『死ぬまでにしたい10のこと』監督最新作『ムクドリと人生とレモンパスタ』公開決定
【写真】生きてほしい “あなた自身の人生を” 『ムクドリと人生とレモンパスタ』場面カット3点
恋人との些細な口論の末、突然ひとりになった高校教師マルタ。がらんとした部屋で、食べ物の味も、光の色も、世界の輪郭さえも失われていく。そんな彼女が始めたのは、三つのボウルに食材を丁寧に盛り付ける、奇妙で静かな“儀式”。そしてK‐POPスターの等身大パネルとの対話、キッチンの光に気づく瞬間、ローマの街を自転車で駆ける時間。小さな行為の積み重ねが、やがて彼女を再び世界へとつなぎ直していく-。
イザベル・コイシェ監督は、小さなディティールを重ね合わせ、映画という視覚的言語でそのまなざしを受け継いだ。流れるようなカメラワークと親密なクローズアップは、人生の重大な局面と向き合いながら安らぎを求める女性の姿を、そっとすくい上げる。
主演は、イタリア映画界を代表する名優アルバ・ロルヴァケルとエリオ・ジェルマーノ。ロルヴァケルの繊細な表情と沈黙の演技、ジェルマーノの内面の葛藤を掘り下げる存在感が、マルタと彼女の恋人アントニオの“静かな別れ”に深い陰影を与える。ローマの午後の光、石畳の質感、夜の静けさ。フィルム用ヴィンテージレンズを通して捉えた街の息遣いが、マルタの心の動きと重なり、そっと画面ににじむ。
ポスタービジュアルは、ロルヴァケル演じる主人公のマルタがローマの街を自転車で駆け抜け、本当の自分を取り戻していく場面を用いたもの。「くだらないことに心をすり減らさないで。あなたの好きに生きてほしい。あなた自身の人生を」というコピーが添えられ、作品の核となるテーマを静かに、力強く示している。
場面写真では、晴れやかな表情で窓の外を見つめるマルタと、その背後でアントニオが彼女の髪にそっと顔をうずめる、対照的な二人の表情が捉えられているほか、マルタがローマの街中を颯爽と自転車で走り抜ける姿や、拾ってきたK-POPスターの等身大パネルと並んで佇むユーモラスでどこか切実な一瞬も収められている。マルタを取り巻く人々や生活の断片が丁寧に切り取られ、これらの存在が彼女にどのような変化をもたらすのか、興味を高める写真となっている。
映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』は11月13日全国公開。

