「背中に赤い斑点」で考えられる”4つの原因”はご存じですか?対処法も医師が解説!

背中に赤い斑点ができる原因とは?かゆみの有無や考えられる病気、何科を受診すべきかを監修医が解説します。気になる症状があれば早めに相談しましょう。
記事のまとめ
「背中に赤い斑点」の主な原因として、毛のう炎、湿疹・皮膚炎、ジベルばら色粃糠疹、帯状疱疹の4つが挙げられます。かゆみの有無や水ぶくれ・膿の有無、押して色が薄くなるかなどを確認することで、ある程度原因を絞り込めます。押しても色が薄くならない赤紫色の斑点は紫斑病の可能性があり、発熱や意識障害を伴う場合は救急受診が必要です。数日たっても改善しない、急速に広がる場合は自己判断せず皮膚科を受診しましょう。

監修医師:
川口 菜摘(医師)

京都府立医科大学医学部医学科卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、京都府立医科大学附属病院での勤務を経て、大阪市内の皮膚科・美容皮膚科クリニックにて美容医療の経験を積む。2025年、スキンクリニック亜門院長に就任し、現在に至る。

「背中に赤い斑点」の症状で考えられる病気と対処法

背中の赤い斑点には、汗や摩擦による湿疹から感染症、血液の異常まで、さまざまな原因があります。見た目だけで原因を特定するのは難しいため、「かゆいか」「痛いか」「水ぶくれや膿があるか」「押すと色が薄くなるか」「発熱などを伴うか」を確認することが大切です。

背中に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

赤い斑点が盛り上がっている、表面にかさつきがある、毛穴ごとにブツブツしているなど、皮膚の状態によって原因は異なります。
汗や衣類の摩擦による湿疹、毛穴に細菌や真菌が入り込む毛のう炎、薬による発疹、ジベルばら色粃糠疹などが代表的です。片側に痛みを伴う水ぶくれが並ぶ場合は、帯状疱疹も疑われます。
まずは患部を清潔に保ち、汗をかいた衣類を交換し、刺激の少ない保湿剤を使用しましょう。新しく使い始めた化粧品や洗剤、衣類があれば使用を中止します。患部の写真を撮っておくと、広がり方を確認でき、診察時にも役立ちます。
数日たっても改善しない、急速に広がる、膿や水ぶくれがある場合は皮膚科を受診してください。

背中にかゆくない赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

かゆみがなくても、病気ではないとは限りません。ジベルばら色粃糠疹、癜風(でんぷう)、薬疹、点状出血や紫斑などでは、かゆみが目立たないことがあります。
透明なコップや指で赤い部分を軽く圧迫し、色が薄くなるか確認してください。薄くならない赤紫色の斑点は、皮膚の下に血液が漏れた点状出血や紫斑の可能性があります。ただし、この確認だけで診断はできません。
症状が軽く、体調に変化がなければ写真を撮り、数日間経過を観察してもよいでしょう。一方、原因不明の斑点が増える、鼻血や歯ぐきからの出血がある、発熱や強いだるさを伴う場合は、早めに皮膚科または内科を受診してください。

背中にかゆくて赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

強いかゆみを伴う場合は、湿疹・接触皮膚炎、じんましん、虫刺され、あせもなどが考えられます。寝具や衣類に触れる部分だけに出る場合は、洗剤や柔軟剤、衣類の素材、汗や蒸れが関係していることもあります。
患部を冷たいタオルで冷やし、爪を短くして、できるだけかかないようにしましょう。熱い湯での入浴、飲酒、激しい運動は、血流を増やしてかゆみを強くすることがあります。
自己判断でステロイド外用薬を長期間使用すると、白癬などの感染症を悪化させる可能性があります。かゆみが強い、眠れない、範囲が広い場合は皮膚科で原因に応じた治療を受けましょう。

