【記者悼む】品川徹さん、68歳でのブレイクに漏らした意外な言葉 「白い巨塔」での名演は永遠に語り継がれ、生き続ける
俳優の品川徹(しながわ・とおる)さんが8月29日、死去した。90歳。所属事務所が7日、公式サイトで発表した。リンパ腫の療養中だったという。
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このような形での虫の知らせもあるのだろうか。昨夜(6日)、何度も見ている唐沢版「白い巨塔」をまた見て品川さんの大河内教授に心洗われ、力をもらったばかりだった。ドラマ放送の翌2004年、舞台を控えた品川さんを取材した。あの大河内教授に会える、と思うと前日からドキドキした。
演劇界では知られていたけれど、知名度が全国区になるのは68歳。この年でのブレイク。「床屋に行っても『大河内教授でしょ?』と聞かれるんだ。顔を覚えられてしまって、もう悪いことはできないよなあ」そう言って照れ交じりに苦笑した。
取材の前。別に隠すでもなく、体に貼られていた湿布が目に入った。そのときの舞台は「だれか、来る」というノルウェーの作品で恋人役は荻野目慶子(62)だった。「荻野目さんはカンが良く、最高の相手役」とたたえた後、「長ぜりふが多く、頭の芯まで疲れるよ」といった。“頭の芯まで”から、役に魂を吹きこむとは、心身の極限まで自身を追い込むことだと教わった。
大河内教授が品川さんでなければ、違ったドラマになっていた。「医療に絶対はない。だから医者は悩み続けなければならん。君の苦悩を、私は支持するよ」。ともに孤高に生きる里見助教授への名ぜりふだ。医者どうしのやり取りを借りて、人はいかに“清潔”に生きるべきかを問うた。最終回までの名演は未来永劫(えいごう)、語り継がれ、命を持ち続けるでしょう。(内野 小百美)
