上が「チャンピオン」で下が「ゴーゴーカレー」だが、配置からカレーに刺さっているフォークの位置までほぼ一緒! チャンピオンのソースはセルフサービスの場合もあ

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2015年春、いよいよ北陸新幹線が開通! そこで、間違いなくスポットが当たるであろうB級北陸グルメの代表格、金沢カレーに注目してみた。

全国的に有名な金沢カレーと、元祖を名乗り本場・北陸で支持される金沢カレー。食べるべきはどっちだ?

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「金沢カレー」といえば、濃厚でとろみのあるルウに、キャベツの千切りと大ぶりのカツがのっているのが大きな特徴。さらに器はステンレス製で、普通のスプーンではなくフォークか先割れスプーンで食べる。

首都圏の人が金沢カレーと聞いて真っ先に思いつくのは、関東で33店舗を展開する「ゴーゴーカレー」。こちらの1号店は2004年に金沢ではなく東京・新宿にオープン。自ら“金沢カレーブームの火付け役”というキャッチフレーズを名乗り、瞬(またた)く間に全国展開を成功させた。

しかし一方、本場・金沢で有名なのは「ゴーゴー」ではなく「カレーのチャンピオン」。こちらは創業が1961年で現在、北陸地方に23店舗展開中。自ら“元祖金沢カレー”をうたっているが、実はこのキャッチフレーズは「ゴーゴー」が登場してから名乗り始めたという。その点でも「ゴーゴー」への強烈なライバル心を感じずにはいられない。

その証拠に写真を見てほしい。上が「チャンピオン」で下が「ゴーゴー」。どちらも売れ筋のカツカレーなのだが、カツやキャベツ、フォークの配置までかなりそっくり。違いは「ゴーゴー」のルウのほうが若干色が濃いが、味に差はあるのか? カレー評論家の井上岳久氏に聞いた。

「カツやカレーに微妙な差はありますが、違いはわずかかと感じます。後発のゴーゴーは開店当初、金沢産の米を使ったりとこだわりも見せていましたが、現在は米はもちろん、ルウやカツなどもチェーン店として均一化していますから」

ライバルとしてはなんとも微妙な話だが、味に大きなブレができないのは、金沢カレーそのものの様式が確立されているからかもしれない。

ちなみに、首都圏に進出している金沢カレーは、ほかに「カレーの市民アルバ」というチェーン店が存在する。

「アルバ」は創業者の兄が「チャンピオン」の創業者の下で修業をしていたというつながりがあるが、こちらのルウはチャンピオンやゴーゴーよりもサラッとしており、ビジュアルも個性が出ている(福神漬けアリ)。だが、やはり素人味覚ではかなり似ているという印象。

金沢カレーはやはり、味にブレが出にくいのかもしれない。

(取材・文/井出尚志、渡辺雅史、高山 恵[リーゼント] 鈴木晴美)

■「週刊プレイボーイ」1&2合併号(12月25日発売)「激突14番勝負! チェーン店&サービスの業界別勢力マップ!」より