衣替えする前に「しまい洗い」してる!?洗わずにしまうと黄ばみだらけになることも…洗濯研究家が正しい洗い方を解説
肌寒くなってきて衣替えしはじめている方も多いのではないでしょうか。
しかし、しまう前にしっかり洗濯しないと、いざ着ようと思って取り出したとき、お気に入りの服が黄ばみだらけになっている可能性も!
長期間クローゼットなどに収納する前に実践しておくべき「しまい洗い」の方法を、四児のママとして日々洗濯に向き合う洗濯研究家・平島利恵さんに解説してもらいます。
文・写真=平島利恵
「衣替えしない」人も増えています
春夏物から秋冬物へ。衣替えの季節ですね。でも最近は、「そもそも衣替えをしない」という方も増えています。
気持ちはすごくわかります!共働きで忙しかったり、収納をシーズンで分けなかったり。季節ごとに全部を入れ替えるのは、本当に手間ですよね。我が家は6人家族なので、家族分となると衣類の量は膨大。「そこに時間をかけたくない」という気持ちは、痛いほど共感できます。
でも「しまい洗い」だけは省かないで
ただ、ひとつだけお願いがあります。衣替えはしなくてもいい。でも、来シーズンまで着ない服の「しまい洗い」だけは省かないでほしいんです!
しまい洗いとは、その名の通り、しまう前に、ふだんよりもしっかり洗っておくこと。整理収納の専門家も、「一度着た服は、洗ってから収納するのが鉄則」と言います。この最後のひと手間が、来年のあなたを助けてくれます。
なぜ「しまい洗い」が必要なの?
理由は、夏の汚れの手ごわさにあります。
夏の間にたっぷりかいた汗や皮脂は、とても頑固。実は洗濯機で洗うだけでは、繊維の奥に染み込んだ皮脂の汚れまでは落とし切れていないことが多いんです。
しかも皮脂汚れは、透明なので目には見えません。そして、この洗い残した皮脂が問題を起こします。
長期間しまっておくと、皮脂が空気にふれて酸化し、黄ばみに変わっていくんです。りんごを切って放置すると茶色くなるのと同じ現象です。
「しまうときは白かったのに、久しぶりに出したら黄ばんでいる…」。あのガッカリの正体が、これです。だからこそ、しまう前に蓄積した”見えない汚れ”を、しっかり落とすことが大切です。
洗い方は「汚れ具合」で変える
やり方は2つ。汚れの程度で使い分けましょう。
まだ黄ばみやニオイは気にならない程度の汚れならば、温水洗いがおすすめです。皮脂は油汚れなので、水よりお湯のほうが断然落ちやすく、普通に洗うよりスッキリ仕上がります。
温水機能がない洗濯機でも大丈夫。お風呂に新しくきれいなお湯を張り、お湯取りホースで給水すれば温水で洗えます(残り湯ではなく、洗濯用のきれいなお湯を使ってください)。家族分をまとめて洗えるのも、しまい洗いには嬉しいところです。
一方、汚れがひどく、すでに黄ばみやニオイが気になるものは、つけ置き洗いでしっかりリセットしましょう。
用意するのは、40度前後のお湯と、アルカリ性の粉末洗剤。手順はシンプルです。
1)洗面器やバケツに40度前後のお湯をため、洗剤をよく溶かす
2)衣類を沈めて、30分~2時間つけ置き
3)その後いつも通り洗濯機で洗う
汗・皮脂は酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤で中和して落とします。こすらなくても、つけ置きだけで繊維の奥の汚れが浮いてきます。
日焼け止めがついた服は、ひと手間
ちなみに、夏物には日焼け止めがついていることが多いです。首元や肩、袖口についたまま放っておくと、黄ばみの原因になります。
気になる部分は、しまう前に中性洗剤でやさしくもみ洗いしておきましょう。これだけで来年の
仕上がりが変わります。
そして、洗ったあとは完全に乾かしてからしまうことも重要です。湿気が残っていると、黄ばみやカビ、虫食いの原因になります。
「手放す」を考えるチャンスでもある
ひとつひとつ服と向き合うしまい洗いは、「これ、来年も着るかな?」を考えるいいタイミングでもあります。
「高かったから、もったいない」。そう思う服、たくさんありますよね。私もそうです。
でも、体型が変わったり、好みが変わったり、「いつか着るかも」の"いつか"が何年も来ないまま、しまわれ続けている服はありませんか?
実は、着ない服をとっておく収納スペースや、毎年の衣替えの手間のほうが、もったいないこともあります。しまい洗いをしながら「これは手放してもいいかも」と思えたら、それも立派な答え。残す服が減れば、来年のしまい洗いも衣替えも、もっとラクになります。
衣替えは、しなくてもいい時代かもしれません。でも、しまう前のひと手間が、来年の自分を助けてくれるので、ぜひしまい洗いを試してみてくださいね。
平島利恵(ひらしま・りえ)
洗濯研究家、株式会社Heulie(ユーリエ)代表取締役。主婦目線と専門知識を兼備し、幅広いメディアで記事の監修・執筆を担当。自身のYouTubeチャンネルでも洗濯のコツを発信している。四児の母。クリーニング師。