背中に均等に赤い斑点がある症状で考えられる原因と対処法

左右対称に多数の斑点が現れる場合は、汗や衣類による刺激、毛のう炎、薬疹、ウイルス性発疹、ジベルばら色粃糠疹などが考えられます。毛穴を中心に同じ大きさのブツブツが並ぶ場合は、細菌やマラセチアという真菌による毛のう炎の可能性があります。
汗をかいたままにせず、通気性のよい衣類を選びましょう。市販薬を広範囲に塗る前に、発疹が出た時期、新しく開始した薬やサプリメント、発熱の有無を確認してください。
新しい薬を飲み始めてから発疹が出た場合は、処方した医療機関へ速やかに連絡します。処方薬を自己判断で中止すると危険なこともあるため、医師や薬剤師の指示を受けてください。

背中と他の部位に赤い斑点の症状で考えられる病気と対処法

赤い斑点が背中だけでなく、胸やお腹、腕などにも広がっている場合は、皮膚への局所的な刺激だけでなく、全身性の病気も考える必要があります。

背中とお腹に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

体幹を中心に楕円形の斑点が広がる場合は、ジベルばら色粃糠疹が考えられます。最初に大きな斑点が1個現れ、その後、背中やお腹に小さな斑点が増えるのが典型的です。多くは自然に改善しますが、白癬や薬疹、梅毒などとの鑑別が必要です。
ほかに癜風、湿疹、ウイルス性発疹なども考えられます。発熱、顔の腫れ、息苦しさ、口や目の粘膜のただれを伴う場合は、重症の薬疹などの可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。

背中と腕に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

露出している腕にも斑点があれば、虫刺されや日光に関連した皮膚炎が考えられます。背中から上腕にかけて広がる場合は、ジベルばら色粃糠疹、薬疹、ウイルス性発疹、毛のう炎なども候補です。
衣類で隠れる部分と露出部のどちらに多いか、家族にも同様の症状があるかを確認しましょう。感染症やダニなどが疑われる場合は、タオルの共用を避けてください。急速に広がる場合や、発熱、関節痛、腹痛などを伴う場合は皮膚科または内科を受診します。

【原因別】背中に赤い斑点の症状で考えられる病気と対処法

赤い斑点の原因を自己判断するのは簡単ではありません。特に、真菌による病気にステロイド外用薬を塗ると、見た目が変化しながら感染が広がることがあります。

カビによる背に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

一般に「カビ」と呼ばれる真菌が原因となる病気には、体部白癬や癜風があります。体部白癬は輪のように広がり、縁が赤く盛り上がって、かゆみを伴うことがあります。
癜風は、皮膚にもともといるマラセチアが増えることで起こり、背中や胸に褐色、赤褐色または白っぽい斑点ができます。表面をこすると細かな粉のような皮むけがみられます。診断には皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査などが用いられます。
患部を乾燥した状態に保ち、タオルの共用を避けて皮膚科を受診してください。治療には抗真菌薬を使用します。癜風は治療後も皮膚の色が戻るまで時間がかかることがあります。

虫による背中と腕に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

蚊、ダニ、トコジラミなどに刺されると、赤く盛り上がった斑点や強いかゆみが生じます。複数の発疹が線状または集まって現れることもあります。
患部を石けんと流水で洗い、冷やしましょう。強くかくと細菌感染を起こすため注意してください。同居している人にも症状がある場合や、朝起きたときに発疹が増える場合は、寝具や室内環境の確認も必要です。
息苦しさ、喉の違和感、全身のじんましん、ふらつきが現れた場合はアナフィラキシーの可能性があるため、直ちに救急要請してください。

ウイルスによる背中と腕に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法

水痘、麻疹、風疹などのウイルス感染症では、発熱などとともに全身へ発疹が広がることがあります。帯状疱疹では、体の左右どちらか一方に、痛みを伴う赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れるのが典型的です。
発熱や咳、目の充血を伴う場合は、直接待合室へ入らず、受診前に医療機関へ電話してください。帯状疱疹の抗ウイルス薬は、一般に発疹出現後72時間以内に開始すると最も効果が期待できます。疑う場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「背中に赤い斑点」の症状に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

