プレミアリーグ開幕まであと2週間を切ったが、マンチェスター・ユナイテッドFWウェイン・ルーニーの去就は今なお不透明だ。

デイヴィッド・モイーズ監督は、イングランド代表ストライカーの説得を続けており、チェルシーから届いたオファーをすでに二度断っている。しかしながら、怪我を理由に(といっても幸い大事には至らなかったが)アジアツアーを早々に離脱し、加えてクラブがツイッター上にルーニーの戦線復帰を宣伝するポスターまで掲載したスウェーデンでの親善試合までもチームに帯同しないことが決定し、ルーニーはシニアのチームメイトたちから強い反感を買っているという。彼にとって夢の劇場、オールド・トラフォードでの居心地はますます悪くなるばかりだ。

ルーニーが移籍を希望する主な理由は、昨季自分の好きなポジションでプレー出来ないことが多かったから。アレックス・ファーガソン前監督との衝突は過去にもあり、両者の溝は我々の想像以上に深かったのかもしれない。しかし、サー・アレックスからモイーズへと指揮官が変わった今こそ、ポジション奪回のチャンス。そう前向きに受け止めてユナイテッドに残って欲しい。

9年間で197ゴールを挙げたストライカーは、サー・ボビー・チャールトンのクラブ歴代最多得点記録を塗り替えるまであと53ゴールに迫っているのだ。伝統あるクラブの歴史に名前を刻むレジェンドになり得るルーニーだからこそ、冷静になって自分の将来について結論を出してほしいと強く願う。しかしながら、前述のサー・アレックスがディレクターを務めるため、本人は気持ちを切り替えてユナイテッドでフレッシュスタートを切ることは不可能と考えているようだ。

昨シーズン終了前に移籍を希望していることが公となり、優勝パレードではサポーターからブーイングを浴びたルーニー。オールド・トラフォードでの未来を描けないと主張する彼だが、どうやら海外に出るつもりはないらしい。チェルシーとアーセナルが新天地候補として浮かび上がってくるものの、ユナイテッドは立場上みすみすライバルチームにルーニーを渡したくないだろう。去就問題の決着が長引いて一番損をするのはルーニー自身だ。どうしても移籍したいなら、クラブに正式な移籍願いを提出して、粘るモイーズ監督を諦めさせるしかない。