「LDLコレステロール」の異常で気を付けたい”3つの病気”はご存じですか?医師が解説!
LDLコレステロール値の異常が続くと、脂質異常症や動脈硬化症、甲状腺機能低下症などの病気が隠れている可能性があり、早めの受診が重要です。
※この記事はメディカルドックにて『「40代女性でLDLコレステロールだけ高い」のは放置して大丈夫?”原因”を医師が解説』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター
LDL(悪玉)コレステロールとは?
健康診断でLDLコレステロール値を指摘されても、HDLコレステロールや中性脂肪との違いが分かりにくいと感じる方もいるでしょう。まずは、LDLコレステロールの役割や、数値が高い場合の健康リスクについて解説します。
そもそもLDL(悪玉)コレステロールの役割とは?
LDLコレステロールは、肝臓から全身の細胞へコレステロールを届ける働きがあります。コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になるため、身体に欠かせない成分です。ただし、血液中に増えすぎると血管の壁に入り込み、動脈硬化が進みやすくなります。そのため、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれます。
LDLとHDL(善玉)コレステロール・中性脂肪の違い
LDLコレステロールは、コレステロールを全身へ運ぶ役割があります。一方、HDLコレステロールは、余ったコレステロールを回収して肝臓へ戻す働きがあります。中性脂肪は、身体を動かすためのエネルギー源になる脂質です。食べすぎや飲酒、運動不足などで増えやすく、肥満や脂肪肝とも関係します。
LDLコレステロール値が高い人の健康リスク
LDLコレステロール値が高い状態が続くと、血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が進みやすくなります。その結果、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などにつながることがあります。高血圧、糖尿病、喫煙習慣、家族歴がある方は特に注意が必要です。初期には自覚症状が少ないため、健康診断の結果を確認し、必要に応じて生活習慣を見直しましょう。
「LDLコレステロール値」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、血液検査でのコレステロール値の異常から疑われる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
脂質異常症
脂質異常症は、LDLコレステロールや中性脂肪が高い、またはHDLコレステロールが低い状態を指します。LDLコレステロールだけが高い場合も含まれます。原因は、食生活の乱れ、運動不足、肥満、加齢、更年期、遺伝的体質などです。まずは食事や運動習慣を見直し、改善しない場合や動脈硬化のリスクが高い場合は薬物療法を行います。健康診断で異常を指摘された場合は、一般内科や循環器内科へ相談しましょう。
動脈硬化症
動脈硬化症は、血管が硬くなったり、血管の内側が狭くなったりする状態です。LDLコレステロールが高い状態が続くと、血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が進みやすくなります。進行すると、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などにつながることがあります。LDLコレステロール値だけでなく、血圧、血糖、体重、喫煙習慣も含めて見直すことが大切です。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、身体の代謝が落ちる病気です。代謝が低下すると、LDLコレステロール値が高くなることがあります。疲れやすい、寒がり、むくみ、体重増加、便秘、皮膚の乾燥などがある場合は注意が必要です。気になる症状がある場合は、一般内科や内分泌内科で血液検査を受けましょう。
「40代女性でLDLコレステロールだけ高い原因」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「40代女性でLDLコレステロールだけ高い原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
健康診断でLDLコレステロールだけが高かったのですが、40代女性の基準値はどれくらいですか?
林 良典(医師)
一般的に、LDLコレステロールは140mg/dL未満が基準値の目安です。120~139mg/dLは境界域、140mg/dL以上は高LDLコレステロール血症と判断されることがあります。
更年期に入るとLDLコレステロール値が上がりやすいと聞きましたが、本当でしょうか?
林 良典(医師)
本当です。更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、LDLコレステロール値が上がりやすくなることがあります。ただし、すべてを更年期の影響と考えるのは避けましょう。食生活、運動不足、体重増加、遺伝的体質、甲状腺機能低下症なども関係します。
食事や運動に気をつけてもLDLコレステロール値が下がらない場合、どのような原因が考えられますか?
林 良典(医師)
遺伝的体質、更年期によるホルモン変化、甲状腺機能低下症などが関係している可能性があります。特に、LDLコレステロール値が180mg/dL以上の場合や、家族にもコレステロールが高い方がいる場合は、家族性高コレステロール血症も考えます。改善しない場合は、一般内科や循環器内科へ相談しましょう。
中性脂肪やHDLコレステロールが基準値でLDLコレステロールだけが高いのは中年女性に特有の傾向ですか?
林 良典(医師)
更年期前後の女性では、LDLコレステロールだけが高くなることがあります。エストロゲンの減少によって脂質バランスが変化しやすくなるためです。ただし、中年女性だけに特有のものではなく、男性や若い方でも起こることがあります。
まとめ
40代女性でLDLコレステロールだけが高くなる背景には、更年期、加齢、運動不足、食生活の乱れ、ストレス、睡眠不足、遺伝的体質などがあります。LDLコレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクにつながります。食物繊維を増やす、飽和脂肪酸を控える、運動を続けるなどできることから見直しましょう。数値が高い場合や、生活習慣を見直しても改善しない場合は、一般内科や循環器内科に相談することが大切です。
「LDLコレステロール」の異常で考えられる病気
「LDLコレステロール」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
循環器系
脂質異常症動脈硬化症
狭心症心筋梗塞脳梗塞閉塞性動脈硬化症内分泌・代謝系の病気
内分泌・代謝系
甲状腺機能低下症糖尿病メタボリックシンドローム家族性高コレステロール血症
婦人科系の病気
婦人科系
多嚢胞性卵巣症候群LDLコレステロールの異常は、婦人科の病気そのものというより、更年期や閉経に伴うホルモン変化をきっかけに目立つことがあります。特に40代以降の女性では、脂質異常症や動脈硬化のリスクだけでなく、更年期による身体の変化もあわせて確認することが大切です。
「LDLコレステロール」に関連する症状
「LDLコレステロール」に関連する症状は6個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
胸が痛い息切れ
動悸がする頭が痛い手足のしびれ
歩くと足が痛い
LDLコレステロール値が高い状態そのものでは、症状が出ないことが少なくありません。そのため、症状の有無だけで判断せず、健康診断の結果を確認することが大切です。胸の痛み、息切れ、手足のしびれ、歩行時の足の痛みなどがある場合は、動脈硬化に関連する病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関へ相談しましょう。
参考文献
厚生労働省. 脂質異常症.
厚生労働省. 脂質異常症の食事.
日本動脈硬化学会. コレステロール摂取に関するQ&A.
日本人間ドック・予防医療学会. 判定区分(2026年4月1日改訂)

