メ~テレ(名古屋テレビ)

7月、名古屋市の繁華街で通行中の女性がマンションから飛び降りた男に巻き込まれ死亡した事件で、5日、23歳の被害者の四十九日が執り行われました。遺族がいま訴えていることは―。

正午前、名古屋市の中警察署から出てきたのは、マンションの転落事故に巻き込まれ死亡した女性の遺族です。

7日、遺族は逮捕された男と3回目の接見に臨みました。

「飛び降りた時に、うちの娘と友達が見えていたはずだと、それを思い出してくれという質問を繰り返しさせてもらいました」(稲葉朋来さんの父)

尊い命が失われたのは、突然のことでした。事件が起きたのは、7月19日の未明。

警察によりますと、中区栄のマンションの11階から飛び降り自殺を図ったとみられる男に巻き込まれ、近くに住む飲食店店員の稲葉朋来さん(当時23歳)が命を落としました。

稲葉さんは、友人と食事をとって店を出た直後に事件に巻き込まれたとみられています。

この事件で、田口伸成容疑者(29)が一時意識不明でしたが回復し、8月、重過失致死の疑いで逮捕・送検されました。

警察の調べに対し、「覚えていない」と供述してます。

被害者の姉「お祝いの場で撮った写真が遺影になるなんて…」

23歳の若さで亡くなった稲葉朋来さん。

5日、三重県の実家で四十九日の法要が執り行われ、遺族らが冥福を祈りました。

「どんな歳になっても娘は娘なので、頭の中でぐるぐると走馬灯のように流れています」(稲葉さんの父)

「遺影の写真が私の結婚式に父親と妹と撮った写真で、お祝いの場で撮った写真がまさか遺影になるなんて思ってなかった。許せない気持ちと悲しいという気持ちと色々な気持ちが混在している」(稲葉さんの姉)

中学時代の同級生は友人の突然の死に…。

「本当に信じられなかった。信じたくないし全然受け入れられなかった。社会人になってからも定期的に会っていたし、亡くなるひと月前もみんなで祭りに行って、また来月飲もうと話していたが、それができず最後になってしまった」(稲葉さんの中学時代の同級生)

被害者の父は「未必の故意」があったと主張

田口容疑者の逮捕容疑は、「重過失致死」。

警察は、現場は人通りが多く街灯の明かりで状況を確認しやすかったことなどから、田口容疑者は飛び降りる際、通行人を巻き込む恐れを回避しなければならなかったと判断しました。

ただ、稲葉さんの父親は、巻き込まれた人が死亡する可能性を認識しながら飛び降りたとして、「未必の故意」があったと主張。

より重い「殺人罪」の適用を求めています。

「あの状況で飛ぶなら、必ず下を見ているだろうと確認はしたし『ただの事故』『うっかりやっちゃったという事故』ではなく、私たちは殺人だと思っている」(稲葉さんの父)

遺族から容疑者へ「生きて償いなさい、ただあなたが殺したということを認識して」

田口容疑者はなぜ飛び降りたのか、人が下を歩いていることは認識していなかったのか。

尽きない疑問を少しでも解消したい。その思いから遺族は、田口容疑者との接見を重ねています。

「あなたはうちの娘に命を救われたと、そう思って生きて償いなさいと。ただ、うちの娘をあなたが殺したということを認識してほしいと伝えました」(稲葉さんの父)

捜査関係者によりますと、8日から、検察は田口容疑者を鑑定留置し、当時の精神状態や責任能力の有無などを調べる方針です。

「自殺目的で飛んだというだけで『未必の故意』を否定しないでほしいと思っている。どうしてそれ(殺人の立証)が認められないのかという法の壁の解釈をもう少し被害者遺族のための解釈でもあってほしいと思う。解釈というのであれば色んな解釈ができると思う」(稲葉さんの父)