マリ戦、ドリブルで仕掛ける日本の山本麻衣(右)=AP

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 バスケットボールの女子ワールドカップ(W杯)は4日にドイツのベルリンで開幕し、日本(世界ランキング10位))は1次リーグ初戦で西アフリカのマリ(同18位)を102-97(前半48-52)で破って白星発進した。

 アフリカ勢の身体能力の高さに苦しんだが、お家芸の3点シュートを20本(成功率は57%)決めてハイスコアの点の取り合いを制した。

 日本のスタート5は田中こころ(ENEOS)、林咲希(富士通)、東藤なな子(トヨタ紡織)、宮沢夕貴(富士通)、渡嘉敷来夢(トヨタ自動車)。

林咲希が両チーム最多の27得点

 マリは手足の長さと身体能力の高さを生かして立ち上がりから主導権を握り、日本をリバウンドで圧倒するとともに、ゴール下のペイントエリアでの得点を重ねた。

 第3クオーター途中で一時は10点差をつけられた日本だが、徐々にディフェンスを立て直すと、今野紀花(ENEOS)の連続3点シュートなどで差を詰めて競り合いに持ち込んだ。71-73で始まった第4クオーター、マリのペイント攻撃が減って外からのシュートが増え、日本は残り4分を切って90-85と一歩抜け出すとそのまま逃げ切った。この試合で林が3点シュート9本を沈めてチーム最多の27得点を挙げた。 

予選3連敗からW杯切符をつかんだ日本

 2021年東京五輪銀メダルの日本は、2年前のパリ五輪では3戦全敗で1次リーグ敗退。国内のWリーグを中断して臨んだ今年3月のW杯予選(トルコ)でも初戦から3連敗と窮地に立たされたが、そこから2連勝して5大会連続の出場を決めた。東京五輪メンバーの宮沢は「日本がやってきた速いバスケットをどの国もやっている。世界は強くなっているが、日本は(成長が)止まっている印象だ」と危機感を口にしていた。

 こうした反省も踏まえて今大会は「1次リーグをしっかり突破すること。初戦からギアを上げていく」(ポイントガードの田中)ことが求められていた。マリ戦は苦しい展開となったが、全員で粘ってもぎ取った白星となった。

 28年ロサンゼルス五輪も見据え、今大会の日本は6位だった1979年大会以来となるベスト8以上を目標に掲げる。この後は5日(日本時間6日未明)に世界ランキング11位のドイツと、7日(同8日未明)には昨年の欧州選手権準優勝のスペイン(同6位)と対戦する。

次戦はパリで日本を破った急成長のドイツ

 ドイツは2018年のU18(18歳以下)欧州選手権の優勝メンバーが主力で急成長し、初めて五輪に出場した24年のパリ大会では日本を75-64で破っている。1メートル90台の選手をそろえて12人の平均身長で日本を大きく上回る。何よりW杯開催国で地の利があり、手強い相手だ。

 パリ五輪のドイツ戦、日本はシュートに苦しんで64得点にとどまり、ディフェンスでは大きな相手にペイントエリアを徹底的に突かれた。この日のマリ戦の前半のように、日本が一番嫌な戦いを強いられての敗戦だった。

 昨春に女子代表に就任したコーリー・ゲインズ監督(ヘッドコーチ)は「ペース・アンド・スペース」と呼ぶ戦術を掲げる。テンポ良く、コートを広く使った運動量で相手を圧倒し、強いディフェンスからの速い切り替えで、3点シュートなどの攻撃につなげる展開だ。

 日本バスケットボール協会の萩原美樹子・強化副委員長は大会前に「選手交代でどういうラインアップになっても、同じ強度でペース&スペースを維持できるか。マリのようにジャンプ力やリーチがあって身体能力の高い相手に慣れてからドイツ、スペインと対戦できる試合順はいいと思う」と話していた。

 初戦は特に前半、日本の理想の展開が作れずに、97失点とディフェンスで課題も残したが、この後も続く強豪との戦いに向けてどう立て直すか。(編集委員 千葉直樹)

W杯の大会形式と、ロサンゼルス五輪への道

 W杯は出場16チームが4つの組に分かれて1次リーグを戦い、各組の1位がまず準々決勝に進出。さらに隣り合う組の2位と3位が準々決勝進出決定戦を行い、勝った4チームも準々決勝に進む。今大会の優勝チームに2028年ロサンゼルス五輪の出場権が与えられる。日本がW杯で出場権を獲得できなかった場合は来年7月に開かれるアジア杯で上位に入って世界最終予選に進み、五輪切符獲得を目指すことになる。