2000年前の「携帯ライト」がすごい!美しさと機能性を兼ね備えた「鳳尾銅灯」
2000年以上前の中国では、夜道を歩く際、どのように明かりを確保していたのだろうか。答えの一つが、小型の「鳳尾銅灯」だ。
この青銅器は前漢時代(紀元前202年~紀元後8年)のものとされ、現在は中国湖南省の長沙博物館に収蔵されている。
一見すると装飾品のようにも見えるが、実際には夜間の移動などに使われた手提げ式の灯火具だ。前方の灯皿には灯油を入れ、灯芯を設置できる。細長い柄は片手で持ちやすく、柄の下部には小さな脚も付いているため、机などの上に置いて使うこともできる。手に持って移動しながら照らすことも、置いて使用することもできる実用的な設計となっている。
この灯の最大の特徴は、上方へ大きく伸びた「鳳尾」だ。職人は透かし彫りの技法を用い、重厚な青銅を軽やかな尾羽のように表現。さらに尾の部分には銅製の鈴が取り付けられている。もともとは7個の鈴があったとされ、現在も6個が残っている。
古代の人々がこの灯を手にして歩くと、歩みに合わせて灯全体がわずかに揺れ、銅鈴が澄んだ音を響かせたと考えられる。夜道を歩く人に周囲の注意を促す役割を果たしただけでなく、単調になりがちな夜の道に、音による楽しさも加えていたのかもしれない。
この「鳳尾銅灯」を理解する上で重要な手掛かりとなるのが「鳳鳥」だ。鳳鳥は楚の文化と深い関わりを持つ。「楚地」とは、現在の湖南省や湖北省を中心とする地域を指す。
楚の人々は古くから鳳鳥を重んじ、鳳鳥は地域を代表する重要な芸術的モチーフの一つとなった。前漢時代には、職人たちが鳳鳥の優美で伸びやかな姿を灯具や銅鏡などの日用品に取り入れ、青銅器に実用性だけでなく、軽やかで躍動感のある美しさを与えていた。
2000年以上の時を経た今も、この「鳳尾銅灯」は、古代中国の職人たちが実用性だけでなく、日々の暮らしの中に美しさを取り入れることを大切にしていたことを伝えている。(翻訳・編集/RR)

