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 広島は1日、昨季セ・リーグ首位打者の小園海斗内野手(26)と、矢野雅哉内野手(27)、前川誠太内野手(23)、田村俊介外野手(23)に来季の契約を結ばない旨を通知した。4人はいずれも今季「ゾンビタバコ」と呼ばれる指定薬物エトミデートを巡るトラブルがあった。球団は聞き取り調査の結果、選手と信頼関係を築くことが難しいと判断し、正遊撃手を手放す大なたを振るった。 

 球団は広島県警の捜査とは別に、半年間にわたって内部調査を進めてきた。鈴木清明球団本部長は「(薬物を)使用した事実は、我々は確認できていない」と話したものの、聞き取り調査の結果、選手の潔白を証明することが難しいと判断。「白か黒かで言えば白。ただ矛盾や疑念を感じることがあり、新井監督の下で来季に向けて一丸となって進むのに、球団との信頼関係を築くことが難しいと判断した」と説明した。

 広島に激震が走った。小園は昨季、打率と最高出塁率の2冠に輝き、今年3月には日本代表としてWBCに出場した。小園、矢野、田村の3人は薬物を羽月隆太郎元選手に譲渡した男(のちに有罪判決)らと同席する様子の写真が、7月に週刊誌で配信されていた。

 ただ“売人”との同席写真が報じられても、小園、田村が違法行為に関わっていたかどうかは不明。小園は「信頼できないと言われた」と球団とのやりとりを明かした。潔白との主張が球団に届かなかった無念さについて「ありますけど、仕方ないかなと思う。(戦力外に)なるだろうと思っていた」と淡々と語った。ファンや球団には「感謝しかないです」とし、「(今後も)野球ができるんだったらやりたい」と現役続行を希望した。

 今季は精彩を欠いたとはいえ、カープの新たな顔と期待された小園。会見後には自身のSNSを更新し、球団関係者やファンに謝罪した上で「違法薬物の使用や所持、反社会的勢力とのつながりといった法令違反行為につきましては、過去も現在も一切関与しておらず、いかなる違法行為の事実もございません」と潔白を強調した。今後については「私には野球しかありません」と思いをつづった。

 不祥事が相次ぎ、ナインに混乱があったのは事実。鈴木球団本部長が「みんな力のある選手。チャンスがあるなら(他で)頑張ってほしいということで送り出した」と語った主力への苦渋の戦力外通告。球団は周囲から疑念を抱かれている選手の一掃を選んだ。26歳が異例の形でチームを去る。 (江尾 卓也)

 ◇小園 海斗(こぞの・かいと)2000年(平12)6月7日生まれ、兵庫県出身の26歳。報徳学園では2年春、3年夏に甲子園出場。高校通算38本塁打。18年ドラフト1位で広島入団。昨季は首位打者、最高出塁率で自身初タイトルを獲得。今年3月の第6回WBC日本代表に選出された。1メートル78、92キロ。右投げ左打ち。

 ▽広島のゾンビタバコ経過 1月27日に羽月元選手が指定薬物エトミデート(ゾンビタバコ)使用の疑いで広島県警に逮捕され、2月24日に球団が契約を解除。5月15日の裁判で有罪判決となった。その後矢野、前川両選手が7月に自宅の家宅捜索を受け、9月25日付で広島地検に書類送検されたが、両選手とも容疑は否認。尿検査においても使用を裏付ける結果は出なかったとされる。球団は2月中旬に全選手を対象とした聞き取り調査を実施。また7月の週刊誌報道を受け、当該選手の1軍登録を抹消していた。