広島テレビ放送

写真拡大 (全9枚)

 冠水した道路で車が動かなくなると命にかかわります。大雨による冠水被害が全国で相次ぐなか、ドライバーが知っておきたいポイントを聞きました。

 7日、福島県で発生した大雨。冠水したアンダーパスで車が水没し、1人が死亡しました。
 広島市内にも市が管理するアンダーパスが18か所あります。市によると、ポンプによる自動排水などの冠水対策を行っていますが、災害級の雨では排水が追いつかない場合もあるといいます。
 道路冠水によるトラブルが、去年10件寄せられたというJAF広島支部に話を聞きました。

■広島テレビ 塚原 美緒 気象予報士・防災士
「大体どれくらいの冠水で危険になってくるんですか?」

■JAF広島支部 青山 侑義 さん
「この車の場合ですと、車の一番下の部分。床の部分で、かなり危険な状態になってきてしまいます」

■広島テレビ 塚原 美緒 気象予報士・防災士
「地面から10センチくらいじゃないですか」

■JAF広島支部 青山 侑義 さん
「この程度であったとしてもですね、冠水した道に入ってしまうと水を巻き上げてしまいます。そうすると車が故障してしまいます」

 こちらはJAFによる実験映像です。
 車が巻き上げた水がエンジンルームに入り込むと、すぐに止まってしまいました。車種や速度によって差はありますが、たとえ10センチほどの冠水でも油断は禁物だといいます。

■JAF広島支部 青山 侑義 さん
「普段よりも水がたまっている状態であれば、走行は基本的には避けていただきたい」

 最悪の場合、車内に閉じ込められる危険もあります。60センチ冠水した道でドアにかかる水圧を体験してみると・・・。

■広島テレビ 塚原 美緒 気象予報士・防災士
「重たい!自分の全体重をかけても、ちょっと動くくらいで自分が出られるほどにはドアが開きません。水が周りにあったら相当パニックになりますね」

■JAF広島支部 青山 侑義 さん
「そうですね」

 脱出するには窓を開けるか、開かない場合に備えて窓を割るハンマーを常備することが推奨されています。

■JAF広島支部 青山 侑義 さん
「異常なほど雨が降ることが分かっている日であれば、不要不急の運転は避けていただくようにお願いします」

 全国で相次ぐ冠水被害を受け、広島市でも今後「大雨に伴うアンダーパスの事前通行規制を検討していく」としています。

 大雨のたびにニュースで耳にする「アンダーパス」。図のように、「アンダーパス」は線路や道路の下を通るために周囲より低く造られています。そのため、大雨のときには雨水が集まりやすく、冠水に注意が必要となります。

 「注意が必要」だとよくわかっているはずですが、なぜアンダーパスでの事故が多発するのでしょうか。
 映像にもあったように、たとえ深さが10センチでも、速度が出ていると巻き上げた水がエンジンルームに入ってしまい、最悪の場合冠水したアンダーパスの途中で車が止まってしまうことがあります。そして、大雨の際は明るい時間帯でも水が濁っていて深さがわからなくなります。また、アンダーパスは周囲より低くなっているので、一気に水が流れ込み、思った以上に速く水位が増します。

 広島市内には、市が管理するアンダーパスが18か所あります。市に確認したところ、直接雨水管に排水するものと、水位が上がるとセンサーが感知しポンプが作動して自動で排出するものがあるそうですが、8月の千葉豪雨を受けて点検を進めているということです。

 大雨のときは、アンダーパスに入らないこと。走行をせず迂回するようにしましょう。それでも万が一の場合は、窓ガラスを割る道具があります。JAFが実験した動画をご覧ください。
 冠水した道路に車ごと閉じ込められた状態。使ったのは、「脱出ハンマー」と呼ばれる道具です。側面の窓ガラスをたたくと、こんなふうに窓を割って脱出することができます。実験では、フロントガラスはこのハンマーでも割れませんでした。(フイルムが入っているため)ご注意ください。

 車内に常備していない場合は、助けを待つことになります。エンジンを再始動しようとすることは、漏電にもつながるので絶対にやめてください。繰り返しになりますが、何よりも大雨の際はアンダーパスを走行しない。迂回する。これを心がけましょう。

【2026年9月8日 放送】