ハンセンの恋人、セリーナに訊く
22日(土・現地時間)に韓国ウォンジュ市イアチ体育館大会で開催されるRFC12では、初めて女子MMAが組まれる。RFC初の女子戦で日本の吉田正子と対戦するのが、ヨアキム・ハンセンのガールフレンドでもあるセリーナだ。
韓国からノルウェーの両親にアダプトされた彼女は、この試合にどのような気持ちで臨み、また記憶の片隅にも残らない母国を訪れるのか。グランドスラムをトレーニングに訪れていた彼女に尋ねた。
――吉田選手と22日に韓国で戦うセリーナです。今の体調は如何ですか。
「過去最高のコンディションよ。練習して積み上げてきているので、試合毎に成長している姿を見せないといけないと思っているわ」
――この試合に向けて、どれぐらいの間、日本で調整をしているのですか。
「2、3週間ね。ノルウェーにいると、スパーリング・パートナーが全くいないから、試合前には必ず日本にやってくるようにしているの。日本にはたくさんの強い女子選手が揃っているから。日本の柔術やグラップリングを学べる環境は、世界でもベストだと思う」
――日本ではどのようなジムで練習をしているのですか。
「グラップリングはAACC、キックボクシングはバンゲリングベイ、今日みたいにグランドスラムに来ることもあるし、シュートボクシングのジムに行くこともあるわ」
――女子ファイターは、男子選手だけでなく、やはり女子選手とのスパーリングが必要なのでしょうか。
「女子選手との練習の方が、男子選手との練習よりも大切だと思う。私が試合をする相手は女子選手だし、女子の強さって、男の選手とはまた違うものだから。それに男の人は、私とスパーリングをしても全力を出せないじゃない?」
ヨアキム・ハンセン 俺はいつも全力でやっているよ(笑)。
「女子選手同士は、本気を出しあえるから。スピードやテクニック重視の練習ができるの。それが女子選手の特徴だし、練習が自然とそうなってくるので、結果的に女子ファイターの練習って凄くハードになるの」
――では韓国で日本人選手と戦うことをどう思いますか。
「う〜ん、私はこれまで常に日本人選手と戦って来たから(笑)。試合の場所が、日本だとか韓国だとかは気にしてない。ファイトはファイト、国籍も関係ないし」
――今回は韓国を代表して戦うという気持ちはありますか。
「そこは変な感じで、少し混乱しているの。ホームで戦っているような気持ちにもなるのかなぁ……」
――セリーナは幼い頃に韓国から、ノルウェー人のご両親の養子になっているのですよね?
「そうよ」
――何か母国での思い出はあるのですか。
「ノー、だってノルウェーに渡ったのは生まれて2、3カ月後だったから……。なぜ、養子に出されたのか、その理由すら分からないの」
ハンセン 韓国からはノルウェーだけでなく、スカンジナビア諸国にアダプトされた子供も多いんだ。朝鮮戦争後からかなり経っても続いてきた。もちろん、経済的理由が養子縁組の要因になっている。
「私が知っているのは、孤児院にいて、ノルウェーの両親に引き取られたということだけ」
――では韓国のことは何も分からないのですね。
「それなのに不思議なことはあったわ。ノルウェーで私は誰にも教わっていないのに、返事をする時に『ネ』っていう言葉を使っていて、両親は何を言っているのか分からなかったらしいの。韓国語で『はい』っていう意味だったのよね。それにテーブルと椅子の文化なのに、私はいつも床に座っていたの」
――オンドルにいるように、ですね。
「私のなかの韓国人のDNAが、そうさせたんだと思う」
――もう10年以上前の話なんですが、シアトルで米国人男性と結婚をしていたキム・メッサ―という女子キックボクシング選手が、韓国で試合をして、リング上から生き別れになったご両親のどちらかに会いたいというメッセージを発して、巡り合えたと話題になったことがあったと記憶しています。
韓国からノルウェーの両親にアダプトされた彼女は、この試合にどのような気持ちで臨み、また記憶の片隅にも残らない母国を訪れるのか。グランドスラムをトレーニングに訪れていた彼女に尋ねた。
「過去最高のコンディションよ。練習して積み上げてきているので、試合毎に成長している姿を見せないといけないと思っているわ」
――この試合に向けて、どれぐらいの間、日本で調整をしているのですか。
「2、3週間ね。ノルウェーにいると、スパーリング・パートナーが全くいないから、試合前には必ず日本にやってくるようにしているの。日本にはたくさんの強い女子選手が揃っているから。日本の柔術やグラップリングを学べる環境は、世界でもベストだと思う」
――日本ではどのようなジムで練習をしているのですか。
「グラップリングはAACC、キックボクシングはバンゲリングベイ、今日みたいにグランドスラムに来ることもあるし、シュートボクシングのジムに行くこともあるわ」
――女子ファイターは、男子選手だけでなく、やはり女子選手とのスパーリングが必要なのでしょうか。
「女子選手との練習の方が、男子選手との練習よりも大切だと思う。私が試合をする相手は女子選手だし、女子の強さって、男の選手とはまた違うものだから。それに男の人は、私とスパーリングをしても全力を出せないじゃない?」
ヨアキム・ハンセン 俺はいつも全力でやっているよ(笑)。
「女子選手同士は、本気を出しあえるから。スピードやテクニック重視の練習ができるの。それが女子選手の特徴だし、練習が自然とそうなってくるので、結果的に女子ファイターの練習って凄くハードになるの」
――では韓国で日本人選手と戦うことをどう思いますか。
「う〜ん、私はこれまで常に日本人選手と戦って来たから(笑)。試合の場所が、日本だとか韓国だとかは気にしてない。ファイトはファイト、国籍も関係ないし」
――今回は韓国を代表して戦うという気持ちはありますか。
「そこは変な感じで、少し混乱しているの。ホームで戦っているような気持ちにもなるのかなぁ……」
――セリーナは幼い頃に韓国から、ノルウェー人のご両親の養子になっているのですよね?
「そうよ」
――何か母国での思い出はあるのですか。
「ノー、だってノルウェーに渡ったのは生まれて2、3カ月後だったから……。なぜ、養子に出されたのか、その理由すら分からないの」
ハンセン 韓国からはノルウェーだけでなく、スカンジナビア諸国にアダプトされた子供も多いんだ。朝鮮戦争後からかなり経っても続いてきた。もちろん、経済的理由が養子縁組の要因になっている。
「私が知っているのは、孤児院にいて、ノルウェーの両親に引き取られたということだけ」
――では韓国のことは何も分からないのですね。
「それなのに不思議なことはあったわ。ノルウェーで私は誰にも教わっていないのに、返事をする時に『ネ』っていう言葉を使っていて、両親は何を言っているのか分からなかったらしいの。韓国語で『はい』っていう意味だったのよね。それにテーブルと椅子の文化なのに、私はいつも床に座っていたの」
――オンドルにいるように、ですね。
「私のなかの韓国人のDNAが、そうさせたんだと思う」
――もう10年以上前の話なんですが、シアトルで米国人男性と結婚をしていたキム・メッサ―という女子キックボクシング選手が、韓国で試合をして、リング上から生き別れになったご両親のどちらかに会いたいというメッセージを発して、巡り合えたと話題になったことがあったと記憶しています。