中国共産党機関紙、人民日報のニュースサイト「人民網」はこのほど、中国のインターネット検索最大手、百度(バイドゥ、Baidu)ニュース部門の2011年検索ホットワードランキングを発表した。今年中国で最も検索されたニュースは、7月に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故。東日本大震災と原発事故(2位)、欧州債務危機(4位)、中東情勢(5位)、スティーブ・ジョブズ死去(6位)、中国空母(8位)…など中国ネットユーザーの関心事がうかがえる。

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 中国共産党機関紙、人民日報のニュースサイト「人民網」はこのほど、中国のインターネット検索最大手、百度(バイドゥ、Baidu)ニュース部門の2011年検索ホットワードランキングを発表した。今年中国で最も検索されたニュースは、7月に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故。東日本大震災と原発事故(2位)、欧州債務危機(4位)、中東情勢(5位)、スティーブ・ジョブズ死去(6位)、中国空母(8位)…と、検索ホットワードから中国ネットユーザーの関心事がうかがえる。

■「中国高速鉄道、温州で衝突事故(2011年)」写真特集

 2011年に「百度新聞」(Baiduニュース)でホットだった検索ワード(トピックス)トップ10は以下の通り。(コメントはネット世論に詳しい武漢大学の瀋陽教授によるもの。)

■1位 高速鉄道事故 7月に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故は、中国版ツイッター「微博」(ミニブログ)をはじめとするネットメディアの威力を見せつけた。事実もデマも玉石混淆とはいえ、微博には救援や尋ね人、真相究明、事故の責任追及…とユーザー情報があふれかえった。速報性にも優れる微博情報は、既存メディアの最も早い報道より1時間以上も早かった。

■2位 東日本大震災と原発事故 3月の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第1原発の放射能漏れ事故を受け、中国各地で「海水が汚染される」などの風評が広がり、食塩の買い占め騒動が起きた。こうした理性的でない行動は、中国ネット上で物笑いの種となった。

■3位 個人所得税の課税ラインを3500元に引き上げ 個人所得税法が改正され、9月から課税最低額が月収3000元(約3万7000円)から3500元(約4万3000円)に引き上げられた。中国ネット上では「民意を尊重した」との評価が圧倒的だった。

■4位 欧州債務危機 中国に「官製と民間」あるいは「体制内と体制外」の2つの世論が存在するのは否定できない事実だ。だが欧州の債務危機に関しては、両者は珍しく一致した。11月のG20首脳会議での胡錦濤国家主席の談話は、中国ネットユーザーの圧倒的多数に支持された。(つづく 編集担当:阪本佳代)