インタビュー:辻詩音「怖いものを知った上で、それでも進む」
――2008年11月に「Candy kicks」でデビューしてから1年半が経ちますが、デビューして変わったことは?
辻:19歳からハタチになるというのもあったので、心情もすごく変わったりしたんですけど、その度に悩んで、壁にぶつかっていました。ただ、「ハローグッバイ」でも言いたいことなんですけど、デビューする前は怖いものが特に何も無くて、だからこそ色々なことが出来たんですけど、デビューしてから色々なものを知って、今は本当に怖いものだらけだなと思うんです(笑)。でも、怖いものを知った上で、それでもやっぱり進むぞ!と思う方が、怖いものを知らないで進むよりも強いことなんじゃないかなと思ったので。すごく簡単な言葉かもしれないですけど、強くなったのかなと思います。――「Runaway」って、今でもたまに逃げだしたくなるような時はあります?
辻:しょっちゅうありますけど(笑)。本当に日々葛藤で、「Runaway」の歌詞でも「逃げたいけど逃げたくない 進みたいけど戻りたい」とか、もういつもそういう感じで自分と会話しつつ。でも、きっと他のことは逃げていると思うんですけど、音楽のことはなるべく逃げないでいたいなと思います。――逃げたくなるような時に、気持ちを切り替える方法はありますか?
辻:曲を作るとか。音楽以外のことで落ち込んでも、音楽のことで落ち込んでも、結局私の中では音楽でしか解決できなくて。逆に、音楽以外が上手くいっていても、いい曲を作れない時期とかだと、もう全然喜べなかったりするので。音楽で支えられているというのもありますね。――曲が作れない時期は、今でもあるんですか?
辻:「ハローグッバイ」とかの時にすごく、今までに無いスランプに陥ったんです。今までは曲が作れない時期があったとしても、次の日に1日10曲とか生まれることもあったりするので、波があっても気にしていなかったんですけど、「ハローグッバイ」はアルバムに入れたかったので期限もありましたし(笑)、悩んだりしましたね。――曲を作る時は、精神的にも調子がいい時なのか、それとも逆に負の感情が強い時なのか、どういう時が多いですか?
辻:圧倒的にマイナスな時の方が多いですね(笑)。――負の感情の時に、逆に明るい曲を作ろうとするのか、それとも精神状態が反映された内容になるのか、どちらが多いですか?
辻:最初は嫌だなと思いながら書いていても、自分の歌詞って、最終的に前向きになって終わるんですよね。だから読み返してみると、入りは大丈夫かな?と思っても、ちゃんと前を向いているので。書きながら、前に向かっているんじゃないかなと思います。――今回の収録曲の中で、特に難産だったのは「ハローグッバイ」?
辻:そうですね。1番ですね。――逆に、1番早く出来た曲は?
辻:最後のボーナストラックの「地球儀にキス」はレコーディングの2日前に出来た曲で(笑)。歌詞もいつもは結構悩んだりするんですけど、もう考え過ぎない曲にしたいというのもあったので、楽しみながらそのまま作ったという感じがして。――アルバムのエンディングをそういう風に終わらせたいというイメージもあったんですか?
辻:ボーナストラックを入れたかったですし、ボーナストラック以外の13曲が結構色々なメッセージを歌ってきたので、最後は「でも、笑っていられたら、それでいいよね」という所に行き着きたくて。――今回アルバムに入らなかった曲もあると思いますが、選曲基準はどういう所にありますか?
辻:デモを録っていた時点でもう100曲以上あって、そこから選ぶという時に本当に大変で。ファーストアルバムでもう2枚組にしたいぐらいだったんです(笑)。でも、1枚目というのもあるので、とにかく自分が1番気に入っている曲という。すごくシンプルなことなんですけど。それを選んでいったら、自然にちゃんと波も出来たかなと思います。