背中に赤い斑点があり、発熱や意識障害などの症状がある場合は、救急科へ

赤い斑点を押しても色が薄くならず、発熱、強い頭痛、首の硬さ、意識がぼんやりする、急激な体調悪化などを伴う場合は、救急科を受診してください。敗血症、髄膜炎菌感染症、血小板減少など、緊急治療を要する病気の可能性があります。
また、新しい薬の使用後に高熱、広範囲の発疹、水ぶくれ、皮膚の痛み、目の充血、口唇や口内のただれが生じた場合も、重症薬疹が疑われます。救急要請するか、直ちに救急外来を受診してください。髄膜炎菌感染症は急速に進行することがあります。

病院受診の目安となる「背中に赤い斑点」ときのセルフチェック法

・押しても色が薄くならない赤紫色の斑点がある場合
・発熱、強いだるさ、頭痛、腹痛、関節痛を伴う場合
・水ぶくれ、膿、出血、皮膚の強い痛みがある場合
・口や目などの粘膜にも発疹やただれがある場合
・短時間で急速に広がっている場合
・息苦しさ、顔や喉の腫れ、ふらつきを伴う場合
・新しい薬を始めてから発疹が現れた場合
・1~2週間たっても改善しない、または繰り返す場合

「背中に赤い斑点」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「背中に赤い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

毛のう炎

毛のう炎は、毛穴の奥に細菌や真菌などが入り、炎症を起こす病気です。毛穴を中心とした赤いブツブツや膿をもった発疹が現れます。汗、蒸れ、摩擦、皮膚への刺激がきっかけになります。
汗を洗い流し、通気性のよい衣類を着用してください。つぶすと炎症が広がるため避けましょう。繰り返す、範囲が広い、痛みや発熱がある場合は皮膚科を受診します。原因に応じて抗菌薬や抗真菌薬が用いられます。

湿疹・皮膚炎

湿疹・皮膚炎は、皮膚のバリア機能低下や外部からの刺激、アレルギー反応などによって起こります。赤み、かゆみ、小さなブツブツ、かさつきなどがみられます。
低刺激の保湿剤を使い、汗や摩擦、熱い湯での入浴を避けましょう。原因に応じてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などが使われます。広がる場合、じゅくじゅくする場合、日常生活に支障をきたすほどかゆい場合は皮膚科を受診してください。

ジベルばら色粃糠疹

ジベルばら色粃糠疹は、最初に「ヘラルドパッチ」と呼ばれる比較的大きな楕円形の斑点が現れ、数日から2週間ほどして、背中や胸に小さな斑点が多数広がる病気です。背中では皮膚のしわに沿って、クリスマスツリーのように並ぶことがあります。
多くは6~10週間ほどで自然に改善し、かゆみがあれば症状を抑える治療を行います。ただし、白癬、薬疹、梅毒などとの区別が必要なため、初めて現れた場合は皮膚科を受診しましょう。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活動することで起こります。体の片側に、ピリピリ、焼けるような痛みや知覚過敏が生じ、その後、赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れます。
疑う場合は、発疹が出てからできるだけ早く皮膚科を受診してください。治療には抗ウイルス薬や鎮痛薬を使用します。発疹が広範囲にある、免疫機能が低下している、顔や目の周囲にも症状がある場合は、特に迅速な診察が必要です。

紫斑病

紫斑とは、皮膚の下で出血して赤紫色に見える状態です。指で押しても色が薄くならないことが特徴で、血小板の減少、血管炎、薬剤、感染症などが原因となります。
腹痛、関節痛、血尿を伴うIgA血管炎や、鼻血、歯ぐきからの出血を伴う血小板減少症などもあります。原因不明の紫斑が増えている場合は、皮膚科または内科を早めに受診してください。発熱や意識障害、急速な拡大を伴う場合は救急受診が必要です。

「背中に赤い斑点」の正しい対処法は?

背中の赤い斑点にかゆみがあった時の対処法は?

冷たいタオルで患部を冷やし、低刺激の保湿剤を使用します。汗をかいたら早めにシャワーで洗い流し、衣類を交換しましょう。爪を短くし、患部をかいたり、硬いタオルでこすったりしないことも大切です。
原因が不明なまま、市販のステロイド外用薬や抗真菌薬を長期間使用することは避けましょう。かゆみが強い場合は皮膚科を受診してください。

背中の赤い斑点にかゆみがない場合の対処法は?

