何が起こるか分からない--難敵・北朝鮮と薄氷の1-0、激闘で見えたU-21日本代表の“強さ”。異例の事態にも「僕らは動揺せずに戦えた」【アジア大会】
今大会において最も苦しんだゲームだった。
9月26日に行なわれた第20回アジア競技大会の男子サッカー競技の準々決勝。2028年夏のロサンゼルス五輪をターゲットとするメンバーで臨んでいるU-21日本代表は、U-23北朝鮮代表と対戦した。
ほとんどの時間帯で相手に主導権を握られ、特に前半はビルドアップで苦戦してボールを前に運べないシーンが散見。カウンターからピンチを招く場面も目立ち、守護神のGK荒木琉偉(G大阪)に救われたのは一度や二度ではなかった。
後半は持ち直したものの、それでも相手に攻め込まれるシーンの連続。とりわけ、終盤は自陣ではね返すだけになり、89分の大ピンチも荒木のスーパーセーブに救われた。
ファイナルスコアは1-0。薄氷を履む勝利だったのは間違いない。
誤解を恐れずに言えば、今回も北朝鮮は力があった。2歳年上のチーム編成に加え、オーバーエイジもフル活用。2年前の北中米ワールドカップ・アジア3次予選の日本戦にも出場していた主将のGKカン・ジュヒョクなど、A代表経験者が顔を揃えた。
琉球などで監督を務めたキム・ジョンソンコーチがベンチにおり、日本のデータを持っていることは想像に容易い。そして、何より勝利に対する執念はほかとは比べ物にならないほど高く、選手からすれば今までに味わった経験がないハートの強さを感じたはずだ。
そうした難しい状況から、いかにして勝利を手繰り寄せたのか。勝負のポイントはふたつある。ひとつ目が後半開始からシステムを変えた点だ。
パリ五輪世代を率いていた頃から大岩剛監督は4-3-3のシステムを採用。それはこのロス世代でも継続され、流れによって可変することはあっても基本の陣形をいじるケースはほとんどなかった。しかし、この日は前半からセカンドボールが拾えず、後手を踏む展開に。ビルドアップの部分でもCBとアンカーの間に相手の1トップとトップ下の選手が横並びになり、出口を封じられた。
そうした展開を鑑み、中盤の配置を変更。インサイドハーフに入っていたMF大関友翔(川崎)とアンカーのMF中島洋太朗(広島)がダブルボランチを組み、MF嶋本悠大(清水)をトップ下に配置した。

