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64ビット、新しいデザイン、パフォーマンスの向上。Android「L」のさまざまな新機能を紹介する。

グーグルは昨日、Androidの最新版のプレビューを開発者向けのイベントGoogle I/Oで発表した。グーグルはまだこのAndroidの最新バージョンに名前を準備できておらず、変わりにこれを「L」と呼んでいる(グーグルはこれまでAndroidの各バージョンにアルファベット順にデザートの名前を付けている)。

このAndroidの「L」バージョンの最も大きな変更点は、完全に新しいユーザーインターフェースとそのデザインだ。グーグルはこれを「マテリアル・デザイン」と呼んでおり、開発者はこれによって個々のスマートフォンやタブレット用に開発しなくても、すべてのスクリーンサイズで動作するアプリケーションの開発が可能だという。アニメーションや字体、色、新しいデザイン要素、レイアウトなどの新たな変更が「L」プレビューでは特徴的だ。

グーグルでAndroidのエンジニアリングの責任者を務めるデイブ・バークは、Android「L」の新しいユーザー・エクスペリエンスやUI要素、新しいマテリアルのテーマやアニメーション機能、リアルタイム・シャドウ(影の描画)を含む3Dビュー、アプリ間の移動をサポートする「トランジション・エレメンツ」などをこのイベントで紹介した。

Android「L」に関する他の特徴をいくつか紹介しよう。

デザイン、パフォーマンス、64ビット対応

Android「L」開発者用プレビューを紹介するグーグルにおけるAndroidのトップ、サンダー・ピチャイ

Android「L」は、オペレーティング・システム内の通知機能を改善し、ロック画面では新たな「heads up(ヘッズアップ)」通知を搭載している。

「L」には、Androidスマートフォンやタブレットを対象とした「パーソナル・ロック」と呼ばれる認証システムが搭載されている。これは端末が信頼できる環境にあるかどうかを、近くのペアリングされたAndroid Wearスマートウォッチとの接続状況で判断する。

グーグルはAndroidのChromeブラウザにも新たなマテリアル・デザインを採用し、「L」におけるモバイル・ウェブ・エクスペリエンスを改善している。マテリアル・デザインのアニメーションは毎秒60フレームで描画され、非常に滑らかな外観を与えてくれる。

Chromeの「最近見たページ」も変更され、「L」ではブラウザ・タブというよりはカード風のデザインとなっている。この重ねられたカード風のリストには、最近見たページに加えて新たにアプリも追加され、ウェブとアプリの境界はさらに薄くシームレスになった。

2014年10月にAndroidバージョン4.4、KitKatに登場したアプリのインデックスやディープリンク機能も今回の「L」プレビューでは更新され、ブラウザの検索結果から直接アプリを起動することが可能となった。このアプリのインデックスは、本日すべてのサードパーティー製Androidアプリに公開された。

ReadWriteが昨年の11月に報道した通り、Android Runtime(ART)は「L」でコンパイル・エンジンとして正式にDalvikに置き換わった。ARTは「ahead of time」(AOT)と「just in time」方式のコンパイルが可能で、ARM、x86、MIPSプロセッサーに対応している。

昨年アップルが発表したiPhone5Sを追いかけるように、Androidもついに64ビットARMプロセッサーに対応した。64ビットのAndroidはアドレス可能なメモリー・スペースが増え、Javaを変更することなくクロスプラットフォームで利用できるようになる。

Androidのグラフィック性能も「L」で改善され、新たなテッセレーションやジオメトリ・シェーダーが追加された。これによってより表現力の高いビデオ・ゲームがスマートフォンやタブレットで遊べるようになる。

「Project Volta(プロジェクト・ヴォルタ)」と呼ばれるAndroid「L」のバッテリー管理機能によって、より少ない電力でのアプリの動作が様々な機能でサポートされる。

Android「L」のソフトウェア開発者キット(SDK)は、本日よりdeveloper.android.comでダウンロードが可能だ。

トップ画像提供:Owen Thomas

Dan Rowinski
[原文]