発疹の写真を同じ明るさ、同じ距離で毎日撮影し、数や大きさの変化を確認します。押して色が薄くなるか、痛み、水ぶくれ、出血、発熱などがないかも確認してください。
かゆみがなくても、斑点が増える、1~2週間以上続く、押しても消えない場合は受診が必要です。化粧品や薬を自己判断で重ね塗りすると診断が難しくなることがあります。

背中の赤い斑点の予防法は?

汗をかいたら放置せず、皮膚を清潔に保ちましょう。ただし、洗浄力の強いボディーソープやナイロンタオルによる洗いすぎは、皮膚のバリア機能を低下させます。
通気性のよい衣類を選び、寝具や衣類を定期的に洗濯してください。タオルや衣類の共用を避けることも、真菌やダニなどによる病気の予防につながります。乾燥する時期には保湿を続け、薬による発疹を経験した場合は薬の名前を記録しておきましょう。

「背中に赤い斑点」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「背中に赤い斑点」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

背中に赤い斑点ができる場合、どのような原因が考えられますか?

川口 菜摘(医師)

汗や摩擦による湿疹、毛のう炎、虫刺され、体部白癬や癜風、ジベルばら色粃糠疹、帯状疱疹、薬疹、紫斑などが考えられます。見た目が似ていても治療は異なるため、広がる場合や長引く場合は皮膚科で診断を受けてください。

背中に赤い斑点の症状でかゆみの有無は、受診の目安になるでしょうか?

川口 菜摘(医師)

かゆみの有無だけでは、重症度を判断できません。かゆくない紫斑や薬疹にも注意が必要です。痛み、水ぶくれ、発熱、粘膜のただれ、押しても消えない斑点、急速な広がりがある場合は、かゆみがなくても早めに受診してください。

まとめ背中に赤い斑点が改善しない場合は早めに受診を!

背中の赤い斑点には、湿疹や毛のう炎のような身近な皮膚トラブルだけでなく、帯状疱疹、薬疹、紫斑など、早期の診察が必要な病気も含まれます。
患部を清潔に保ち、かかずに冷やすことは基本的な対処法ですが、原因不明の薬を塗り続けることは避けましょう。発疹の写真を撮り、出現した時期、新しく始めた薬、発熱などの随伴症状を記録しておくと診察に役立ちます。
特に、押しても消えない赤紫色の斑点、高熱、呼吸困難、急速な拡大、水ぶくれ、皮膚の痛み、目や口のただれがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

「背中に赤い斑点」で考えられる病気と特徴

関連する病気

毛のう炎

湿疹・接触皮膚炎

ジベルばら色粃糠疹

帯状疱疹体部白癬癜風あせも

じんましん

虫刺され

薬疹

血小板減少症

IgA血管炎


見た目だけでは区別できない病気も多いため、赤い斑点が長引く、広がる、全身症状を伴う場合は皮膚科を受診しましょう。

「背中に赤い斑点」と関連のある症状

関連する症状

背中に赤いブツブツがある

背中がかゆい

背中に水ぶくれがある

背中がヒリヒリ痛い

皮膚に赤紫色の点がある

全身に発疹が広がる

皮膚に膿をもったできものがある

皮膚が円形に赤くなる


かゆみだけでなく、痛み、水ぶくれ、発熱、斑点を押したときの変化も受診の判断材料になります。 【参考文献】
・・Leung AKC, et al. Pityriasis rosea: An updated review. Curr Pediatr Rev. 2021.
・・Leung AKC, et al. Tinea versicolor: an updated review. Drugs Context. 2022.
・・Łabędź N, et al. Pityriasis Versicolor-A Narrative Review on the Diagnosis and Management. Life. 2023.
・・World Health Organization. Shingles(herpes zoster).
・・Centers for Disease Control and Prevention. Meningococcal Disease.
・・Merck Manual Professional Edition. Folliculitis.
・・日本皮膚科学会.ガイドライン