中国の民主活動家らによる“中国版ウィキリークス”創設計画がこのほど明らかになり、中国当局も関心をもっている。多維新聞網が報じた。

 ウィキリークスは、政府、企業に関わる機密情報を公開する海外のウェブサイト。今年9月24日、「政府醜聞」という中国語ウェブサイトに、「中国版ウィキリークスまもなく登場 情報提供者とあなたの加入を待っています!」と題する記事が掲載された。

 中国政府の機密情報を公開するウェブサイト「政府解密」の立ち上げ準備が進行中で、2011年6月1日の運営開始を予定しているという。このサイトの主旨について、発起人の1人(匿名)は香港紙・南華早報に対して、「中国の政治改革を推進し、専制に反対し、人民の知る権利を勝ち取るための闘争だ」と語った。すでに、記者、弁護士など60人の支持を集めており、中国政府もその動向に注目しているという。

  中国では7月下旬に開かれた中国共産党の最高レベル会議で、機密情報漏えい防止について話し合われたが、皮肉なことに、その3日後に会議記録が海外のインターネットサイト上に流出するという事件があった。このため中国共産党は、党の機密文書の窃盗やコピー、さらには内部告発による流出防止に神経を尖らせている。

  実際、共産党幹部による秘密文書の海外流出は再三発生している。特に、2001年に発表された『天安門文書』は中国政府に大きな打撃を与えた。党幹部の中には現在の政治路線に不満を持つ者も多く、そうした幹部らが党に圧力をかけるため、持っている情報を利用するとの指摘もある。

 ただし、インターネットに詳しい専門家の多くは、「政府解密」創設の計画が公然としすぎていると感じており、なかには「機密漏えい者を捕まえるために当局が仕掛けた罠ではないか」と疑う人もいる。なお、ウィキリークス側は中国の「政府解密」とは直接の関係はないとしている。(編集担当:中岡秀雄)



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