――「SOSです」と繰り返し続けて、最後の方で「自分の人生 SOスペシャルになるまで」と歌詞にありますが、自分の人生がどうなったらスペシャルだと思いますか?

たむらぱん:「これ以上」という欲を出さなくなった時かなと思いますね(笑)。

――そんな日が来ると思います?

たむらぱん:絶対に来ないと思います。「来ないな」と思いながら、書いてる感じですけどね。

――目指している感じですか?

たむらぱん:そう。目指すのは大事だなと。

――満足したら、そこまでですもんね。

たむらぱん:そうですよね。やっぱり上手く出来ているというか、絶対に辿りつけない所があるのが、みんなに決められたこと、みたいな感じがあるんじゃないですかね。

――以前にも声優をやってみたいと話されていましたが、実際に今回「もやしもん」で声優に挑戦されてみて如何でしたか?

たむらぱん:よく「画面の動きを見ながら」とか言うじゃないですか。でも、ただ動いているんじゃなくて、画面にも字がバァーッと出て来て、それに合わせるシーンがあったんですよ。そういう所は、視野をいつも以上に広げて台本を見ながら、映るものを想像しながらやったんです。そういう物理的な難しさはあったんですけど、曲を作る時って、頭の中のイメージはあるんだけど、画面に写るというか、絵とか物体で見えている物って無いじゃないですか。もちろん音楽に対してもそれが生きるようにイメージしてやっているんですけど、動いてるものに実際に声を入れる作業は、本当に自分が命を入れている感じがして、すごく魅力的だなと思いますね。

――実感としては、手応えがあったと。

たむらぱん:高めとか、伸ばす言葉の長さを変えたり、結構色んなバージョンがあったり。終わった時は、120%の力を出してたなと(笑)。

――今後やってみたいキャラクターなどはありますか?

たむらぱん:恋愛モノとか、ディズニーとか、夢は大きくジブリとか! 今回、菌同士で絡んだので、人と絡んでみたいなと(笑)。

――2曲目の「ストーリーテラー」は、言葉本来の意味はありますけど、歌詞の中ではどんなイメージですか?

たむらぱん:人生の転機というか分かれ道みたいな時に、色んな場所とかその時々で、お世話になったじゃないけど、自分の心に残っている言葉だったり助言みたいなものですね。絶対にそういうのをもらっていたハズだから、思い出せば大丈夫みたいな所とか。助言してくれた周りの人達を思い出して感謝しながら、「じゃあ、もうちょっと進んでみる」という力をもらうみたいなイメージで書いたんですよね。

――例えば学校の先生とか、自分の人生に大きな影響を与えてくれたと感じる人はいますか?

たむらぱん:その時々であったんですけど、一番記憶に新しいのは、大学の卒論の時の先生で。専攻が美術史学という、美術の歴史とか建物とか仏像とかだったんですけど、卒論のテーマを「ムーミン」を強引に美術の歴史に結び付けて書いたんですよ(笑)。そのテーマに対して担当の先生がいなかったんですけど、「ヨーダ」って呼ばれていた先生が担当になってくれて(笑)。ことある毎にフィンランドのお土産をくれたり、賞味期限が切れているけどムーミンのグミだからあげるとか親身になってくれて。最後に卒論の評価をもらわなきゃいけなくて、その時に「卒論としては全然ダメなんだけど、読み物としてはすごく面白かった」と言ってくれて。もちろん、いっぱい決まりごとがあるんだろうけど、そうではない所の面白さを見てくれたことが嬉しかったのをすごく覚えていますね。自分もそういう風に柔軟な感覚でいたいと思いました。