――初回盤の3曲目の「マイホームタウン」って、「故郷」だけではない意味も含まれていると思うんですけど、以前からプロフィールに「岐阜県飛騨高山育ち」と書かれていて、そんなにアピールする所なのかなと。

たむらぱん:確かに、岐阜県生まれでいいのに(笑)。

――たまに帰省されたり?

たむらぱん:もちろんします。最近は母が東京に来たり、実家雰囲気を味わう機会があったんです。でも、私は結構「もう上京したい!とにかくこの地域から出たい!」みたいなタイプだったんですよ。出てすぐは「たまに帰るのはいいけど、やっぱりなぁ…」みたいな所があったんですけど、それが何年も経つと段々「あそこも絶対に今の自分にとって、あるべくしてあった場所だな」って、昔よりも見る感覚が変わってきたと思うんですよね。

――飛騨高山の良さを感じるのはどんな所ですか?

たむらぱん:もう全てがゆっくりということですね。本当に何も無いので、何かをしに行く時に、すごく支度をして向かう感じがあって。遠かったり、車を使わなきゃいけなかったり、みんなで行くんですよね。一人で買い物に行って帰ってくることが無いというか。誰かが行っていることも、帰って来たことも把握するみたいな所があって、そういう近さはすごくあるなと。

――「マイホームタウン」から上京して、先ほどの「葉っぱの航海」を作った5年前はお客さんが2人しかいなかったり、初心に返るような想い出はありますか?

たむらぱん:もうメチャメチャありますよ! 例えば、一人で弾き語りの時に、イントロでいきなり失敗して。緊張して、弾き直してもずっと失敗するんですよ(笑)。あれはもうトラウマで、「もう二度と人前で…」と思ったこともありましたし。緊張も凄かったので、ライブ自体やることも全然嫌でしたし。実際に対バンとかでライブをやると、メインが自分じゃない時の感じとか、自分のことを知らないお客さんもいっぱいいるじゃないですか。今はそういう人達が知らないなら「知ってもらえるといいな」というスタンスでいられるんですけど、前はもう「この人達は本当に『今の時間とか最悪!』と思っているんだろうなぁ、早く次の人に回さなきゃ」とか考えていましたけどね(笑)。

――「葉っぱの航海」は、お客さんの話を元に膨らませた感じですか?

たむらぱん:ザックリ言うと、すごく悩んでいて疲れちゃうと、色んなモノに対して喜んだり、泣いたり、悲しんだりすることに疲れた、みたいなことを話していて。その話をきっかけに「人間って、辞めてみたらどうなるんだろう?」という所をイメージして葉っぱにしてみたら、最後はやっぱり後悔をしたという結末で。戻れたかどうかは分からない所が、ちょっと怖い締め方ではあるんですけど。

――いつもそうですよね。完全なハッピーエンドにはせず、どこかに毒を含ませるというか。

たむらぱん:そうですね(笑)。

――9月には東京と大阪でワンマンがありますが、「SOSOSOS」というタイトルには触れない方がいいですか?

たむらぱん:それは大事ですよ(笑)。「真ん中の“O”はニコちゃんマーク!」って、すごく言い続けてたんですけど、結局ただの“O”に。

――そういうグッズを作ればいいんじゃないですか?

たむらぱん:あっ!そうですね。それがいい(笑)。

――ライブに向けて今から考えていることはありますか?

たむらぱん:もう既にちょっと準備をしていて、今回はメンバーも増やそうかと思っていて。前よりもちょっとストーリーの構成を作りたいので、そういうことが出来るような方向に向けて色々とやっているので。ライブの表現自体、今までとはまたちょっと違う所に行くと思います。

――例えば、今まで生弦とかを入れたことはあるんですか?

たむらぱん:1回「回転木馬」という曲で、私がピアノ弾き語りで、カルテットはあったんですけど。今後そういうのも出来たらなと。

――前回のアルバム「ノウニウノウン」を出されてから1年経ちましたが、次の作品に向けて考えていることはありますか?

たむらぱん:「次はこれだ!」というレパートリーがもう揃っているぐらいなんですよ。「これはとっておこう」とかではなく、それまでに出来た、いいと思える曲をどんどん入れ替えていて。常に自分の中で1番という曲を入れたいなと思っているんですけど。もし次回のアルバムのリリースになったら、「葉っぱの航海」じゃないですけど、「結局、何だったんだろう?」とか、もっと答えが出にくいような混乱させるような結果で締める曲とかも。前のアルバムはそういう部分がほぼ無いような方向に向いていたので、逆に足していってもいいかなと思っています。

・たむらぱん|インタビュー - アーティスト情報