「ラー油」にはどんな“効果”がある?食べ合わせや使い過ぎの注意点も管理栄養士が解説!
ラー油の効果は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・納豆との組み合わせ効果・保存方法について解説します。
この記事のまとめ
・ラー油には脂質の酸化を防ぐビタミンEや、唐辛子由来のβ-カロテンなどビタミンAに変換される成分が含まれ、食欲増進や食事の満足感を高める効果が期待できる。
・唐辛子のカプサイシンにはエネルギー消費との関連を調べた研究があるが、ラー油を食べるだけで痩せるといえる十分な根拠はなく、主成分が油で高エネルギーのため摂りすぎには注意が必要である。
・納豆やスープ、和え物、卵かけごはんなど様々な料理と合わせやすく、ビタミンKやβ-カロテンなど脂溶性成分を含む食品と組み合わせると効率よく摂取できる。
・ラー油はもともと油や塩気が多い料理に使われることが多いため、料理全体の油と塩気が増えすぎないよう、あらかじめ使用量を決めておくことが大切である。
監修管理栄養士:
前原 尚子(管理栄養士)
病院で委託栄養士として給食管理業務や調理業務を担当。その後カフェで菓子製造に携わり製菓衛生師取得。保育園栄養士として従事しながら管理栄養士資格取得し現在15年目。母子栄養指導士(母子栄養協会)取得。
ラー油とは?

中華料理に使われる調味料の1つで、主な材料は油と唐辛子です。唐辛子の色と辛み成分を油に移して作られます。基本的には、唐辛子をベースに他の香辛料などを混ぜ合わせたところに、よく熱した植物油を注いで作ります。加熱に伴い風味は弱くなってしまうため、加熱用にはサラダ油などクセのない油を使い、ゴマ油などの香りを活かしたいものは後から加えるといった工夫も用いられます。日本のラー油は、油の部分のみを瓶につめたものが一般的で、餃子のつけダレに添えたり、和え物の味付けに少量加える使い方が主流でした。しかし最近では、漬け込んだ薬味も一緒にたべる「具だくさんのラー油(食べるラー油)」が流行し、使い方も多様化して人気を集めています。
ラー油とオススメの食べ合わせは?

納豆
納豆は、たんぱく質や脂質のほか、ビタミンKや食物繊維などを含み、日々の健康維持に役立つ発酵食品です。ラー油のスパイシーな風味を加えることで、食事を楽しみながらお腹の健康をサポートしてくれます。また、脂溶性であるビタミンKは、ラー油のような油脂類と一緒に摂ることで効率よく取り入れられるのが特徴です。さらに、ラー油の香ばしい風味が納豆特有のにおいをやわらげ、より美味しく食べやすくしてくれます。
スープのスパイス
コンソメスープや中華スープに少量加えるだけで味わいがぐっと深まります。食欲のないときなどに数滴加えて香りを添えることで、体のめぐりを助けることにもつながります。
和え物のアクセント
冷しゃぶやカルパッチョ、サラダなどと合わせると風味のアクセントになり、満足感が高まります。アイディア次第でさまざまな組み合わせを楽しめます。
一品料理に添える
卵かけごはんにかける、冷やっこや麺類にかけるなど、あっさりした一品にプラスするだけで満足感が感じられます。また、牛丼、親子丼、天津丼などに添えると、辛みによって味がキュッと引き締まります。
ラー油に含まれる栄養素

ビタミンE
ビタミンEは、体内の脂質を酸化から守るのを助ける栄養素です。健やかな毎日をサポートするほか、めぐりの良い健やかな環境づくりにも役立ちます。毎日のバランスの良い食事や規則正しい生活習慣とともに、いきいきとした美しさを目指す方にとって、積極的に取り入れたい栄養素のひとつです。
n-6系脂肪酸
一般的なラー油はそのほとんどが脂質です。文部科学省の日本食品標準成分表では、ラー油100g当たりの脂質は99.8gです。植物油に多く含まれるリノール酸はn-6系脂肪酸の一種で、体内で十分に合成できない必須脂肪酸です。一方、通常の食生活を送る健康な日本人ではn-6系脂肪酸の欠乏は一般的ではないため、ラー油を使って積極的に補給する必要はありません。
ビタミンA
ラー油に使われる唐辛子には、体内でビタミンAに変換されるβ‐カロテンやβクリプトキサンチンが含まれています。これらは、体内の脂質の酸化を防ぐ抗酸化力を持つ成分です。体内で必要に応じてビタミンAと変わり、皮膚や粘膜の健康をサポートし、バリア機能の保持にも役立っています。
ラー油の健康効果

ダイエット効果がある!?
唐辛子の辛み成分であるカプサイシンについては、エネルギー消費や体重管理との関連を調べた研究がありますが、ラー油を食べるだけで痩せるといえる十分な根拠はありません。ラー油は主成分が油であり、文部科学省の食品成分表では100g当たり887kcalと高エネルギーです。ダイエット中にカプサイシンの作用を期待してラー油の量を増やすのではなく、少量を料理のアクセントとして利用し、食事全体のエネルギー摂取量を調整することが重要です。
体のめぐりを整える
カプサイシンならではのピリッとした辛味は、食欲をそそり、食事の美味しさや満足感を高めてくれます。適度な刺激がアクセントとなり、からだを心地よく温めながら、毎日の健やかなめぐりを保ち、スッキリした暮らしをサポートしてくれます。
食事の楽しみに
夏バテや疲労で食欲がないときに少量のラー油を加え、美味しく食べる工夫のひとつとして取り入れると良いでしょう。
ラー油を食べる時の注意点

