6日の広島戦で通算1000投球回を達成した小笠原

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チームを鼓舞した小笠原慎之介の姿

 巨人に逆転優勝の望みがつながった。

 5日の試合前は首位・阪神とのゲーム差が4.5あったが、阪神が5、6日のDeNA戦を2連敗、巨人は4~6日の広島戦に3連勝して2.5となった。

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 ここ5試合、巨人は4勝1敗と勝ち越し、阪神は2勝3敗と負け越している。よくぞ広島に3連勝した。いい風が吹いている。

 小笠原慎之介が6日の広島戦(マツダ)で完封勝利を挙げた。4安打で2023年の広島戦以来、3度目だという。気迫にあふれた投球だった。1人で投げ切ってやる。強い精神力を感じた。

 6回2死一塁で菊池涼介の打球を左足に受けた。痛かったと思うが、ベンチに戻らず続投した。こんな姿はチームを鼓舞する。今後に向けての好材料だ。

6日の広島戦で通算1000投球回を達成した小笠原

 前日の5日、巨人は延長11回を戦い10投手が登板した。こんなチーム事情も頭にあったのだろう。中継ぎ陣を休ませる結果になった。

10人継投の5日は最高の試合だった

 この5日の試合で、途中出場の甲斐拓也が11回に決勝本塁打を放った。その裏から登板した10人目のライデル・マルティネスをリードした。

 代打・野間峻祥、勝田成、大盛穂の3人には内角を避けて、外角、それも低めを徹底して要求していた。この日にベンチ入りした投手は10人のため後続がいない。こんなケースで一番怖いのは危険球退場だ。

 マルティネスも心得ていた。制球力がいいしフォークが効いていた。バッテリーはしっかり考えていたと思う。

 9回の土壇場で同点に追いつき、延長11回に甲斐の本塁打から一気に5点を奪った。8回に中川皓太が一時逆転2ランを浴びたが救うこともできたし、最高の試合だった。

 4日は20日ぶりの一軍復帰となった竹丸和幸が6回を2安打無失点の好投で復調を印象付けた。真っすぐが走り、変化球の制球もよかった。なにより躍動感があった。新人だからね。前は疲れも溜まっていたのだろう。

ダルベックの休養は解せない

 チームは好調でも、ここに来て解せないこともある。主砲、ボビー・ダルベックの休養だ。

 5、6日は2日連続でベンチメンバーを外れて欠場した。橋上秀樹監督代行によると「体調不良」だという。だとしたら自己管理ができていないということだ。巨人の外国人選手は至れり尽くせりの待遇を受けている。

 東京ドームに近い場所に居を構え、遠征先ではホテルの1人部屋だ。もちろん、専用通訳もついている。練習だってある程度は任せられているはずだ。疲労と言うなら浦田俊輔や泉口友汰らのほうがよっぽど疲れているはずだ。

 さらに丸佳浩をスタメンで使おうとしない。これも不思議だ。丸は出場したら必ず結果を出すタイプだ。(※8月以降は17打数8安打で打率4割7分1厘、同期間で5四球を選んでおり、出塁率は5割9分1厘。8月30日の阪神戦では「5番・左翼」で久々のスタメンながら4打数4安打、9月1日のDeNA戦では「3番・左翼」でスタメン出場し3打数1安打2打点1四球だった。今季は代打でも打率3割1分4厘、2本の本塁打を放っている)

 他の5球団監督に「スタメンで出てきたらイヤな選手はだれ?」と聞いたら、あくまで私の予測だが、こう答えると思う。1、2にダルベックと丸、3に大城卓三、4は泉口、5に佐々木俊輔か浦田だろう。

誰が打線を組んでいるのか、クビを傾げた

 ダルベックは確かに三振が多い。多いけど巨人では一番本塁打を打っている。どこの監督も一番避けたいのは走者を溜めての一発だ。なんやかんや言っても投手へのプレッシャーが違う。

 オヤッと思ったのは2日のDeNA戦(京セラD)だった。この前日、阪神に3タテを食らって1日置いた1日は9回に石塚裕惺のサヨナラ犠飛で勝った。

 そして迎えた2日は弾みをつけたいところだ。だが、この日ファームから一軍昇格したフリアン・ティマを一塁、萩尾匡也を8番・左翼で初スタメン起用した。ダルベックと丸を外してこの2人を使った……誰が打線を組んでいるのか。不思議だ。クビを傾げた。

 おそらくダルベックは体調よりも精神的なものではないか。責任感が強いタイプなのだろう。ゼラス・ウィーラーが彼とどんな話をしているかは知らない。だが、巨人ベンチはダルベックにど真ん中だけを待て、低めのフォークには絶対に手を出すなと徹底して言い聞かせ、打席に送り出した方が正解だと思う。

 巨人が岡本和真の代役として獲得した助っ人だ。このまま終わってほしくないし、必ず復活すると信じている。

田中瑛斗は8回が重荷になってきたのか

 投手陣が踏ん張っているが、1つ心配なのは田中瑛斗だ。登板数の多さもあるがフォークを覚えて引っかかるようになった。8回が重荷になってきたのではないか。

 巨人は残り19試合だ。今後は最長でも4連戦で6連戦は1度もない。投手陣は踏ん張っているし打線もなんとかタイムリーで点を取れるようになってきた。阪神には7勝16敗と大きく負け越しているものの、他の4球団すべてに勝ち越している。これも大きな強みだ。

 8日からはまず東京ドームに中日を迎えての3連戦、2勝1敗はもちろん3連勝するつもりで臨んでもらいたい。

(記録などは7日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部