福岡県議会での金銭授受問題について記者会見する樋口明県議(2日午前9時33分、福岡県庁で)=長野浩一撮影

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 福岡県議会での金銭授受疑惑を巡り、自民党県議団の樋口明議員(55)が2日、福岡県庁で記者会見を開き、2017年5月の議長就任前、当時の自民県議団幹部らとのゴルフ代や食事代などとして、少なくとも約600万円を支払ったことを明らかにした。

 樋口氏は今年9月27日まで自民県連幹事長を務めた元幹部で、一連の疑惑で実名での証言は3人目となる。「慣例に従って費用負担を求められた。(負担した行為は)正しいものではなかった」と陳謝した。(手嶋由梨、山之内大空、後藤茜)

県連幹事長就任「危ぶまれたのでは」

 樋口氏の説明によると、〈1〉16年4月、自民県議団幹部によるゴルフ会「蔵内会」または他会派幹部を含めたゴルフ会「マスターズ」の宿泊代を含めた費用約150万円〈2〉同年秋、福岡市内の料亭での自民県議団幹部との会合で食事代と「お車代」〈3〉参加していない同年12月のマスターズの費用約300万円〈4〉17年1月、同市内のフランス料理店での自民幹部との食事代〈5〉同4月、蔵内会またはマスターズの費用約150万円--を全額負担した。記憶にある分のみ金額を明らかにしたとしている。

 当時の自民幹部には、蔵内勇夫前議長(議員辞職)、中尾正幸前副議長(同)、松本国寛議員、原口剣生議員、松尾統章議員が含まれる。樋口氏は、「影響が大きい」として実名は明らかにしなかったが、このうち現職の県議1人から、ゴルフ代や食事代などの負担を求められたという。第三者委員会には実名などを説明するという。

 樋口氏は「(以前から)議長に就任するにあたり、1000万円程度が必要とのうわさは聞いていた」と説明。「議長になるために現金を渡したのではない」と強調しつつ、「応じなければ議長就任、その後の私の議連(議員連盟)の会長や県連幹事長の就任は危ぶまれたのではないか」と吐露した。

 県議会の正副議長を巡る金銭授受疑惑については、7月上旬に、元議長の吉松源昭(もとあき)議員らが当時の自民幹部に現金を支払ったことなどを明らかにした。樋口氏は当時、読売新聞の取材に金銭の支払いを否定していた。

 約3か月後の証言となった理由に関し、樋口氏は「真相について説明すべきだとは思っていたが、そのタイミングは(第三者委員会の)調査が終わってからと考えていた。調査がいつ終了するか分からない中で、これ以上先延ばしするわけにはいかないと考えた」と説明。「二度と悪しき慣例が繰り返されることのないよう、信頼回復に向け取り組む」と述べ、自民県議団からの離脱や議員辞職は否定した。

 樋口氏は福岡市南区選出で当選6回。17年5月~18年5月に議長を務めた。23年5月に自民県連の幹事長となったが、疑惑による県連の体制刷新で、今年9月に幹事長の職を離れている。

 一方、当時の第2会派に所属し、樋口氏と同時期に副議長を務めた守谷正人議員(国民民主党県議団所属)は2日、読売新聞の取材に応じ、「(副議長就任にあたり)金銭のやり取りはない」と改めて否定した。

元正副議長、相次ぎ証言

 金銭授受疑惑は、吉松源昭議員が7月上旬、2020年6月の議長就任前に当時所属していた自民党県議団幹部にゴルフ代や飲食代などの名目で、約2000万円を支払ったと証言したことが発端となった。

 このうち1000万円は当時の県議団幹事長・中尾正幸前副議長(議員辞職)の指示で、19年10月16日、当時の県議団会長・松本国寛議員に渡したと主張。今年9月下旬には、その前日に銀行口座から1000万円を引き出したことを示す通帳記録のコピーを公表した。

 吉松氏と同時期に副議長だった江藤秀之議員も約800万円を渡したと明かした。読売新聞の取材では、他にも匿名で2人が正副議長就任前に現金を渡したと証言している。一方、蔵内勇夫前議長(議員辞職)ら幹部は受け取りを否定している。

 疑惑を巡っては、9月17日、日本弁護士連合会の指針に基づく第三者委員会が設置され、解明に向けた調査が始まっている。委員5人と調査員8人は全員弁護士で、元議員を含む幅広い関係者に聞き取りを行う予定。今年度末までの報告書公表を目指している。