発熱した真知子(鈴木杏)を介抱するカズ(高良健吾)。ここからラブシーンへとつながる/[c]2011「軽蔑」製作委員会

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数々の名作を生み出した作家・中上健次の遺作の映画化で、壮絶な純愛を描いた『軽蔑』。6月4日より公開されている本作だが、高良健吾と鈴木杏による体当たりの本格ラブストーリーに「全てをさらけ出したふたりに、胸が痛くなった」「美しい男の苦悩とあがき、幼稚園児みたいなぼろ泣きに打ちのめされた」など、絶賛の声が多く寄せられている。

【写真】ポールダンサーの真知子役に挑んだ鈴木杏

劇中には本作ならではのエロあふれる印象的かつ象徴的なロマンティックなシーンが多い。街なかを裸足で駆け抜け、冷え切った真知子(鈴木)の素足を自らの腹部で温めてくれるカズ(高良)の類まれなる優しさが表現されるシーンや、高熱を出した真知子を介抱するカズが手づかみでメロンを食べさせるシーン(その後のラブシーンへとつながる重要な情景)などが代表的な例だ。エロスあふれるシーンには、「日本映画史に残るであろう、官能的なラブシーンだ」との声も聞こえ、ヒロインを恋の虜にしたカズの極上の優しさが垣間見らる情景に、観客の女性までも虜になっているという。

これまでもエロス的ラブシーンには、『愛と哀しみの果て』(86)のロバート・レッドフォードがメリル・ストリープの髪を洗うシーンや、『タイタニック』(97)でのレオナルド・ディカプリオがケイト・ウィンスレットのヌードをデッサンするシーン、『蛇にピアス』(08)でのARATAが吉高由里子の背中に刺青を彫るシーンなどがあったが、前に挙げた本作の2つのシーンも映画史に残ると思われる。その印象的なシーンは、是非スクリーンで目にしてほしい。【Movie Walker】

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