スマホにGPSが搭載されている理由:GPSはどこまで信用できるのか?
スマートフォンや携帯電話で人気の地図アプリで利用されているのがGPS。グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System, GPS)は、衛星を使って位置情報を測定するシステムだ。2007年に施行された事業用電気通信設備規則により、原則として3G端末にはGPS機能の搭載が義務づけられた。以降、当然GPS搭載の機種は普及し、それに伴いGPS位置情報を使ったスマートフォンアプリが多数登場した。位置情報を使ったソーシャルゲーム、地図や口コミ情報と組み合わせた情報サービスアプリ、恋人の位置情報を取得するものまで。覚えているだろうか?
実はGPS機能がスマートフォンや携帯電話で必要となっているのは、それが緊急通報位置通知システムに組み込まれているからだ。これは、緊急通報(110,118,119)時に通報者の位置情報を自動通知する仕組みで、通信キャリアは緊急通報を扱う際にシステムへの対応が義務づけられている。ちなみに、固定電話も緊急通報位置通知システムの対象で、こちらは回線契約者などの住所をもとに通知する仕組み。
◎GPSは絶対ではない?位置情報の精度にばらつきがある
GPSの仕組みをざっくり言うと、端末に搭載されたGPSモジュール内の受信機で複数のGPS衛星の電波を受信し、受け取った情報(衛星自身の位置とその時刻)を元に、幾何学的に受信側の位置情報を求めるというもの。そのため、建物で電波が遮られてしまったり、衛星からの電波が届きにくい場所(地下やトンネル内など)では誤差が生じる場合もあり、その精度にはばらつきがある。スマートフォンや携帯電話では基地局やWi-Fiのアクセスポイントを使った測位法を組み合わせることで、位置情報の精度を上げる工夫はされているが、それでも誤差が生じることがある。
Wi-Fiオンにするか?の画面
◎現在の位置情報サービスに欠けているものとは
店舗などと連携した位置情報を利用したアプリやサービスが地図アプリほど本格的に普及しなかった理由の1つに位置情報の精度があるのではないかと考える。GPSで得られる位置情報では基本的に屋外。場所はわかっても、たとえばそこがお店だとして、店の中にいるのか、外にいるのかまではわからない。しかし、店舗との連携サービスで位置情報を使いたい場合に本当に知りたいのはお店の中にいるのか、外にいるのか、入ったところなのか、出たところなのか、ということだ。昨年登場したiOSのiBeaconはBluetooth通信を使って位置情報を取得する。そのため、屋内の位置情報や「入った」のか「出た」のかなど、これまで取得できなかった情報を取得できるものとして期待されている技術だ。
とはいえGPSの恩恵は大きい。iPhoneを落としたときも、「だいたいの場所」は教えてくれる。電源が入っている限りは。
プライバシーを気にしてGPS機能をオフにすることもできるが、メリット・デメリットを考えるとGPS機能をオフにするよりは、写真やツイートの投稿時に位置情報を付加しないようにするほうが効果的だ。仕組みやメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルに合わせて位置情報の使い分けをしたい。
大内孝子

