辺野古沖事故への“不誠実対応”は「捜査中だったので」 玉城デニー氏が“直撃”に答えた「15万票差惨敗」の背景
ふたを開けてみれば、約15万票の大差をつけられて惨敗した玉城デニー・沖縄県知事(66)。最大の敗因に挙げられるのが、今年3月、名護市辺野古沖で発生した小型船転覆事故への対応だ。その玉城氏が初めて一連の批判に答えた。
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9月13日に投開票された沖縄県知事選は、過去最多の42万票余りを獲得した前那覇市副市長の古謝(こじゃ)玄太氏(42)が初当選を果たした。
一方で、得票が予想外の約27万票にとどまったのが現職の玉城氏である。本人が選挙戦を振り返る。
「敗因はいろんな面があると思いますが、やはり2期8年間の実績を、丁寧に分かりやすく有権者の方々に伝えることが十分にできなかった(のが大きい)と考えています」

拡散された偽情報
玉城vs.古謝の事実上の一騎打ちとなった今回の選挙戦は、SNS上にデマや誹謗中傷が飛び交う異例の展開を見せた。地元メディア記者によれば、
「米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古への移設を巡り、反対を掲げてきた玉城氏が“辺野古移設を決めた”というフェイクニュースがXで拡散。また11日には玉城氏を装った〈投票した方へお礼の品を渡す〉〈『沖縄県』を『琉球県』に改称する〉といった偽メールが県内各所に一斉送信されました。陣営側がいくら反論や削除要請を行っても拡散が止まることはありませんでした」
虚偽投稿は古謝氏よりも玉城陣営に対するものが圧倒的に多いとみられ、一部については刑事告訴の準備を進める方針だという。
辺野古沖転覆事故の対応、玉城氏の弁は……
その意図を玉城氏はこう説明する。
「有権者が(候補者を)判断するメインストリームは政策論争であるべきです。しかし今回は、一方の候補者を当選させるためライバル候補に対し、誇張や事実無根、あるいは人格攻撃に近いようなものまでがネット上に溢れました。これはSNSの運用面での懸案というだけでなく、日本独自の問題でもある。国も知らぬ存ぜぬを決め込むのではなく、(選挙時のSNS規制など)有権者の選択の自由を確保するべきです」
もっとも、玉城氏の劣勢を決定付けたのは、デマや中傷などでなく、小型船2隻が辺野古沖で転覆した際に見せた“冷淡”な態度だったとの声は消えない。
事故により、同志社国際高校(京都府)2年生の武石知華(ともか)さん(17)ら二人が死亡。しかし玉城氏はダンマリを決め込み、発生から1カ月以上もたってからようやく現地へ献花に訪れた。
当時の対応について、玉城氏本人は、
「まだ“事故の原因は誰にあるのか”という捜査中の段階だったため、なかなか発言できなかった場面があったのは事実です。(それにより)対応に不手際があったように受け取られた面はあったかもしれない」
そう釈明した上で、
「そもそも沖縄県が直接、今回の事故に関係しているわけではありません。もちろん、人命が失われたという重い事実に対し、ご遺族にお悔やみを申し上げ、関係者の方々にも捜査への徹底協力を要請しました。また県として、600余りの関係団体に文書を発出して、安全管理の問題について積極的に意見交換する姿勢などを示してきました」
なぜ遺族より先に校長と面会?
“できることはやった”と述べる玉城氏に、事故のわずか2日後、遺族よりも早く同校の西田喜久夫校長と面会した理由を尋ねると、
「だからそれも、あくまで学校側が県に立ち寄るというので、“私どもの方で協力できることがあれば仰ってください”とお伝えしただけです。その場で何らかのすり合わせや学校側からの要望を伝えられた事実などはありません」
最後まで対応の正当性を主張する姿勢を崩さない玉城氏。そのかたくなさのせいで有権者にソッポを向かれたのだとすると、自業自得というほかない。
「週刊新潮」2026年9月24日・10月1日号 掲載
