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クロスオーバーらしさ、SUVらしさを強調

日本で販売されるBセグメントSUVでは、日本車を含めて初の3列シート7人乗り。そんな希少なパッケージを持つ新型『シトロエンC3エアクロス』であるが、上級グレードのマックス・ハイブリッドの試乗車を前にすると、2列シートのC3に似ていると思った。特に前から見ると、間違えてしまいそうなほど。

【画像】特等席は2列目?BセグSUV日本市場初の3列7人乗り、新型『シトロエンC3エアクロス』 全124枚

ボディサイズは全長4410mm、全幅1790mm、全高1660mmで、C3の同じく4015mm、1755mm、1590mmからは長さ以外も拡大しているし、ホイールベースは130mm伸ばされて2670mmになっているのに、同じように見える。


日本で販売されるBセグSUV、初の3列シート7人乗りとなる新型『シトロエンC3エアクロス』。    山本佳吾

でもさらに観察すると、フロントのエンブレムやヘッドランプは共通のように感じるものの、フロントフェンダーやフロントドアは別物だ。C3エアクロスのほうがフェンダーの張り出しは力強い。

背が高めながらハッチバックに見えるC3に対して、こちらはフロントバンパー周辺もゴツくなっていて、名前のとおりクロスオーバーらしさ、SUVらしさを強調していることが伝わってきた。

サイドでは、ウインドウの形状やドア下部のキャラクターラインは似ているけれど、リアドアは明らかに長くなっている。そして後方から回り込むようにして、小さなリアクォーターウインドウが設けられている。

後ろ姿は、C3エアクロスのほうが背が高くスクエアに近いプロポーションなので、フロントより識別しやすいが、それを強調するような造形にはなっていない。

C3の一員に見せつつ大きなキャビンを実現し、クロスオーバーっぽさもアピールしたテクニックは、デザインに興味がある人間としては、かなり感心する部分だった。

水平基調のインパネはとにかくシンプル

インテリアも前席まわりについては共通。水平基調のインパネは、奥のスリットにメーターを収めたこともあって、とにかくシンプルだ。でも表面をファブリック調にしていたりするので、冷たくはなく、むしろ温かみがある。『have fun』や『be cool』などのメッセージが書かれたドアトリムのオレンジのタグが、そこに遊び心を加えてくれる。

前席はC3に続いてシトロエン独自のアドバンストコンフォートシートを採用。日々いろいろなクルマを乗り換えている身だからこそ、ほっこりした着座感は心が和む。でもこのクルマの特等席は2列目かもしれない。


水平基調のインパネは、奥のスリットにメーターを収めたこともあって、とにかくシンプルだ。    山本佳吾

こちらもアドバンストコンフォートシートであるうえに、ひざの前の空間はこのクラスの平均レベルであるものの、着座位置が高めで見晴しがいいうえに、頭上のスペースに余裕があって、このクラスのSUVとしてはとても広々しているからだ。

3列目は2列目をダブルフォールディングで畳んでアクセスすることになる。乗り降りのための空間は狭いけれど、身長170cmの僕はひざを立てて座ることになるものの、頭上は髪の毛が触れる程度で済む。短時間なら何とか座れるという感じだ。

いつもはこの3列目の背もたれを倒して、荷室が広めのコンパクトSUVとして使うのが良さそうだし、2列目も畳めば車中泊できそうなスペースも得られる。

そのためにシートの上に敷くボードも用意されている。普段は3列目の後方に畳んで格納しておき、広げて2列目の背もたれ背後に引っ掛けるだけという簡単な構造。工夫次第でいろいろな使い方ができそうなところを含めて、とてもフランスらしい。

最高出力、最大トルクはC4と同じ

パワートレインは1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンと、モーターを内蔵した6速デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせ。つまりC3と同じだが、エンジンの最高出力は101psから136ps、最大トルクは205Nmから230Nmにアップしている。

車両重量が1270kgから1390kgに増加したことに対応しているのだろう。ひとクラス上のC4より20kg重い数字であり、実は最高出力、最大トルクの数字はC4と同じだ。


取材車は上級グレードの『マックス・ハイブリッド』。価格は435万円となる。    山本佳吾

はるかに大きく重いC5エアクロスを不満なく走らせるパワートレインなので、加速は不満ない。ただ遮音はクラス相応なのか、3気筒の低音が響いてくることもある。おかげで発進時や巡航時にエンジンを切って電動走行をしている様子もわかる。

シャシーについては、タイヤサイズがC3の205/50R17から215/60R17と、太くて大径になったことを荒れた路面で教えられるが、上下動自体は長さと重さが良い方向に働いて、より鷹揚になった感じだ。

ステアリングは、リアが相対的に重くなったためか、C3のような前輪駆動車らしい手応えは控えめで、軽くてちょっと希薄なタッチ。ハイドローリックシステムをパワーアシストに使っていたBXあたりを思わせた。

C3よりホイールベースが長くなったことは、様々な場所で挙動がゆったりしたことで感じる。2列シートと3列シートで無理に特性を合わせたりせず、車両の成り立ちを素直にキャラクターにしている。

ハッチバックのC3がやっぱり都市部で味わい楽しみたいと思わせたのに対して、こちらはちょっと路面の荒れた2級国道とかを辿りながら、遠くを目指してみたいという気持ちになった。外寸に比例して、走る距離も自然と長くなりそうだ。