エゴには反省もFW塩貝健人、劇的に奪ったA代表初ゴールパフォーマンスの意味「僕はこのスタイルを変えるつもりはない」
[9.24 キリンチャレンジ杯 日本 3-1 ウルグアイ Qスタ]
まさに猪突猛進の奮闘で結果を掴んだ。日本代表FW塩貝健人(ボルフスブルク)はウルグアイ戦の後半38分、左シャドーで途中出場すると、1-1で迎えた後半アディショナルタイム1分に劇的な決勝ゴール。投入された直後はエゴイスティックな姿勢が裏目に出ていたが、ゴールという最大の使命を果たすことでチームを勝利に導いた。
与えられた時間はアディショナルタイムを含めても10分間ほど。塩貝の頭は「ゴールを取るという意識」でいっぱいだった。
後半アディショナルタイム1分、一度は自らのドリブル突破でボールを奪われたが、味方のボール奪取から再びパスを受けると、今度はFW上田綺世に預け、エースにお膳立てを委ねる形でペナルティエリアに抜け出した。最後はGKとの1対1。滑り込みながらの右足シュートでGKの股下を打ち抜いた。
「もう点取ることを意識していた。あそこにスペースを作って、綺世くんがフリーでもう一回もらえた。綺世くんがよく見ていてくれたので良かった」
塩貝はちらりと副審のオフサイド判定を確認した後、口に人差し指を当てる意味深なゴールパフォーマンスを披露。MF久保建英やMF相馬勇紀が駆け寄っても笑顔は見せず、W杯でも話題を呼んだ仏頂面でA代表初ゴールの余韻に浸っていた。
昨年3月にA代表初招集とデビューを飾った塩貝はこれが通算4試合目。終盤の途中出場が続いていることを踏まえれば決して遅いゴールではなかったが、北中米W杯での濃密な時間と、ボルフスブルクで続いたノーゴールの苦しみが強烈な飢餓感を生んでいたようだ。
「すごく日本の人から応援の声があるのも届いているし、W杯前から長い間期待をしてもらってなかなか点を取れていない中、サポートしてくれた日本のサポーターには感謝しかないけど、中には(ドイツ)2部でプレーしていること、今回の選出、W杯でのいろんなことがあって、僕自身にもいろんなメッセージが来て、僕もすごく悔しい思いをしながら日々を過ごしてきた。そういうのを僕のあの1点で黙らせるというわけじゃないけど、そんな感じの意味があった」
「僕のスタイル的になかなか結果が出ないと批判が多いのは分かるけど、それはトップトップに行くにはつきものだと思うし、僕はこのスタイルを変えるつもりはない。結果が出ている時に大きいことを言うのは誰でもできると思うので、結果が出ないときでも常に目標は高く持って、自分の思ったことを言い続けたいと思っていた。そして今日、6か月くらい点が取れていない状況で久しぶりに点が取れて、身体もメンタル的にも軽くなったし、今回のこの1点はすごい自分にとっても大きい1点になったと思う」
もっとも、これほどゴールにこだわっていても、ゴールの喜びで我を忘れるわけではないのが塩貝のメンタリティーだ。塩貝の劇的弾に続く後半アディショナルタイム6分、アシストのお膳立てをくれた上田もしっかりとダメ押しゴールを沈めていた中、そのエースの姿は塩貝の心に大きく響いていた。
「ここの1点で満足するようなところを目指しているわけではないんで。この1点は自分にとってすごく大きかったけど、まだまだ上を目指さないといけない。僕はライバルだと思ってるんですけど、上田綺世選手がああやって3点目を決めて、なんか涼しい表情をしてたんで、俺もこの1点で喜んでいる場合じゃない。もっともっと上手くなって、もっと点を取れるようにならないといけない」
試合後、コーチングスタッフやチームメートからはゴールの祝福が送られつつも、エゴイスティックな姿勢でパスを出さなかった場面については厳しい指摘を受けたという。
「ゴールの前の2回、僕が受けたシーンでもっと簡単にやれた部分もあったと思うし、試合に出るためにはああいうところは改善していかないといけないポイントだと思う。名波さん(名波浩コーチ)、長谷部さん(長谷部誠コーチ)からもそこに関してはもっとシンプルにやってもいいんじゃないのという指示をもらえたし、選手の中でもそう言われた」
「点が点がとなるとやっぱりボールしか見えなくなって、実際にあのシーンは外(の味方)が見えていなかった。そこは僕が改善できると思うので、このゴールだけで満足することなく、そういうところをしっかり改善できるように、まだ3試合あるのでどれだけチャンスはあるかは分からないけど、また違った部分も見せられればと思います」
