復帰後の好走も厳しいF1残留情勢 角田裕毅の“苦境”を英メディアが分析「市場はツノダを待ってくれない。最も現実的と考えられた道も閉ざされた」

アピール機会が限られた中でパフォーマンスを続けている角田(C)Getty Images
突然舞い込んだF1でのアピール機会を得てから3戦。角田裕毅のF1生き残りを懸けた戦いは続いている。
現地時間9月12日、F1の今季第14戦となるスペインGPの公式予選が首都マドリードのマドリンクで行われ、角田はレーシングブルズから3戦連続でスポット参戦。1回目(Q1)を12番手で通過したものの、マシントラブルに苛まれた2回目(Q2)で失速。全体15番手で敗退した。
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カットラインの10番手でQ3に進出した同僚アービッド・リンドブラッドとの差は0秒880。これだけの秒数を空けられたのは、他でもないマシンの異変だった。担当レースエンジニアのアレックス・イリオポロス氏との無線連絡で「何かがおかしい」と訴えていた角田は、レース後のF1公式インタビューでも「(何が起きていたかは)分からない。でも、単純にペースが足りなかった。特に昨日と比べて、今日はそうだった」と回想。そして、「ニュータイヤだと、本来タイヤから得られるはずのグリップ向上をあまり感じられなくて。とにかく何かがうまく噛み合わなかった」と漏らした。
コースの周囲を狭いウォールに囲まれた新設サーキットであるマドリンクは、オーバーテイクが「非常に困難」と見られている。つまり予選の順位が趨勢を定める可能性が大いにあり、角田にとっては厳しい状況になったと言えよう。
レッドブルとレーシングブルズのリザーブ兼テストドライバーに回った今季の角田だったが、サマーブレイク中に左手首を骨折したアイザック・ハジャーの離脱によって、第12戦のオランダGPから継続参戦してきた。“復帰2戦目”となったモンツァでのイタリアGPでは決勝で15番手から10位入賞を果たし、存在感をアピール。電動出力への依存度が大幅に増しているエンジンによって従来型から変化した新型マシンへの適応力も見せた。
ゆえに来季のF1シート獲得の可能性も期待されるが、現実はそう甘くはない。英メディア『GP Blog』は「ツノダの代役としてのパフォーマンスは、画期的なものではないにせよ、まずまず内容だ」とスポット参戦中の好走に一定の評価を下しつつ、「F1におけるドライバー市場は彼を待ってはくれない」と指摘。「他チームに残された空き枠も、より若いドライバーやメーカーの支援を受けるドライバーに有利な状況にある」と厳しい市場情勢を伝えている。
「現実的にオファーを出し得るチームの数は、ツノダがレッドブルとの契約を延長した当時よりも少なくなっている。2027年に向けたドライバー市場は、彼がコース上で実績を積み上げるスピードよりも早く狭まりつつある。
実際、3週間前のザントフォールトで、彼がドライバー未決定のチームに向けて『連絡をくれ』という自信に満ちたメッセージを発してからも、F1のレギュラーシート復帰に向けた最も現実的と考えられたアルピーヌ、そしてハーツとの契約という2つの道が閉ざされている」
次回アゼルバイジャンGPでのハジャー復帰が見込まれる中、角田にとってのアピール機会は今スペインGPが最後となる可能性が高い。選択肢が狭まっていくドライバー市場の動きを見れば、現地時間9月13日の決勝では周囲をあっと言わせる走りを見せる必要があるが、果たしてどうか。
かねてから「僕の気持ちは常にF1にある」と公言してきた男は、間違いなく真価の問われる局面にいる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

