【ビール】コンビニで買える今注目の「クラフトビール」が想像以上のクオリティ! 専門家が飲み比べてみた

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現在開催中の『東京ビアウィーク2015』(2015年4月12日まで)。ビールファンの心と喉の乾きをしっかりと潤してくれる、魅力満載のイベントです。それもそのはず、この期間中に都内各地で催されるビール関連イベントはなんと約150!その規模の大きさは、圧巻としか言いようがありません。

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『東京ビアウィーク2015』のコンセプトはズバリ「ビールの魅力を再発見」。このテーマのごとく、いま巷では「ビールの新たな魅力」に注目が集まっています。

■みんなの喉を唸らせる、大手メーカー”謹製”「クラフトビール

ビール人気が高まる中、特に根強い人気を誇るのが「クラフトビールビール職人の手作りビール)」です。クラフトビールというと、外国産や小規模の醸造所で作られているイメージが強いのですが、実は日本の大手メーカーにおいても大変魅力的な商品がつくられていることを、ご存知でしたか。

このトレンドは、いま最も注目したいポイントです。
近頃、大手メーカーの熟練した醸造家達はこぞって自らのクラフトマンシップを発揮し、ビールの可能性を追求すべく思い切ったチャレンジをしながら、個性的なビールづくりに励んでいます。
これらのビールを試さない手はありません!

今回はビールの専門家「ビアソムリエ」(ジャパンビアソムリエ協会認定)の資格を持つ筆者の立場から、おすすめビールメーカーの3ブランドを紹介したいと思います。

■ビアソムリエおすすめのクラフトビール

【1】春らしい爽やかな香りを楽しめるペールエール
「アサヒクラフトマンシップ ドライペールエール」(アサヒ)

・缶350ml、500ml
・アルコール度数:5.5%
・発売地域:全国のコンビニエンスストア

醸造学マスターが処方監修している「豊かなコク」と「芳醇なホップ」が特長的なドライペールエールです。特に楽しみたいのは、カスケードホップ由来のグレープフルーツのようなアロマ。まさに春にふさわしい、さわやかで華やかな香りです。

また、飲み進めるほどにホップのすっきりした苦みとフルーティーな甘さを実感できます。そして口いっぱいに広がってくる味わい深いコクは、ドライというだけあって後味はさっぱりしており、さわやかな印象を残してくれます。見た目の点でも、ペールエールならではのオレンジがかったゴールドはビールを飲む楽しさを演出してくれます。

ちなみにエールは8°C〜13°Cぐらいであまり冷やしすぎないようにし、発酵由来の華やかな香りを楽しむようにしましょう。

<フードペアリング>
飲み口が軽い方なので、短時間で調理でき、素材を生かした調理法が合っています。カルパッチョやサラダ、マリネ、蒸し物など。素材は鶏肉や白身魚がオススメ。クリームチーズやカッテージチーズも相性がいいです。

【2】贅沢な気分を味わいたい人は
「〜ザ・プレミアム・モルツ〜 マスターズドリーム」(サントリー)

・305ml瓶(瓶はコンビニエンスストア限定)
・アルコール度数:5%
・発売地域:全国のコンビニエンスストア

マスターズドリームのおいしさの秘密は、「麦芽」と「アロマホップ」にあります。まず麦芽。希少な伝統種である「ダイアモンド麦芽」は、うまみに繫がる窒素成分を多く含んでいます。この麦芽なくして、この深いコクは実現できません。そしてホップ。「欧州産アロマホップ」を100%使用し、コクを与えています。このコクと甘みのバランスをうまく取りながら、しっかりと、かつ「まろやまな苦み」を実現しています。

色は重厚感あるブラウンゴールド。香ばしいホップの甘苦さに加えて、モルト由来のブラウンシュガーのような甘さが感じられます。そして全体をロースト香がふわりと和らげます。そしてしっかりしたコクの奥に、柑橘系のさわやかな風味が広がり、口いっぱいに広がる大人のほろ苦さと、その奥に残るさっぱりとしたフルーティーな味わいが、まさに多重奏のように押し寄せます。

