『ミツコ感覚』ビジュアル(C)2011 GEEK PICTURES

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 上戸彩が出演しているソフトバンクのテレビCM「白戸家」シリーズなどで知られるクリエイター・山内ケンジの第1回監督作品『ミツコ感覚』が、10月にポーランドで開催される第27回ワルシャワ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に出品されることが決定した。日本人監督のデビュー作が同部門に出品されるのは、同映画祭史上初の快挙だ。

 山内監督は、ソフトバンクの「白戸家」シリーズをはじめとして、ナオミ・キャンベル出演のエステティックTBC、「日清焼きそばU.F.O.」といったCMを手掛けてきた気鋭のクリエイターで、近年はCMのみならず舞台でも活躍。本作はそんな山内の監督デビュー作で、東京の郊外に住む姉妹のいびつな日常を描いた作品に仕上がっている。

 ワルシャワ国際映画祭は毎年10月にポーランドで行われている映画祭で、インターナショナル・コンペティション部門には2009年に松本人志監督の『しんぼる』が正式出品されたほか、過去には北野武監督の映画『アウトレイジ』や深田晃司監督の映画『歓待』も上映されているなど、日本映画とは縁のある映画祭。新人監督を対象にした「1-2コンペティション部門」ではなく、インターナショナル・コンペティション部門に日本人監督のデビュー作が出品されるのは同映画祭始まって以来の快挙であり、山内監督の才能には早くも世界中から注目が集まっていることをうかがわせる。

 山内監督は本作について「この映画は『信じる』っていう前向きなかんじではなくって、『信じたいんだけど』っていう、弱さというか、けなげさというか、はかなさがあって、絶望があって、まだまだ大きな不安がある」と決して明るいトーンではないことを強調。本作に登場する姉妹が、震災後の日本人の姿に重なることを明かすと、「でも、とにかく絶望に向かっていても仕方がないから、ひっそりと、静かに、かすかな希望を信じて、毎日を精一杯生きましょう。そうする以外にないじゃないの。と。前向きにはなれないんだけど、なんとか死なないで、生きる、と。まあ」と独特の節回しで作品のメッセージについてコメント。出演陣は『ノルウェイの森』の初音映莉子、石橋けい、『マイ・バック・ページ』の古舘寛治といった実力派がそろっており、そんな作品が醸し出す雰囲気は一度見たら忘れられないはず。邦画界に期待の新人がまた一人登場したことを告げる一作だ。(編集部・福田麗)

映画『ミツコ感覚』は12月、テアトル新宿ほか全国順次公開

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映画『ミツコ感覚』オフィシャルサイト
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