シーズー12歳、渾身の「ガオー!」…人間のような声でご褒美のおやつ一発獲得 飼い主も驚き「一本勝ちを認めざるを得ない」
「一本勝ちを認めざるを得ない会心の『ガオー』」ーー。そんなコメントとともにInstagramに投稿された、1本の動画。そこに映っていたのは、飼い主さんを見つめながら「ガオー!」と独特の声を響かせるワンちゃんです。
飼い主さんが差し出した手に前足をのせるワンちゃん。すると次の瞬間、口を大きく開けて「ガオー!」。その出来栄えがあまりに見事だったのか、ほどなくしてご褒美のおやつをもらいました。
動画の主役は、シーズーの「おすし」ちゃん(12歳・女の子)。普段、おすしちゃんは、おすわりやお手、伏せ、ひざタッチなど、覚えている芸を一通り披露してから、ご褒美の歯磨きガムをもらっているそうです。飼い主さんは、この一連のトレーニングを「名犬レッスン」と呼んでいます。
この投稿は、520万件超のいいねが集まり、国内外から5,700件を超えるコメントが届き、大反響を呼びました。
「気力がみなぎったときに発動する」必殺技
飼い主の小谷純司さん(@meitousan_kotani)によると、「このときは、いつもと違って『ガオー』があまりにも素晴らしかったので、思わず切り上げてガムをあげてしまいました。タイトルの通り、一本勝ちという印象でしたね」と振り返っています。
「ガオー!」は、「ワン!」という吠え声や遠吠えとも違う、なんとも独特な響き。飼い主さんも、初めて耳にしたときには思わず笑ってしまったといいます。
「最初に『ガオー』を聞いたときは、びっくりして笑ってしまいました。このときは特に人間のような声だったので、驚きました。初めて聞いたときに『これは他の子にはないユニークな個性だ』と思い、伸ばしてあげようと思いました」
実は、この「ガオー」は、飼い主さんが教えた芸ではありませんでした。
「自然に発生したという感じです。『ガオー』が出る条件を観察した結果、どうやら『気力がみなぎったときに発動する』という、格闘ゲームの必殺技のようなものだと気が付きまして、それからはこの個性を伸ばすようにしています」
おすしちゃんとのトレーニングで大切にしているのは、遊びのように楽しみながら成功体験を重ねること。
「トレーニングは基本的に、『楽しく遊んでいるような感じで成功体験を積ませ、達成できたらご褒美をあげる』というやり方です。これは、クリッカートレーニングという手法から学びました。達成した喜びを味わいながら、楽しくトレーニングすることが秘訣です」
気まぐれでマイペース、かつてのあだ名は「破壊神」
SNSでは「名犬・おすし号」として親しまれているおすしちゃん。普段はどんな性格なのでしょうか。
「他のシーズーの飼い主さんが感じていることと共通点が多いかと思いますが、気まぐれでマイペースです。犬よりも猫に近いと思うこともあります。飼い主にべったりでもなく、完全に離れているわけでもなく、言うことは基本的に聞きません」
気が乗らないときにはゴロゴロしている一方、突然スイッチが入ったように活発になることも。現在のように意思疎通ができるようになったのは、クリッカートレーニングを取り入れてからだといいます。
「それまでは突然暴れ出して、いろいろといたずらをするので、『破壊神』というあだ名がついていました。非常におすしらしいと思うのは、おやつがないと絶対にトレーニングをしないことです」
そんなマイペースなところもまた、「おすしちゃんらしさ」のようです。
「互いを大切にしながら生きていることが伝われば」
おすしちゃんの日常を発信するSNSには、多くの人が注目しています。飼い主さんは、見守ってくれる人たちへの思いをこう話します。
「これほど多くの方にご覧いただき、また応援していただいていることを大変ありがたく思っています。日常の様子を投稿しているだけなのですが、心に響く要素があるとしたら、トレーニングする姿を通して、信頼や友情、愛情、そしてお互いに意思疎通をしようと努力する気持ちが感じられるからではないでしょうか」
また、おすしちゃんは日々を楽しくしてくれるだけでなく、飼い主さんがライフワークとして取り組む武道や相馬野馬追(国指定重要文化財)、引退競走馬支援活動のほか、料理や旅などについてSNSで発信する際にも、大きな力になっているといいます。
そこには、「名犬おすし号」という呼び名への思いも込められています。
「芸ができる犬や賢い犬はほかにもたくさんいますが、SNSの動画を通して世の中にいろいろと貢献できていることが、『名犬おすし号』と呼べるゆえんだと思います。我々が家族として互いを必要とし、互いを大切にしながら生きていることが伝わり、ちょっと温かい気持ちになってもらえたらうれしく思います」
思わず笑みがこぼれる「ガオー!」の一声。その小さな必殺技には、おすしちゃんと家族の間で日々育まれてきた、温かなやり取りが詰まっていました。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
