なお、同博物院の馮明珠院長が2011年に中国大陸を訪問した際(当時は副院長)には同博物院は「台北故宮博物院」と紹介されたが、抗議はせず、にこやかな顔つきで記者会見に臨んだ。今回の日本における特別展の予定通りの開催が決まった後の記者会見で馮院長が涙を見せたことから、「日本では涙。中国では『国立』の文字がなくても笑顔」などと批判する声が出た。台湾側はこれまで、「国立故宮博物院」が中国大陸部で「国立」なしで紹介されても、抗議はしなかった。

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 特別展は「台北 国立故宮博物院-神品至宝-」の名称で、東京国立博物館で6月24-9月15日に開催。当初の2週間は、ヒスイの自然な色合いを生かした「翠玉白菜」も公開される。同作品はこれまで台湾外で公開されたことがなかった。

 九州国立博物館では10月7日-11月30日の開催。「翠玉白菜」の展示はないが、国立故宮博物院では並んで人気のある「肉形石」が、当初2週間に限って展示される。同じく、国立故宮博物院の「門外不出」だった逸品だ。

 台湾の国立故宮博物院が収蔵する文化財は、日中戦争時に中国の指導者だった蒋介石が、北京の故宮博物院の収蔵品を厳選して「疎開」させ、共産党との内戦で敗色が濃厚になった時点で、台湾に運ばせたもの。歴代王朝が秘蔵していた貴重な文化財が極めて多い。

 北京にも故宮博物院があり、貴重な収蔵物も数多いが、台湾の国立故宮博物院と比較すれば、「相当に見劣りする」とされている。そのため「北京の故宮の価値は入れ物(=建物)にあり、台湾の故宮の価値は中身にある」などの言い方もある。

※お断り:
 台湾では「国立故宮博物院」の「国」の部分に旧字体が用いられています。弊サイトでは異体字について「本来は同一の漢字。表記の形が異なるだけ」との認識にもとづき、日本の常用漢字の字体を優先して使用しています。そのため、同博物館名称についても、字体は日本の常用漢字に統一しています。

 なお、中国大陸やシンガポールで用いられている略字体(簡体字)も、日本の常用漢字に直して表記しています。(編集担当:如月隼人)