高林輝行被告の公判が開かれている(警視庁HPより)

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 今年4月、高校生をハンマーで殴打し逮捕されて話題になった「ハンマーおじさん」こと高林輝行被告。その第2回公判が9月2日、東京地裁立川支部で開かれた。

【写真を見る】「情状酌量を求めます」ニッコリ笑う高林被告の写真が載った“オンライン減刑署名”の内容

 逮捕報道時にネット上で、騒音問題を引き起こす高校生を"制裁"したとして祭り上げられ、情状酌量を求める減刑署名まで集まった高林被告。しかし、読み上げられた犯行状況は「ヒーロー」とは程遠いものだった--。【前後編の前編】

「暴走族を制裁するヒーロー」

 まずは今年4月、高林被告の逮捕をめぐる経緯を振り返ろう。

 事件が起きたのは4月29日の早朝。高林被告は自宅前にある飲食店の駐車場で友人らと談笑していた当時17歳の男子高校生に対し、自宅から持参したハンマーで左側頭部を殴り、左目付近の骨を折る重傷を負わせた。その後逃走していた高林被告であったが、3日後の5月1日、千葉県習志野市のアパートの一室に潜伏しているところを逮捕された。

 この逮捕報道は、ネット上で大きなムーブメントを形成することになる。全国紙社会部記者が語る。

「その際、高校生が騒音を起こしていたことや、同居する母親が騒音に対する苦情を言っていたことなどから、SNS上で高林被告に同情的な声が集まった。むしろ騒音問題を解決する『正義執行人』としてみる向きが強まり、"暴走族を制裁するヒーロー"として祭り上げられたのです」

 その後、複数のオンライン署名サイトで高林被告の減刑を求める署名が募られた。なかには現時点で2万人を超える署名を集めているサイトもある。

「SNSでは『暴走族の少年共に鉄槌を喰らわせて,近隣住民や自身の母親を救った』『ハンマー高林、やっぱりこいつ、絶対いいヤツだわ』などと擁護の声が集まりました」(同前)

疑惑の正義 

 そんな高林被告だっただけに、注目を集めた今回の公判。殺意の立証ができなかったとして殺人未遂ではなく傷害罪として起訴されているが、実は初日となった7月14日第1回公判で、異例の事態が起きていた。

「高校生殴打の他に追起訴された事案が複数あり、検察側も内容をまとめきれず、本格的な審理はできないとなり、9月に延期されていたんです。

 6月22日には、リサイクルショップでハンマーでショーケースを割り300万円相当を超えるブランド物のバッグを盗んだとして、再逮捕されてもいた。話題になった"ハンマー制裁"だけでない"余罪"が、今回の逮捕で次々明らかになっていたんです」(同前)

続々と明らかになる暴力性

 第1回公判では高校生への暴行について、検察から次のように説明されていた。

「4月29日午前6時30分ごろ、東京都福生市の飲食店駐車場にて談笑していた高校生らに対し、『うるせえよ』と怒鳴りながら接近し、当時17歳の男子高校生の左側頭部を持参したハンマーで殴った。これにより高校生は全治1か月半を要する左眼窩骨折を負った」(検察冒頭陳述より)

 その上で迎えた9月2日の第2回公判。検察は上記の他に、追加で「3件」の追起訴分があるとした。裁判を傍聴したライターが語る。

「そのうちの1件は、まさに高校生たちを殴打したのちの行動。現場に急行した警察官は被告人宅に高林被告の姿を確認し、身柄を拘束しようとした。その際、高林被告は警官に対し『入ったらやる』などとナイフで脅迫したんです。

 警官らは現場にいた高林被告の実母を安全確保のため屋外に出すため交渉しようとしたが、そこに被告人が接近し、警官にカプサイシン液を噴射。警察官らがひるんでいるうちに自宅外へと脱出、裏口から自家用車へと乗り込み逃走を計りました」

 その後勾留された高林被告。そして勾留後も、留置官に対して突発的に暴行を加えていた--後編記事で詳報する。

(後編につづく)