職業柄スタイルを褒められることはあるが「胸元などをジロジロ見られるのは…」と教えてくれたよあけさん(撮影・徳重龍徳)

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 かつては職場や飲み会などで何気なく交わされていた会話が、今では若い世代に「それ、ハラスメントですよ」と受け取られることがある。言っている本人には悪気がなくても、受け取る側との間には大きな感覚のズレが生まれているのかもしれない。では、若い女性たちは実際、中高年男性のどんな言動に「それはもうやめたほうがいい」と感じているのだろうか。

 9月17日~20日まで千葉・幕張メッセで開催された世界有数のゲーム見本市「東京ゲームショウ2026」の会場で、レースクイーンやイベントコンパニオン、グラビアアイドルなど、人と近い距離で接する機会の多い女性たちに聞いた。

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SNSセクハラは減ったけれど

 ハラスメントとしてまず思いつくのは、セクシャルハラスメントだが、SNS上でのやりとりに関しての意識は高まっているようだ。コスプレイヤー、グラビアアイドルとして活動する千咲てらさんは、SNS上の性的なコメントについてこう話す。

職業柄スタイルを褒められることはあるが「胸元などをジロジロ見られるのは…」と教えてくれたよあけさん(撮影・徳重龍徳)

「SNSで露骨な性的なコメントをされることは、以前よりだいぶ減った気がします。SNS自体が厳しくなっていて、露骨な言葉を書くとアカウントがBANされることもあるので、褒めていただく場合でも、ファンの皆さんもそこは気を遣ってくれているのかなと思います。直接的な言葉を避けたり、言い方を考えてくれたりしている印象があります」

 一方で、今なお気になるという声が多かったのが、恋愛や家族などプライベートへとずけずけと入ってくる人だ。レースクイーン、グラビアアイドルの優希つづはさんはこう話す。

「年齢を聞かれるくらいなら私は気にならないんですけど、『彼氏いるの?』『好きなタイプは?』みたいなプライベートなことを、しつこく聞かれるのはハラスメントだと感じるかもしれません。最近は、そういう質問がハラスメントになると分かっていて、聞かない人も増えてきたので、その点はよくなったと思います」

 イベントコンパニオンの七南喜音さんも、似た経験を明かす。

「仕事をしていると、『どこに住んでるの?』とか、家族構成など、個人的なことを聞かれることがあります。たぶん悪気があるわけではなくて、会話のきっかけとして聞いているんだと思います。ただ、こちらとしては答えられない。ハラスメントとまでは思わないですけど、今の時代、そういうプライベートな質問は少し気をつけたほうがいいのかなと思います」

下ネタ、本人は面白いかもしれないが…

 言葉ではなく、視線を挙げる女性もいた。インフルエンサー、ストリーマーとして活動するよあけさんはこう話す。

「職業柄、足先から頭まで見られて『スタイルいいね』と言われることはあります。褒めてもらうことは嬉しいんですが、胸元などをジロジロ見られるのは、あまりいい気はしないですね。衣装によっては目立ってしまうこともあるので、多少視線がいくのは仕方ないと思うんですけど、わざと見るような感じだったり、その後もずっと見続けられたりすると、ちょっと嫌だなと思います」

 さらに明確に「あれはハラスメント」と例を挙げて指摘したのが、グラビアアイドル、撮影会モデルの飴舐めるさんだ。

「撮影会だと、下ネタをかなり言ってくる方がいますね。本人は面白おかしく言っているつもりなのかもしれないですけど、結構きつい内容の下ネタもあります。こちらもお客さんなので、その場では笑って対応することもあるんですけど、あまり言わないほうがいいと思います」

 相手が笑っているからといって、必ずしも面白がっているとは限らない。接客する側であれば、その場の雰囲気を壊さないために笑って受け流しているケースもあるからだ。

ハラスメントを恐れすぎることにも違和感

 では、時代が変わった以上、おじさん世代は若者に対して何も言わないほうがいいのだろうかというと、そう単純でもない。会社員として働きながらイベントコンパニオンもしているエリカさんは、年上世代が今の価値観に合わせる必要性を感じる一方で、パワーハラスメントを恐れすぎることにも違和感があるという。

「私の働いている会社だと、『今の時代に合わせないといけない』と意識している人は多いと思います。ただ、ハラスメントと言われるから怒らないというのも違う気がします」

 エリカさんが特に感じるというのは、今の若い子は怒られ慣れていないという点だと語る。

「私もそうですが、同年代の子って子供の頃から学校の先生にも怒られていなくて、怒られ慣れていないんです。なのでちょっと怒られただけでも全否定されたと感じてしまって、すぐに仕事を辞めちゃう人も多い。でも逆にそこで怒ってあげないと、もっと若い人がダメになっちゃう気がするんです。もちろん時代に合わせて価値観はアップデートしつつも、必要な注意まで全部やめるのではなく、言い方に気をつけながら、言うべきことは言う。そのバランスが大事なんじゃないかなと思います」

 今の時代に合わせやめた方がいいことがある一方、時代が変わってもやめない方がいいこともある。

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徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。ウェブメディアウォッチャー。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。その後、テレビ局のオウンドメディア編集長を経て、現在はフリーライターとして雑誌、ウェブで記事を執筆している。著書に日本初のグラビアガイドブック「一度は見たい! アイドル&グラビア名作写真集ガイド」(玄光社)。noteでマガジンを連載中 X:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部