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人気キャラクター「ちいかわ」の映画をめぐり、劇場の入場者特典が従業員を通じて外部に持ち出されているのではないか──。そんな「横流し疑惑」がSNS上で広がっている。

発端となったのは、東京・池袋の映画館で働く交際相手から入場者特典を譲り受け、フリマアプリで売ることをうかがわせるX投稿だ。投稿では、交際相手の勤務先だとする映画館の名前も挙げられていた。

一方、SNS上では、この投稿そのものの信憑性を疑問視する声も上がっている。

名指しされたグランドシネマサンシャイン池袋は9月9日、Xで声明を公表した。

事実関係の確認を進めるとともに、法的観点からの検討のため弁護士に相談していると説明。投稿内容が事実だった場合には「社内規程等に基づき厳正に対処」する一方、事実に反していた場合には「必要に応じて法的措置を含む適切な対応を致します」としている。

声明では、作品名や問題となった投稿の具体的な内容には触れていない。映画館側は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、回答を控えた。

では、映画館の名前を挙げた「横流し疑惑」の投稿がウソだった場合、投稿者はどのような責任を問われる可能性があるのか。冨本和男弁護士に聞いた。

●投稿内容が虚偽なら「偽計業務妨害罪」の可能性も

──特典の横流しなどの不正がおこなわれているかのような内容をSNSに投稿し、それが事実に反していた場合、刑事責任を問われますか。

大した根拠もないのに不正があったかのような投稿をした場合、偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。

偽計業務妨害罪とは、虚偽の噂を広めたり、人をだましたり勘違いさせたりして、他人の業務を妨害したときに成立する犯罪です(刑法233条後段)。

法定刑は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定められています。

本当のことではない噂や情報を、大勢の人に広めることを「虚偽の風説の流布」といいます。

実在する映画館の名前を挙げて「特典の横流しなどの不正がおこなわれている」という嘘の内容をSNSに投稿したとすれば、まさにこの「ウソの噂を広める行為」にあたります。

その投稿のせいで、映画館側が事実確認や問い合わせへの対応に追われるなど、本来の業務に支障が出れば、業務を妨害したとみなされます。

また、映画館側の社会的評価を低下させたとして、名誉毀損罪などに問われる可能性も考えられます。

●映画館側から損害賠償を請求される可能性も

──投稿がウソだった場合、映画館側は投稿した人に損害賠償を請求できますか。

請求できる可能性は十分にあります。

どのような損害が認められるか、またその金額をどう証明するかは簡単な問題ではありません。

しかし、問い合わせ対応にかかった人件費など、投稿のせいで発生した損害や金額を映画館側がしっかりと証明できれば、不法行為に基づく損害賠償(民法709条)を請求することができると考えられます。

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp