさまざまな課題に直面しています。

そんな中、地域金融機関として地域社会との共存共栄を掲げる百十四銀行は、2026年3月、地方銀行として初めて「Out of KidZania」を開催しました。



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「Out of KidZania in かがわ」イベント会場内の様子


こども達が地域企業の仕事をリアルに体験し、「働くこと」や「地域の魅力」を知る本イベント。


なぜ銀行が職業体験イベントを開催するのか。


その背景には、「10年後、20年後、その先も地域が持続するために、今できることを」という強い想いがありました。


今回は、本イベントの発案者である百十四銀行 地域サステナビリティ推進部 特命部長補佐 兼 114地域みらいデザイン株式会社 代表取締役の大森亮昌さんに、開催に至った経緯や込めた想いについて伺いました。

香川県初「Out of KidZania in かがわ」開催 12月23日(火)より参加者募集を開始( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000342.000078157.html )

地域金融機関として、こども達に地域の魅力を伝えたい

--Out of KidZaniaを知ったきっかけを教えてください。


大森:

KCJ GROUP様の親会社であるKDDI様の金融・地域共創部門との意見交換の中で初めて知りました。当行では、地域金融機関として地域活性化につながるさまざまな取り組みを行っており、その中でご紹介いただいたことがきっかけです。


--数ある地域活性化施策の中で、なぜ今回の「Out of KidZania in かがわ」開催に至ったのでしょうか。


大森:

類似する仕事体験イベントは増えていますが、Out of KidZaniaには大きな特徴があると感じました。


一つは、キッザニアを企画・運営するKCJ GROUP様が監修する中で、出展企業様それぞれの仕事への想いや魅力を丁寧にヒアリングしたうえで、こども達に伝わる形にプログラム化していただけることです。また、当日の運営までサポートいただける安心感がありました。


そして何より、キッザニアという仕事体験で広く知られているブランドを活用できることも大きな魅力でした。さらに、地方銀行が主催するという事例がなかったことも、挑戦したいと思った理由の一つです。



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イベント開会宣言する百十四銀行の森頭取(中央)

想いを形にするための伴走。KCJ GROUPとの取り組み


今回の開催に向けた最初の接点は、2022年11月でした。


KCJ GROUPイベント担当者:

初めてお話を伺った時から、百十四銀行様の『地域の将来のために、こども達へ何かきっかけを届けたい』という想いの強さが印象に残っています。


打ち合わせを重ねるたびに、単なるイベント開催ではなく、地域企業の魅力をこども達へ届け、将来の地域を担う人材育成につなげたいという熱意を感じました。私たちもお話を伺う中で、その想いに応えたいという気持ちがますます強くなり、一緒に地域に新しい価値を生み出す挑戦として伴走していきました。開催に向けて、百十四銀行様には他地域で実施されたOut of KidZaniaやキッザニア東京へも足を運んでいただきました。

視察を通じてイベントの具体的なイメージを深めるだけでなく、「仕事体験」と「金融教育」のつながりについても議論を重ねました。


こども達が仕事を体験し、働くことで対価を得て、その対価を使う。この『働く→得る→使う』という経済の循環を体験として学ぶことは、地域金融機関である百十四銀行様だからこそ実現できる大きな価値だと感じました。その考え方は、当日のプログラム設計や会場づくりにも随所に反映されています。


また、キッザニア東京をご視察いただいた際、大森様からは、「こども達や保護者が楽しそうにされているのはもちろんですが、サポートするキッザニアスタッフの方々がすごく活き活きと誇りを持ってこども達と接していることに感動しました」というお言葉をいただきました。


こども達だけではなく、地域の大人たちも仕事への誇りや想いを伝えることで、互いに学び合う。そんな双方向の学びの場を目指すという今回の「Out of KidZania in かがわ」の価値が、より明確になっていきました。

「地域社会との共存共栄」を形にする挑戦


--銀行主催として初の試みとなりましたが、どのような想いがありましたか。


大森:

