数々の名作を世に送り出してきた、直木賞作家の恩田 陸さん。

長崎がモデルのまちを舞台に描いた「最新作」の見どころを聞きました。

(恩田 陸さん)

「ある種のトラベルミステリーではないですけれども、長崎を舞台にして、長崎に入ってきた文物にまつわるミステリーという感じ(の作品)ではないでしょうか」

代表作「蜜蜂と遠雷」をはじめ、数々の名作を世に送り出してきた直木賞作家の恩田 陸さん。

最新作「傾斜のマリア」は、ウイルスハンターの神原恵弥を主人公にした、恩田さんの人気ミステリーシリーズ第4弾。

長崎をモデルにしたまち “N崎” を舞台に描かれます。

(恩田 陸さん)

「(長崎は)歴史が長いし、色々な物は入ってくるし、舞台としてはとても魅力的な場所だと思う」

恩田さんは2016年と2022年に県内を訪れ、各地で取材。

長崎について…

「さまざまなものを受容し、熟成させてきた街。宗教であれ、異文化であれ、数百年をかけて、ドロドロのごった煮から上澄みにまで、昇華させてきた土地」と説明しています。

(恩田 陸さん)

「諏訪神社もあるし、お寺もあるし、中華街もあるし、教会もいっぱいある。いろいろな祈りの形がまちを形成していて、それが普通に溶け合っているところが、長崎の一番いいところ」

物語は主人公の祖母が残した、不思議な "数え歌” の謎を解き明かすため、祖母の出身地「N崎」を巡る旅行ミステリー。

(恩田 陸さん)

「長崎のまちを歩いていて、印象に残ったものを小説の中に入れているという感じ」

恩田さんが見た長崎を、主人公と一緒に歩いている感覚で楽しめます。

(恩田 陸さん)

「“尾曲がり猫” の尻尾はインパクトが(強い)。本当に直角なんですよね。

(電車は)なんか可愛らしいというか、いい感じでまちのサイズ感に合っている。

原付(バイク)の人がとても多いというのは、やはり他とは違うという感じ」

ほかにも「カステラ」や「ちゃんぽん」。「カスドース」や「一口香」など、恩田さんが実際に食べたグルメやスイーツが登場。

中でも…。

(恩田 陸さん)

「甘いものも、辛いものもある。でも 私が一番、最近長崎に取材に行って感動したのは、たまり醤油。すごく地元のお魚などに合っていて、すごく美味しく感じた」

人気作家によるご当地小説の発売に、書店では…。

(メトロ書店 読書アドバイザー 川崎 綾子さん)

「いつも見慣れている風景が、恩田陸さんの筆にかかると、こんな風に変わるんだなと思った」

長崎市のメトロ書店では、軍艦島や稲佐山など 物語に登場する場所やキーアイテムが描かれた、装丁のポスターを展示していて、PRに一役買っています。

さらに 長崎を舞台にした、歴代の作品も紹介しています。

(メトロ書店 読書アドバイザー 川崎 綾子さん)

「こちらも長崎が舞台の本で、ちょっとしたサスペンスホラーになっていておもしろい」

謎解きだけではなく、まち歩きやグルメのガイドブックとしても楽しめる、恩田 陸さんの最新作。

(恩田 陸さん)

「皆さんが暮らしている長崎の風景の中に登場人物が出てきますので、なんか一緒にいるような臨場感を感じて、楽しんでいただければと思います」