北朝鮮は10番目の「クラブ入り」を果たすのか(朝鮮中央テレビより)

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北朝鮮が「人工衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイルの打ち上げを成功させたことを受け、韓国メディアは「北朝鮮に遅れをとった」として政府批判を強めている。韓国では国産ロケットの打ち上げを2度にわたって失敗しており、3度目の打ち上げの延期が決まった直後に、北朝鮮に先を越されてしまったからだ。さらに、北朝鮮が衛星を軌道に投入したことが認められれば、世界で10番目に「宇宙クラブ」入りすることになるからだ。韓国が上位10か国入りを逃すという点でも、プライドを傷つけているようだ。

2度打ち上げ失敗、「3度目の正直」でも2回延期していた

韓国では、国産ロケット「羅老(ナロ)号」の開発を進めているが、09年と10年に打ち上げに失敗。2012年10月26日午後に3度目の打ち上げが予定されていたが、同日午後になって不具合が見つかって11月29日に延期されることになった。11月29日にも打ち上げ直前に電気系統の不具合が発覚して、再び延期されたばかりだった。韓国のロケットが不具合を繰り返しているうちに、北朝鮮に追い抜かれてしまった語りだ。

自国の力でロケットを打ち上げ、衛星を軌道に乗せた国を総称して「宇宙クラブ」「スペースクラブ」と呼ぶことがある。クラブのメンバーは、1957年に「スプートニク1号」を打ち上げた旧ソ連を筆頭に、米国、フランス、日本、中国、英国、インド、イスラエル、イランの9ヵ国。韓国政府は、羅老号の打ち上げが成功すれば10番目のメンバーになれるとアピールしていた経緯があるだけに、失望は大きい。

大手紙は「屈辱の韓国政府」と論評

聯合ニュースは、

「北ミサイルで韓国は10番目ロケット開発国の夢破れる?」

と題した論説を配信し、

「北朝鮮の主張通り(ロケットの)銀河3号と(衛星の)光明星3号が正常に作動するなら、韓国としては今後羅老の打ち上げに成功しても『10大ロケット開発国』を名乗ることはできない」

と嘆いた。「11番目では、だめだ」という訳だ。中央日報も、「北朝鮮が『羅老』より先に成功? 屈辱の韓国政府」として、同様の主張を展開。

「もちろん北朝鮮のロケット発射が国際社会で公憤を買っているだけに、北朝鮮には『10ロケット開発国』の地位が与えられないと予想される」

と、北朝鮮の「クラブ入り」が認められない可能性に期待をかけながらも、

「しかし国力や科学技術などあらゆる部門で大きく劣るという評価を受けている北朝鮮がロケット打ち上げに成功したことで、韓国政府はプライドに大きな傷を負うことになった」

と悔しがった。