頼浩敏・司法院長

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(台北 15日 中央社)司法院の頼浩敏院長は14日、同院法官(裁判官)学院で開催された国際シンポジウムの席上、市民の裁判参加は世界的な潮流だとして、台湾の裁判制度がこれまでの「観審制」にとどまらないことを示すため、今後は「参審制」と改称するとし、裁判の市民参加という究極の目標に向かって前進したいと述べた。

「観審制」は台湾で2011年に導入された裁判の国民参加型システムで、市民の中から選出された観審員が一審裁判に参加し、被告の尋問・証拠の調査を行い、意見陳述を行うというもの。ただし、裁判官は観審員の評決に拘束されない。

台湾の裁判制度について頼院長は、「観審制」をすぐには陪審制としないが、名称を「参審制」と変えて市民に実際に裁判に参加してもらうとした。

現行の観審条例はまだ立法院(国会)を通過していないものの、制度自体はすでに2年余り試行し、公聴会を何度も行っており、「参審制」実施の下地は十分で、今後も着実に歩みを進めて実現させたいと強調した。

(劉世怡/編集:谷口一康)