とはいえ明らかな反省点が残ったのは紛れもない事実だが、これほどまでにゴールに没入できるのも一つの大きな才能。猪突猛進に突き進んできた21歳はほろ苦い課題感を味わいながらも、何よりの財産となるA代表初ゴールで日本のエースへの第一歩を踏みしめた。
(取材・文 竹内達也)
まさに猪突猛進の奮闘で結果を掴んだ。日本代表FW塩貝健人(ボルフスブルク)はウルグアイ戦の後半38分、左シャドーで途中出場すると、1-1で迎えた後半アディショナルタイム1分に劇的な決勝ゴール。投入された直後はエゴイスティックな姿勢が裏目に出ていたが、ゴールという最大の使命を果たすことでチームを勝利に導いた。
与えられた時間はアディショナルタイムを含めても10分間ほど。塩貝の頭は「ゴールを取るという意識」でいっぱいだった。
滑り込みながらGKの股下を打ち抜いた
「もう点取ることを意識していた。あそこにスペースを作って、綺世くんがフリーでもう一回もらえた。綺世くんがよく見ていてくれたので良かった」
塩貝はちらりと副審のオフサイド判定を確認した後、口に人差し指を当てる意味深なゴールパフォーマンスを披露。MF久保建英やMF相馬勇紀が駆け寄っても笑顔は見せず、W杯でも話題を呼んだ仏頂面でA代表初ゴールの余韻に浸っていた。
塩貝のゴールパフォーマンス
昨年3月にA代表初招集とデビューを飾った塩貝はこれが通算4試合目。終盤の途中出場が続いていることを踏まえれば決して遅いゴールではなかったが、北中米W杯での濃密な時間と、ボルフスブルクで続いたノーゴールの苦しみが強烈な飢餓感を生んでいたようだ。
「すごく日本の人から応援の声があるのも届いているし、W杯前から長い間期待をしてもらってなかなか点を取れていない中、サポートしてくれた日本のサポーターには感謝しかないけど、中には(ドイツ)2部でプレーしていること、今回の選出、W杯でのいろんなことがあって、僕自身にもいろんなメッセージが来て、僕もすごく悔しい思いをしながら日々を過ごしてきた。そういうのを僕のあの1点で黙らせるというわけじゃないけど、そんな感じの意味があった」
「僕のスタイル的になかなか結果が出ないと批判が多いのは分かるけど、それはトップトップに行くにはつきものだと思うし、僕はこのスタイルを変えるつもりはない。結果が出ている時に大きいことを言うのは誰でもできると思うので、結果が出ないときでも常に目標は高く持って、自分の思ったことを言い続けたいと思っていた。そして今日、6か月くらい点が取れていない状況で久しぶりに点が取れて、身体もメンタル的にも軽くなったし、今回のこの1点はすごい自分にとっても大きい1点になったと思う」
もっとも、これほどゴールにこだわっていても、ゴールの喜びで我を忘れるわけではないのが塩貝のメンタリティーだ。塩貝の劇的弾に続く後半アディショナルタイム6分、アシストのお膳立てをくれた上田もしっかりとダメ押しゴールを沈めていた中、そのエースの姿は塩貝の心に大きく響いていた。
「ここの1点で満足するようなところを目指しているわけではないんで。この1点は自分にとってすごく大きかったけど、まだまだ上を目指さないといけない。僕はライバルだと思ってるんですけど、上田綺世選手がああやって3点目を決めて、なんか涼しい表情をしてたんで、俺もこの1点で喜んでいる場合じゃない。もっともっと上手くなって、もっと点を取れるようにならないといけない」
試合後、コーチングスタッフやチームメートからはゴールの祝福が送られつつも、エゴイスティックな姿勢でパスを出さなかった場面については厳しい指摘を受けたという。
「ゴールの前の2回、僕が受けたシーンでもっと簡単にやれた部分もあったと思うし、試合に出るためにはああいうところは改善していかないといけないポイントだと思う。名波さん(名波浩コーチ)、長谷部さん(長谷部誠コーチ)からもそこに関してはもっとシンプルにやってもいいんじゃないのという指示をもらえたし、選手の中でもそう言われた」
「点が点がとなるとやっぱりボールしか見えなくなって、実際にあのシーンは外(の味方)が見えていなかった。そこは僕が改善できると思うので、このゴールだけで満足することなく、そういうところをしっかり改善できるように、まだ3試合あるのでどれだけチャンスはあるかは分からないけど、また違った部分も見せられればと思います」
とはいえ明らかな反省点が残ったのは紛れもない事実だが、これほどまでにゴールに没入できるのも一つの大きな才能。猪突猛進に突き進んできた21歳はほろ苦い課題感を味わいながらも、何よりの財産となるA代表初ゴールで日本のエースへの第一歩を踏みしめた。
(取材・文 竹内達也)

