「ドパガキ」とはショート動画や過激なゲームなど、ドーパミンが大量に出る刺激の強いコンテンツを見続ける若い世代を指す言葉だ。長時間何かに取り組むことが難しくなったり、学力が低下したりといった影響も指摘されている。

【映像】「筋金入りのドパガキ」だというAさんの小3次女、自宅での様子

 ニュース番組『わたしとニュース』は「ドパガキ」だと感じる2人の娘を持つ、40代の父親にリアルな実態を聞いた。

ショート動画が流れていないと落ち着かない…“ドパガキ”な娘2人の24時間

 中学2年生と小学3年生の「ドパガキ」な娘2人がいると話すAさん。娘たちの“スマホ漬け”の日々について、次のように語る。

「長女の育児のときからスマホを結構見させていて、世の中的には『スマホ育児』などの言い方をされていて。次女については生まれたときからそんな感じ。それが今は『ドパガキ』というワードに変わったのかなと」(Aさん、以下同)

「例えばSwitchでゲームをしながら、隣でYouTubeのショート動画を回して、それをスクロールしつつゲームするとか。多分それがないと落ち着かないとか、そういうレベルなのではないかと。スマホを握ったまま寝るので、ショート動画がずっとループで流れているなと思ったら寝ていた、みたいなことがよくある」

 Aさんはスマホやタブレットの利用時間に制限はかけているが、仕事中に娘から「(利用できる時間を)延ばして」と連絡が来て、延長することもあるという。

 そんな「ドパガキ」だという娘たちの1日は…。

「学校に行く準備中もずっとスマホを見ながら支度をしていて、(出発時間の)ギリギリまで見ている。学校から帰ってきて、ショート動画を見ながらゲームしたり工作したりで、それが(夜の)9時~11時くらいまで続いている。ずっと注視しているというよりは“ながら見”をしている感じ」

 睡眠と学校以外の時間は何かしらスマホを触り続けているという、Aさんの娘たち。ただショート動画漬けの影響が、一概に「悪ばかり」とも言えないと感じているそうだ。

 Aさん曰く、生後半年でスマホを触り始め、「筋金入りのドパガキ」だという次女。いつの間にかショート動画を見ながら工作をするようになり、さまざまな作品を生み出すようになったという。例えば小学校2年生のある日には、フェルトを使って赤いリンゴが実った木の周りにさまざまな動物が集う作品が出来上がっていたそうだ。

「本人がYouTubeかショート動画でフェルトの工作を見て、自分一人で必要な材料を買ってきて、自分で作ってみたいな感じ。親は何もしてなくて」

「面白かったのは自動販売機を作ったりとか、押すとガシャンて出てくるみたいなものを紙で作っていたり。保育園時代は折り紙や紙の工作から始まって今だとUVレジンという樹脂を固めるようなものも。手芸の動画を見て自分も作りたいと言って、毎日何かしらの工作をしていて、ちょっと大人でもびっくりするような作品というか、物がいっぱいできている感じ」

 また、長女には、こんな影響があったという。

 「ショート動画を見まくっていたせいなのかやたら知識が豊富で、小学2年か3年のときに『日本は物価が安いらしいけどなんで?』『なんで人間っていろんな言語があるの?』みたいな、目の付け所というか質問のレベルが高くて、簡単に答えが出ないような質問もあった」と、社会に対する疑問を次々と投げかけられ、驚いたという。

 ショート動画を見続ける子どもが「ドパガキ」と言われていることについて、Aさんは…。

「ずっとスマホを見せているのは良くないと思いつつ、全部やめるのもちょっと違うというふうには思っていて。アウトプットにつなげられたら、それはそれでいいのかなと」

問題は“スクリーンタイム”ではない ハーバード大准教授が指摘

 子どもたちが長時間スマホやタブレットに触れていることについて、ハーバード大学の医学部准教授・内田舞氏は「どれだけ見たかという時間ではなく、そのために何が失われているのか」が焦点だと話す。

「精神医学的に『依存』という肩書きがつくのは、何か問題が生じているとき。例えば睡眠が削られている、学校に行けない、宿題ができない、友達や家族との人間関係が悪くなっているというような、日常生活の影響が出ている場合には注意が必要。でもどんなに長くスマホを使っていても、学校に行けて友達と仲良く遊べて運動も睡眠も確保できていて、必要なときには自分でやめられるのであれば、同じ時間使っていたとしても意味は全然違うと思う。スクリーンタイムの数字だけで子どもを評価するのではなく、使用によって何が失われているのか、どんな影響があるのかを見るのが大切」(内田舞氏、以下同)

 Aさんは「動画やAIなどのインプットを見てわかった気になっても経験値はゼロ。しかしその先に何かを生み出すアウトプットがあれば、失敗を経験するなどして成長できるのでは」とも感じているという。

 この点について内田氏も、“ショート動画を消費するだけ”の状況は問題になるかもしれないと指摘。「大切なのは、インプットがリアルな世界でのアウトプットにつながっているのか」と述べた。

(『わたしとニュース』より)