「今も私の生活を苦しめている」旧ジャニーズ補償訴訟、石丸志門さん尋問
ジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題の被害補償をめぐり、「SMILE-UP.(スマイルアップ)」社(旧ジャニーズ事務所)が、被害者の一人である石丸志門さんに対して、損害賠償として1800万円を超える額を支払う義務がないことを確認するために起こした裁判。
被告尋問が9月11日、さいたま地裁であり、石丸さんは「性被害を過去のことにはできない。今も私の生活を苦しめている事件だと認定してほしい」とうったえた。
●「絶対権力者だったので大人に相談しなかった」
被告尋問では、スマイルアップ側の代理人が、性被害にあった当時の状況などを質問した。
石丸さんは、ジャニー喜多川氏がある日、少年たち15人ほどが雑魚寝する部屋に一人で入ってきて、口腔性交や肛門性交を繰り返したと説明した。
その上で、「絶対的な権力者だったので、大人に信じてもらえると思わず相談しませんでした」と振り返った。
また、性被害を受けた後に仕事が長続きせず、36歳の時にうつ病と診断されたことや、それ以来、薬の服用や認知行動療法などの治療を今に至るまで受けていることを明らかにした。
ジャニー喜多川氏による性加害疑惑が報じられてからは、「夜になると、生々しい記憶と感触が思い出されて眠れなくなるなど、非常に辛かった」と話した。
●B型事業所に通う日々「過去のことにはできない」
スマイルアップ側からは、被害の補償として1800万円を提示されたことに関しては、「1800万円の算定の根拠を求めたが、説明されなかった」と述べ、次のようにうったえた。
「性被害は私だけの問題ではありません。これまで570人以上がスマイルアップから補償を受けましたが、全ての方が納得して受けたとは到底思えません。裁判所には、事実に基づいて公正に認定していただきたい」
石丸さんは現在、生活保護を受給しながら、その日の体調に応じて、週に1~3回ほど就労継続支援B型事業所に行き、動画制作の作業をしているという。
裁判官に「最後に言いたいことはありますか?」と問われた石丸さんは、こう強調した。
「性被害を過去のことにはできません。今も私の生活を苦しめている事件だと認識してほしい」
●裁判所が和解案提示を検討、石丸さん「算定基準を示して」
裁判長は、「裁判所として和解案を提示できるか検討します」と述べ、和解期日として10月2日が指定された。
石丸さんは裁判後、報道陣の取材に応じ、「1800万円の計算根拠を明らかにしていただかないことには、飲むも飲まないとも判断できない。もし和解になったとしても、裁判所には算定基準を示していただきたい。そして、裁判所で決まったことには従いたいと思います」と語った。

