クリーニングに出したコートを受け取りに行ったら、「見当たらない」と言われました。店からはクリーニング代を返金すると言われましたが、服そのものの代金まで補償してもらえるのでしょうか?
クリーニング店でコートを紛失された場合の補償の考え方
クリーニング店が預かったコートを紛失し、店側に責任があると認められた場合、衣類そのものが損害賠償の対象になることがあります。そのため、支払ったクリーニング代が返金されるだけで対応が終わるとはかぎりません。
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会が定める「クリーニング事故賠償基準」では、賠償額を、衣類の紛失や損傷によって利用者が直接受けた損害について、賠償する考え方が示されています。
また、事故の原因がクリーニング業務にある場合、店側はクリーニング代金の請求を行わないとしています。つまり、すでに支払ったクリーニング代への対応と、紛失したコートに対する損害賠償は、それぞれ分けて考える必要があります。
そのため、店からクリーニング代を返金すると伝えられた場合でも、それだけで判断せず、紛失したコートについてどのような対応を受けられるのかを確認しておきましょう。
コートの補償額を決める際に確認されるポイント
コートを10万円で購入していたとしても、必ずしも10万円全額が補償されるとはかぎりません。補償額を決める際には、購入時の価格だけでなく、事故が起きた時点で衣類にどの程度の価値が残っていたかも考慮されます。
クリーニング事故賠償基準では、基本的に「物品の再取得価格」と、購入後の経過期間などに応じた「補償割合」をもとに賠償額を算定します。再取得価格とは、事故が起きた時点で、同等の新品を購入するために必要な金額のことです。
一方、補償割合は、購入してからの経過期間や使用状況などを踏まえ、衣類にどの程度の価値が残っているかを示す割合を指します。
そのため、購入から何年も着用しているコートでは、新品を買い直せる金額がそのまま補償されるわけではありません。一方、購入して間もない場合などは、残っている価値が高いと判断され、補償額が高くなることが考えられます。
このようなことから、実際の補償額を確認する際は、購入価格だけを見るのではなく、購入時期や使用状況などがどのように反映されているかにも目を向けることが大切です。
クリーニング店に出したコートが見つからないときの対応
クリーニング店からコートが見つからないと伝えられた場合は、まず店に紛失の経緯と、どのような基準で補償を行うのかを確認しましょう。
そのうえで、購入価格や購入時期が分かる資料を準備します。購入時のレシートが残っていれば、購入価格や購入時期を示す資料として役立ちます。
レシートがない場合でも、クレジットカードの利用明細や通販サイトの購入履歴、商品の型番が分かる写真などを用意できないか確認するとよいでしょう。また、現在販売されている同等品の価格を調べておくと、話し合いの参考になることがあります。
店から補償額を提示された際は、金額だけで判断せず、算定の根拠も確認しておきたいところです。クリーニング事故賠償基準に基づいているのであれば、再取得価格や補償割合がどのように決められたのかを聞くことで、提示された金額が妥当か判断しやすくなります。
それでも店との話し合いがまとまらない場合は、消費生活センターへの相談も一つの方法です。自分だけで判断するのが難しいときは、こうした相談窓口を活用するとよいでしょう。
クリーニング代の返金だけでなくコート自体の補償も確認しよう
クリーニング店がコートを紛失し、店側に責任がある場合は、クリーニング代の返金だけでなく、コートそのものについても補償を求められる可能性があります。
ただし、補償額は購入価格がそのまま支払われるとはかぎらず、購入からの経過期間や衣類の状態などを踏まえて算定されるのが一般的です。
そのため、購入時期や購入価格が分かる資料をそろえたうえで、店には補償額の算定方法を確認することが大切です。提示された内容に納得できない場合は、消費生活センターなど第三者への相談も検討できます。
コートの紛失が分かったときは、すぐにクリーニング代の返金だけで話を終わらせず、衣類そのものへの補償内容までしっかり確認しましょう。
出典
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 改訂・クリーニング事故賠償基準
独立行政法人国民生活センター Q 【クリーニング】取り違えられた。賠償してほしい。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