当行の経営理念には「地域社会との共存共栄」という言葉があります。


地方銀行は、地域に人が暮らし、企業が活動し、経済が循環することで成り立つ存在です。人が住み、産業が持続し、その活動によって経済活動が生まれる。その結果として銀行の基本的な役割である「預金・貸出・為替」も成り立っています。だからこそ、10年後、20年後、その先の地域の未来を考えた時に、こども達が「将来、この地域で働きたい」と思えるきっかけをつくることが重要だと考えました。


地域企業が持続し、未来世代を担う人材が育つこと。それが結果として当行の持続にもつながると考えています。



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イベントでは百十四銀行の行員たちが運営を支えた

一度は断念。それでも実現したかった理由


--今回のプロジェクトに携わることになった経緯を教えてください。


大森:

私が発案者です。

Out of KidZaniaをご紹介いただいた後、一度社内で企画提案を行いました。しかし、準備期間や開催費用などの課題もあり、その時は実現には至りませんでした。その後、2028年に当行が創業150周年という節目を迎える中で、「地域に新しい価値を届ける挑戦をしたい」という想いから、改めて企画を立ち上げました。地方銀行として初めての取り組みだったため、成功させなければならないという責任感は非常に大きかったです。

43の企業・団体が集結。銀行だからできた地域とのつながり


--開催までに苦労されたことを教えてください。


大森:

出展企業集め、事業計画、募集、参加者管理、説明会、当日のマニュアル作成など、すべてが初めての経験でした。行内でも、誰も実施したことがないイベントだったため、当日まで具体的なイメージを持つことが難しい部分もありました。何が正解なのか分からない中で判断していく責任は大きかったです。


一方で、銀行だからこそ実現できたこともありました。経営者の方々へ直接想いを伝えられること。そして、多くの取引先や幅広い業種とのつながりがあることです。結果として、実質1か月という短期間で43の企業・団体にご参加いただくことができました。当日は担当営業店の行員も各ブースのサポートに入り、出展企業様と一緒にイベントをつくり上げました。



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「銀行員」をはじめ、全43種ものさまざまな体験が用意された

こども達に伝えたかった「地域の仕事の魅力」


--こども達に最も伝えたかったことは何でしょうか。


大森:

将来を見据えて、さまざまな経験をしてほしいということです。そして、ぜひ将来は地元で働いてほしい。香川県には、素晴らしい企業や仕事がたくさんあります。まずはその存在を知ってもらうことが、地域への愛着や将来の選択肢につながると考えました。

こども達の体験が、大人たちの意識も変えた


--開催後、印象に残った反響はありましたか。


大森:

出展企業様が本気でこども達に向き合ってくださったことが、とても印象的でした。準備段階から行内で盛り上がり、従業員のモチベーション向上につながったという声もいただきました。


保護者の方からは、「香川県のこども達のために、多くの大人たちが本気で動いてくださり感謝しています」「香川県にこれほど多くの企業があることを初めて知りました」という声をいただきました。


また、何十年もの経験を持つ職人の方と触れ合ったこどもが、帰宅後も体験したことをずっと話していたというお話もありました。地域企業の本気の姿が、こども達の心に届いたのだと思います。



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こどもに寄り添って取り組む姿(「証券会社の営業の仕事」の様子)

地域を巻き込む新たな挑戦


--最後に、今回の「Out of KidZania in かがわ」を一言で表すと?


大森:

「地域を巻き込む新たな挑戦」です。

「Out of KidZania in かがわ」は、こどもの成長を支援するだけのイベントではありません。主催者、地方公共団体、出展企業、それぞれの想いが詰まった取り組みだと思います。これからも10年後、20年後、その先の地域の未来を見据えながら、地域が持続していくための取り組みを続けていきたいと考えています。



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笑顔で仕事体験をするこども(「巫女の仕事」の様子)