スズキの電動モペット「e-PO」

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電源を切ってペダルを漕ぐ場合も通行区分違反に

 昨今、さまざまなモビリティの普及が進んでいますが、なかでも目にする機会が増えたものとして、モペットが挙げられます。

 モペットはペダル付き電動バイクとも呼ばれており、道路交通法上はおもに原動機付自転車(以下、原付)に分類されています。

【画像】超カッコいい! これがスズキの電動モペット「e-PO」です(13枚)

 そのため、公道を走行する際は運転免許証の携帯やヘルメットの着用のほか、ナンバープレートの取得や自賠責保険への加入も必須とされているなど、法律上はバイクと同じ扱いを受けることになります。

 しかし、モペットには、自転車と同様にペダルが備わっているという特徴があります。

 そのため、モーターの電源を切ってペダルをこいでいる状態であれば、自転車のような感覚で歩道に乗り入れても問題ないと勘違いしてしまう人も少なくないかもしれません。

 では、もしも走行中にバッテリーが切れ、自転車のように自力でペダルをこいで進む状態になった場合、歩道を走行してもよいのでしょうか。

 結論から言えば、電源を切ってペダルをこいでいる状態であっても、モペットに乗って歩道を走ることは法律で禁止されています。

 2024年11月に施行された改正道路交通法の第2条第1項第17号において、車両の「運転」に関する定義が明確化され、モーターの電源を切ってペダルのみを用いて走行させる行為も、原付などを運転している状態と同じ扱いになることが明記されました。

 従って、ペダルを漕いでいるだけであっても、歩道を走行すれば通行区分違反という交通違反に問われることになります。

 つまり、原則としてモペットは車道の左端を通行する必要があります。

 また、モペットはモーターやバッテリーを搭載しており、一般的な自転車と比べて車体重量が重く設計されている場合も少なくないため、たとえペダルを漕いでゆっくり走っていたとしても、歩行者と接触した際の衝撃は非常に大きくなります。

 自転車のように気軽に歩道へ乗り入れることは、重大な人身事故を引き起こす原因になりかねません。

 モペットを利用するユーザーには、いかなる状態であっても車道を走るというルールを守ることが求められます。

 とはいえ、特定の条件においては歩道の通行が可能とされています。

 道路交通法では、原付の電源を切って車両を押して歩く場合は歩行者として扱われると規定されています。

 つまり、モペットから降りてモーターの電源をオフにし、自分の手で押して歩いている状態であれば、歩道を通行しても法律違反にはなりません。

 このとき、またがったまま足で地面を蹴って進むような行為は運転とみなされる可能性があるため、必ず完全に降りて車体の横を歩く必要があります。

 なお、押し歩きをする際も歩行者の通行を妨げない十分な配慮が必要です。

 もしもバッテリー切れなどのトラブルに見舞われた際は、あわてずに車両から降りて安全な場所まで移動することが重要でしょう。

 万が一のトラブルを未然に防ぐためにも、日頃からバッテリーの残量を確認し、走行中に電源が切れることのないよう計画的に充電を行うことも、モペット利用者の責任といえるでしょう。

※ ※ ※

 なお、SNS上では「ペダルを漕いでいれば、自転車と同じ扱いになると思っていた」など、モペットの交通ルールを誤解している声が散見されます。

 中には、「ナンバープレートをつけずに歩道を猛スピードで走っているモペットに轢かれそうになった」という実体験も寄せられていました。

 これらの投稿からは、モペットの法的な位置づけが世間に十分に周知されていない現状が伺えます。

 歩行者の安全を守るためにも、利用者一人ひとりが正しいルールを理解して利用することが求められます。