MF:遠藤保仁(後半28分 out)

 → 前半35分に、ガンバ大阪のチームメイトのイ・グノからボールを奪うと、ためて・ためて・ためてからFW李忠成にパスを通して、MF香川の先制ゴールのお膳立てをした。このシーンは、MF遠藤が右サイドの深い位置でディフェンスし、もう一人のボランチのMF長谷部がパスを受けようと右サイドに流れていったが、ダブルボランチがここまで前掛かりになる展開は、代表では珍しいのではないか。共に守備で持ち味を発揮するタイプではないが、うまくバランスが取れている。だからこそ、どちらかが欠けると攻守のバランスが崩れてしまう。早く「第3の存在」を見つける必要があるが、「どちらかの選手」 or 「二人とも」が怪我等で離脱して、「しばらく使い続けるしかない。」という状況にならない限り、適任者を見つける難しいだろう。


MF:家長昭博(後半28分 in)

 → 3点リードした後半28分に投入されたが、こういう余裕のある展開になるとサボりがちな選手で、案の定というべきか、MF家長がボランチに入ったことで、守備の組織は崩れて、韓国にチャンスを作られてしまった。MF家長だけの責任ではないが、シュート数を見ると、MF家長を投入するまでの73分間は、「日本:22本」で「韓国:11本」だったが、MF家長を投入した後の17分間は、「日本:1本」で「韓国:9本」と明らかに劣勢になった。代表招集されてから、ザッケローニ監督は、ボランチで試しているが、これまでのところ、あまり成功していない。能力の高い選手なので、現状に歯がゆいところはあるが、これまで、マイペースでやってきたので、簡単にスタイルを変わることができないだろう。今でこそハードワークもできるようになったMF遠藤も、大きく変わったのは20代の後半だった。それを考えると、時間的な余裕はあるが・・・。


MF:長谷部誠(後半21分 out)

 → 代表では、相変わらず高いレベルのプレーを続けている。ここ1・2年は、アルゼンチンのFWメッシと逆で「代表ではOK。しかし、クラブではイマイチ。」という状況が続いているが、今シーズンは、ヴォルフスブルクでもいいスタートを切っているので、クラブでも充実したシーズンとなることを期待したい。若い頃に浦和レッズで見せていたドリブルやパスのことを考えると、攻撃的な部分では、もう少し上のレベルに到達することができるだけのポテンシャルを持っている。今シーズン、リーグ戦での活躍を期待したい。


MF:阿部勇樹(後半21分 in)

 → 久々の代表戦でアピールしたかったが、持ち味は出しきれなかった。韓国が攻め込んできた時間帯で登場したので、MF阿部だけの責任ではないが、中盤の守備gルーズになって、相手を捕まえきれないシーンも目立った。ベテランの域に入ってきて、年齢的には「上の上」になってきたので、継続して代表に呼ばれるわけではないのでアピールのチャンスだったが、もうひとつだった。


FW:李忠成

 → 1トップのポジションは、FW前田とFW李忠成のレギュラー争いになっているが、一歩リードした感じがする。これまでの代表戦では、「自分が、自分が。」という意識が強くて効果的とはいえない試合もあったが、この日は、2列目の3人を生かしながら、自分もゴール前に入っていって、シュートチャンスを作った。韓国で1トップを任されたFW朴主永とは同い年で、ユース時代から将来を嘱望されてきたFW朴主永と、若年層の韓国代表に呼ばれた経験を持つものの馴染めなかったFW李忠成は対照的な立場にあったが、この試合では、FW李忠成の方が、はるかに効果的なプレーを見せた。韓国との対決ということで、複雑な感情もあったと思うが、全てを乗り越えて、完全に「日本人・李忠成」となったような気がする。