名将を「最高の投手」と唸らせた快投 “小さな巨人”と化した山本由伸に米球界で高まるCY賞獲得への期待「間違いなくもっと話題にされるべき選手」

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1年を通して快投を続けてきた山本(C)Getty Images

 メジャーリーグのレギュラーシーズンが大詰めを迎え、ドジャースが誇る日本人エースの快投が続いている。

 現地時間9月15日、敵地でのレッズ戦に山本由伸が先発登板。7回(91球)を投げ、被安打1、無失点、7奪三振と好投し、メジャー自己最多を更新する14勝目をマークした。

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 敵将であり、百戦錬磨の名将であるテリー・フランコーナが「今、彼がリーグで最高の先発投手の1人であることには理由がある」と脱帽する胸をすくような投球だった。初回に先頭から2者連続四球を許した山本だったが、後続を危なげなく打ち取って無失点で切り抜けると、そこからは多彩な返球を四隅に投げ込む投球でレッズ打線を翻弄。反撃の糸口すら見出させなかった。

 これで山本の成績は、27先発(179.0イニング)で、14勝(8敗)。さらに防御率2.51、WHIP0.87、被打率.180、被OPS.543と貫禄のスタッツを並べている。今シーズンのドジャースでは、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノー、さらには大谷翔平が先発ローテーションから離脱。1年を通して不安定なチーム状態が続いた中で、背番号は開幕からローテーションを守り抜いている。

 まさに鉄腕。そんな“小さな巨人”に対する声価もうなぎ上りだ。一部のメディアや識者は、「投手版MVP」と評されるサイ・ヤング賞獲得にも太鼓判を押している。ニューヨークから発信を続けている米野球専門ポッドキャスト番組『Baseball Today』に出演する元メジャーリーガーのトレバー・プルーフ氏は「いくつかの指標を見れば、ヤマモトが今季のメジャーで最高の投手だってことは一目瞭然だ」と指摘。さらに「俺ならプレーオフの大事な一戦で先発させるなら彼を選ぶ」と続け、山本の才覚を褒めちぎっている。

「ヤマモトは間違いなくもっと話題にされるべき選手なんだよ。ロサンゼルスだと、どうしてもオオタニの影に隠れがちになってしまうけど、彼ほどスポットライトが当たる舞台で活躍ができて、伝説になれる選手はいない」

 無論、今季もサイ・ヤング賞の受賞候補者には強烈なライバルたちがいる。とりわけ最速169キロを投げる剛腕ジェイコブ・ミジオロウスキー(ブリュワーズ)と変幻自在の左腕クリストファー・サンチェス(フィリーズ)は、山本と同様、あるいはそれ以上に支配的な投球を続けている。しかし、「他の選手たちに敬意がないわけじゃない」とするプルーフ氏は、こう断言もしている。

「それでも今年はやっぱりヤマモトだ。今年ほど安定したシーズンはないし、彼なら間違いなく試合を作ってくれると計算ができる。あんな選手はなかなかいないよ」

 日本人投手でサイ・ヤング賞を手にした者はいない。それだけに「史上最高」の呼び声もある山本が、どのような評価をされるかは興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]