「成功」か「物足りなさ」か…韓国最大手HYBE、新人グループが止めた“30万枚の系譜”と自ら上げた“高すぎるハードル”

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新人ガールズグループTUIDE(テュイド)のデビュー成績は、成功と言えるのだろうか。

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あるいは、少し物足りない結果なのだろうか。

単純に数字のみに注目すれば、文句なしの好発進である。

HYBE傘下レーベルABDからデビューを果たした7人組ガールズグループTUIDEは、8月24日に1stミニアルバム『TUNE & PLAY』を発表した。HANTEOチャートの集計によれば、発売初週で11万2282枚の売上を記録した。

この記録は、2026年に韓国でデビューした女性アーティストの中でトップの初動成績である。さらに、歴代ガールズグループのデビューアルバムを振り返っても、10位にランクインする立派な数字だ。

TUIDE(写真提供=OSEN)
HYBEの基準で見ると見え方が変わる数字

しかしながら、「HYBEの新人ガールズグループ」という基準を用いて評価すると、11万枚という結果の捉え方は大きく変わってくる。

過去にHYBE傘下レーベルから韓国でデビューを飾ったガールズグループの歩みを振り返ると、いずれも驚異的なスタートダッシュを切っていた。

SOURCE MUSICから出たLE SSERAFIMは、2022年5月リリースのデビュー作『FEARLESS』で初動30万7450枚(歴代4位)をマーク。同じ年の8月にADORからデビューしたNewJeansも、『New Jeans』で31万1271枚(歴代3位)を叩き出した。

LE SSERAFIM(写真提供=OSEN)

そして2024年3月には、BELIFT LABのILLITが『SUPER REAL ME』で38万56枚(歴代2位)という成績を収め、先輩グループ2組の記録を塗り替えている。

それに対して、今回のTUIDEの成績は11万2282枚である。

所属レーベルやデビュー時期、グループのコンセプトがそれぞれ違うため、単なる数字の比較でグループの優劣を語ることはできない。とはいえ、売上枚数だけを並べてみると、その差は非常に大きいと言わざるを得ない。

LE SSERAFIM、NewJeans、ILLITが3組立て続けに30万枚の壁を突破してきた状況下で、TUIDEは初めてその基準を大きく下回る結果となった。

11万枚という売上は歴代10位の好成績である。だが、HYBE所属グループの中では、一番控えめなスタートとなったのも事実だ。

自らが引き上げた成功のハードル

ここで着目すべきは、TUIDEが記録した11万枚という売上が、決して低い数値ではないという点である。

現在の新人ガールズグループを取り巻く市場環境を考慮すれば、むしろトップクラスの成績だ。にもかかわらず、「HYBEにしては少ない」という評価につながってしまう。

そうした見方をされる原因は、TUIDE側ではなく、圧倒的な結果を残してきた先輩グループ側にあると言えるだろう。

HYBEはLE SSERAFIM、NewJeans、ILLITと、それぞれ異なるレーベルからガールズグループを送り出すたびに、30万枚超えという実績を叩き出してきた。

ILLIT(写真提供=OSEN)

その結果、「HYBE系列の新人ガールズグループなら、デビューから30万枚級」という極めて高い水準を、自らの手で確立してしまったのだ。

そのため、TUIDEが歴代10位にランクインしたとしても、手放しで「好記録」と称賛される状況にはなっていない。

成功の基準値をここまで高く設定してしまったのは、競合他社ではなく、HYBE自身であったとも表現できる。

ライバルとの僅差と今後の展望

さらにもう一点、注目すべき数字が存在する。

TUIDEの初動11万2282枚に対し、同時期にJYPエンターテインメント傘下のINNITエンターテインメントから登場したOURBIRTHDAY(アワーバースデー)は、11万1324枚の初動を記録している。

OURBIRTHDAY(写真提供=OSEN)

両者の差は、たったの958枚である。わずか数日前までOURBIRTHDAYが維持していた歴代10位の座を、ギリギリのところで上回った格好だ。

しかし、かつてのHYBEの新人グループがデビュー早々に30万枚を売り上げていた事実を踏まえると、今回の状況は少々異なって見える。

今年デビューした新人の中で首位には立ったが、「HYBEから出た新人」というブランド力で他事務所のグループを圧倒したわけではない。直前までOURBIRTHDAYが保持していた歴代10位の記録を、ごく僅かな差で塗り替えた形なのだ。

少なくともデビューアルバムの初動成績に限って言えば、過去のHYBEガールズグループとは立ち位置が明確に違っている。

とはいえ、TUIDEのデビューを「失敗」と断定するのはいささか早すぎるだろう。事実として、音源チャートにおいては上向きの傾向も確認できる。

デビュー曲の『SUN KISS』は8月28日時点でSpotifyの「Daily Top Songs Korea」で24位にランクインし、翌29日にはApple Musicの「今日のトップ100:韓国」で5位に浮上した。

さらにミュージックビデオに関しても、韓国YouTubeの「デイリー人気ミュージックビデオ」で首位を獲得しており、複数の国や地域でランクインを果たした。

デビューアルバムに収録された楽曲全体も韓国国内の主要音楽チャートに浮上するなど、CDの売上枚数のみで成否を判断する時期ではない。

むしろ今回の成績が浮き彫りにしているのは、TUIDEというグループのポテンシャルの限界ではなく、HYBE自身がこれまでに構築してきた“高すぎるスタートライン”の存在である。

TUIDE(写真提供=OSEN)

通常であれば大成功と言える11万枚という数字が、霞んで見えてしまう。それだけ、LE SSERAFIM、NewJeans、ILLITのデビューインパクトが絶大だったということの裏返しでもある。

当然ながら、HYBEの展開するガールズグループ戦略が限界を迎えたと結論付けるのは時期尚早だ。だが、これまで続いてきたひとつの記録がストップしたことは紛れもない事実である。

LE SSERAFIMからNewJeans、そしてILLITへと受け継がれてきた「デビューから30万枚」の連続記録は、TUIDEによって一旦途切れることとなった。

これが、今回限りのイレギュラーな事象なのか。それとも、「HYBEから出れば、デビュー時点から30万枚級」という既存のルールが、徐々に変化の兆しを見せているのか。

11万2282枚という売上枚数そのものよりも、過去のグループとの間に生じたその“落差”にこそ、TUIDEの今後の歩みを占う上での興味深いポイントが隠されているのかもしれない。

(記事提供=スポーツソウル日本版)