アジア大会のバスケットボール男子日本代表でPGを務める(左から)黒川虎徹、小川敦也、ハーパージュニア・ジャン・ローレンス

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 19日に開会式が行われる愛知・名古屋アジア大会で、開幕に先駆けて競技が始まっているバスケットボール男子。

 日本は16日の準々決勝で台湾を85-78で破り、ベスト4に駒を進めた。今大会は八村塁(NBA・クリッパーズ)、昨季NBAのブルズでプレーした河村勇輝らを含めたいわゆる「A代表」ではなく、今後の飛躍が期待されるメンバーで構成されたチーム。その中で、三者三様の個性を持つ3人の司令塔が躍動している。(デジタル編集部 佐々木想)

フルメンバーの台湾に勝利

 アジア大会のメンバー12人のうち、ポイントガード(PG)登録は3人。このポジションでは大きい190センチで身体能力の高さも備える小川敦也(宇都宮)、対人守備が持ち味のハーパージュニア・ジャン・ローレンス(東京SR)、そして得点力とゲームメイクを武器とする正統派PGの黒川虎徹(A千葉)だ。

 準々決勝の台湾戦では、それまでの1次リーグ同様に小川が先発。積極的なアタックで試合の流れを作ると、ベンチから登場した黒川は状況判断の良いシュートを効率よく沈め、チーム最多23得点をマーク。同じく途中から出場したハーパージュニアも得意のディフェンスで相手の得点源として警戒していたガード陣を封殺し、勝利に貢献した。日本と異なり、台湾はBプレミア・滋賀でプレーする游艾喆らフルメンバーのチーム構成だっただけに、大きな勝利となった。

2ガード、3ガードも組み合わせ自在

 今大会の代表チームで特徴的なのは、「司令塔」の役割となるPGを同時起用する場面が多く見られることだ。その起用は2人同時のみならず、台湾戦では短時間ながらコート上に3人が並ぶ場面もあった。選手を送り出す吉本泰輔ヘッドコーチ(HC)は試合後、「今日はスリーガードを試したが、3人を出したことでスピードとテンポが上がり、ペイントタッチが増える。相手のプレッシャーが強かったら2人とか、1人でもこなせるとか、状況を見ながらこれからもやっていきたい」と起用方法の意図を説明した。

 「A代表」を率いる桶谷大HCもチーム始動時に、3人について「それぞれ特徴があり、(今の段階でも)役割を期待されてスポットでA代表に入る可能性がある選手たち」と評価していただけに、特徴のある組み合わせをチームとして何パターンも持っていることが、戦術面での柔軟性を生んでいると言える。

得点能力覚醒の黒川「のびのびプレーできている」

 今大会に入ってからそれぞれの選手たちが成長していることも見逃せない。1次リーグ最終戦の韓国戦に続いて20得点以上を記録した黒川は、自身のスコアリングに加えて意表を突くパスも繰り出すなど、「ダイスさん(吉本HC)のバスケが少しずつ理解できていて、のびのびプレーできている。『アグレッシブにやっていいよ』と言ってもらえているのも大きい」と充実した表情だ。

 一方で、台湾戦では最大22点のリードを第4クオーターで一気に7点差まで詰められるなど、終盤の試合運びには課題が残った。コート上ではPGが小川1人の時間帯でもあり、本人は「ショットクロック(攻撃時の24秒制限)になる場面もあり、もっと僕が起点になれたらよかった。勝ってる時にすごく緩く入ってしまう傾向があるので、もっと強度を高くやっていかないといけない」と気を引き締める。

勝てば12年ぶり表彰台確定

 バスケ男子のアジア大会での表彰台は、2014年の銅メダルを最後に遠ざかっている。それだけに、ハーパージュニアは「本当にこれからっていう気持ちで、1秒も油断できない試合。これまでと変わらず、速いバスケを展開することと、ディフェンスから自分たちの流れをつかんでいきたい」と意気込む。勝負の準決勝・中国戦は18日午後7時20分開始。勝てば今大会の日本勢最速でのメダル獲得が確定という一戦に注目だ。