また、しっかりとした喉ごしであるにも関わらず、くどさがないというのは大変珍しいと感じました。ここはじっくり、舌先でホップ本来の味を楽しみたいところです。

<フードペアリング>
コクのあるものには同じくしっかりした味の料理がおすすめ。揚げ物、グリル、豚の角煮など、少しこってりした料理とも相性がいいようです。

【3】ビールの多彩な個性を楽しめるブランド
「グランドキリン」(キリン)

・330ml瓶
・アルコール度数:
 「グランドキリン」6%
 「グランドキリン ジ・アロマ」5.5%
・発売地域:全国のコンビニエンスストア

4月7日にリニューアル発売された『グランドキリン』は、ラガータイプの『グランドキリン』と、エールタイプの『グランドキリン ジ・アロマ』の2タイプがあります。そもそもこの『グランドキリン』には、「ビールはひとつではない」、という熱いメッセージが込められています。ビールの多様な美味しさを見直し、新たに発見し続けたい。そのため伝統や慣習などに縛られず、今までにない「驚きのあるビールをつくる」というスローガンのもと、思いを込めてつくられました。

その思いがどんな味として表現されているのか、そしてリニューアルを経て、どんな進化を遂げているのでしょうか。さっそく、飲み比べてみました。

●「グランドキリン」

さわやかでほんのりフルーティーなアロマが鼻孔をくすぐり、飲む期待感を高めてくれます。また、きめ細やかでこんもりとした高さの出るクリーミーな泡が、丁寧につくられたビールだということを証明しています。そして光の中で美しく輝くゴールドカラーは、信頼のブランドである証のごとく目に映ります。

喉ごしはさわやかで、ほどよい軽さとコクの深さがベストマッチ。すっきりしたシャープな飲み口でありながら、上質な苦みと深みある香りが、しっかりと感じられます。奥の方から押し寄せてくるフルーティーなフレーバーが、一向に口内を飽きさせません。

また、深みのあるホップの苦みがモルトの甘みと調和し、結果的に深い余韻を残します。四方八方から広がるビールの旨みは、噛み締めるほどにビール本来の楽しみを思い起こさせてくれます。また、よく冷やして飲むと、キリリと締まった味を楽しむことができます。

さらりとした飲み口にも関わらず、しっかりと印象に残るコク深い味でした。

<フードペアリング>
グランドキリンを気軽に楽しむためには、定番のおつまみも良いけど、スイーツがおすすめ!特に「ビター系のスイーツ」とグランドキリンの苦みは相性抜群です。醸造家がおすすめするビターチョコは是非お試しください!

●「グランドキリン ジ・アロマ」

エールタイプならではのオレンジがかったライト・ゴールド。その美しい色合いに、クラフトビールを楽しんでいるという実感が沸いてきます。

次にお楽しみのアロマですが、心地よい華やかな香りが飲み始めから後味の余韻までしっかり楽しむことができます。また、フレーバーはきわめてフローラルでフルーティー。その中で、ホップのやさしい苦みがフルーティーなボディをシャキッと引き締めてくれます。

さらに味わいを進めて行くと、モルト由来のカラメルのような香りとホップ由来のグレープフルーツのような香りが見事にマッチし、さらに優しい苦みがそれらを調和させ、深い味わいを堪能させてくれます。

『グランドキリン ジ・アロマ』は、とがった香りや強い後味、個性的な甘さを、温度の違いで楽しむことができます。いったん、あまり冷やしすぎず、少し室温に戻してからいただくと独特のモルト感を感じることができるはず。まずは、冷たい状態と室温程度の状態を飲み比べて、味の違いを楽しみましょう。

<フードペアリング>
『グランドキリン ジ・アロマ』のエールの甘さは、実はチーズケーキの甘さにもピッタリ! こちらも醸造家オススメのスイーツです。チーズケーキといっても種類はさまざま。スフレチーズケーキ、レアチーズケーキ、ベイクドチーズケーキなど、お好みのチーズケーキと合わせてみては。

■本格派のビールを身近なものに!

いかがでしたか。大手メーカーのクラフトビールがこれほど充実し、クオリティの追求をされ続けていることは、まだ意外と知られていないのではないでしょうか。

このようなハイクオリティのビールは、コンビニエンスストアで手軽に買うことができ、それ自体が商品の魅力のひとつと言えます。さまざまな種類のビールが注目される中、手間ひまのかかった大手メーカーのクラフトビールを身近に楽しんで、ビールの新しい楽しみ方をまたひとつ広げていきましょう!