エネルギーの過剰摂取
ラー油は、主成分が油であるため、かけすぎるとエネルギーの過剰摂取になります。あらかじめ一回に使う量を決めておくと安心です。
唐辛子による刺激
カプサイシンの刺激は食卓に良いアクセントとなりますが、一度に摂りすぎるとからだの負担となってしまうことがあります。また、程よい刺激は日中のアクティブな気持ちを高めてくれる一方で、夜遅い時間の摂りすぎはからだを休めるタイミングの妨げになることもあります。時間帯や体調に合わせて適量を美味しく取り入れることが大切です。
料理との組み合わせ
ラー油はラーメンやチャーハン、餃子、から揚げ、麻婆豆腐など、もともと油や塩気が多い料理に合わせることが多い調味料です。料理全体の油と塩気が増えないよう注意が必要です。
ラー油の栄養素を効率的に摂取する方法

あらかじめ使用量を決める
油によるエネルギー過多やカプサイシンによる刺激を調整しながら、おいしくいただける量を把握し、かける量をコントロールしましょう。
時短レシピにプラスする
茹でうどんや豚しゃぶなどの簡単な時短料理に少量プラスするだけで、味わいが深まり満足度がアップします
野菜と一緒に食べる
サラダ、蒸し野菜、冷しゃぶ、冷ややっこなどの淡泊な料理に少量加えるのもおすすめです。ラー油は油脂を含むため、β-カロテンなど脂溶性の成分を含む野菜と組み合わせる方法もあります。
ラー油の保存方法や期間

通常のラー油:直射日光を避け常温で立てて保存
油は低温になると白く固まる「凍結現象」が起こります。特にごま油が使われているラー油は、冷蔵庫に入れると風味が落ちたり固まったりするため、直射日光を避け冷暗所で常温保存するのがおすすめです。
食べるラー油:開栓後は冷蔵庫で保存
具材が入っている「食べるラー油」は傷みが早いため、開封後は冷蔵庫に保存し早めに使い切りましょう。冷蔵庫のドアポケットは温度変化が激しいため、中央の棚付近に置くのが理想的です。
「ラー油の効果」についてよくある質問

ここまでラー油について紹介しました。ここでは「ラー油の効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
ラー油はダイエットに効果がありますか?
前原 尚子(管理栄養士)
ラー油は唐辛子に含まれているカプサイシンによりエネルギーを効率よく生み出す働きがあり、エネルギー消費をサポートするとされていますが、高カロリーな調味料です。
目安として、1滴(約0.3g)で2.7kcal、小さじ1杯(4g)で約35.5kcal、大さじ1杯(12g)で約106.4kcalあります。また、ラーメンや餃子など糖質・脂質の多い料理と合わせがちなため注意が必要です。全体の脂質・エネルギー摂取の取りすぎには気をつけましょう。具材が入った「食べるラー油」は固形分が多いぶん、油の割合が減り、少しエネルギー量が低い場合もありますが、ご飯などにたっぷりかけることにつながりやすく、結果的にエネルギー過多になりやすいです。栄養成分表示を確認しながら適量を使いましょう。
ラー油を摂ることのメリット・デメリットは何でしょうか?
前原 尚子(管理栄養士)
メリットは、少量でも料理に辛みや香りを加えられ、食事の味に変化をつけられることです。
唐辛子の適度な辛みが食欲を刺激することもあります。一方、ラー油は高エネルギーであるため、多量に使うとエネルギーの摂り過ぎにつながる可能性があります。また、カプサイシンを摂り過ぎると口やのど、胃腸などを刺激し、不快感や痛みを生じることがあります。健康効果を期待して多く摂るのではなく、調味料として適量を楽しむことが大切です。
編集部まとめ
ラー油は、日常の料理に重宝する万能調味料であり、バリエーションも豊富です。必須脂肪酸やビタミンなどの栄養素も含まれていますが、主成分は油のためエネルギーが高めです。辛みによる満足感だけで満足してしまい必要な栄養が偏ったり、辛みへの慣れから過剰摂取になって胃腸に負担がかかったりすることにつながる場合もあります。摂取量を調整しながら、日々の食卓の楽しみとして取り入れると良いでしょう。
「ラー油」と関連する病気
「ラー油」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器疾患
消化不良代謝性疾患
肥満
「ラー油」と関連する症状
「ラー油」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
味覚障害腸の不調
参考文献
日本人の食事摂取基準|厚生労働省
カプサイシンに関する情報|農林水産省
調味料及び香辛料類/<調味料類>/(辛味調味料類)/ラー油-01.一般成分表-無機質-ビタミン類
ラー油の製造方法|特許情報|J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター

