相続税は年々重くなる傾向にあり、将来の負担を見据えて対策を考える人は少なくない。多くの資産を家族にどう遺すかは、誰にとっても避けて通れない課題であり、少しでも負担を抑えながら、自分の意思を形にする方法を探している人も多いはずだ。
 
そうした中、脱・税理士の菅原氏が動画で取り上げているのが、今年4月に始まったばかりの「公益信託制度」だ。自分の財産を、世のため人のために使ってほしいという意向とともに他者へ託し、その財産が丸ごと相続税の非課税対象になるという新しい仕組みだ。菅原氏は、この制度がまだあまり知られていない一方で、活用価値の高い内容であると語る。
 
これまでも、生前に公益財団法人を設立して財産を非課税で移す方法は存在した。しかし設立や運営のハードルが極めて高く、事実上、資産に余裕のある層に限られた選択肢だったという。今回の制度改正により、個人や一般的な会社、NPO法人などを幅広く受託者として指定できるようになり、対象となる財産も現金に限らず株式や不動産まで広がった点が大きな変化だ。教育や福祉、医療、文化の支援など、認められる用途の幅も従来より格段に増えたといい、身近な社会貢献のあり方として関心を集めている。制度自体は以前から存在していたが、これほど自由度が高い形になったのは今回が初めてだといい、活用を検討する人が今後増えていく可能性もありそうだ。
 
動画内では、この制度のもとで初めて認定を受けた事例や、寄付との違いについても触れられている。寄付が使い道を相手に委ねる形であるのに対し、この制度では財産の使い方を自ら具体的に指定できる点が特徴であり、遺す側の思いを伝えやすいという利点があるという。財産を任せる相手は個人でも法人でも構わないとされ、身近な人に依頼するという選択肢もあるようだ。一方で、私的な利益のために使われることのないよう、第三者による確認の体制が設けられている点にも言及があり、制度の信頼性を支える工夫がうかがえる。
 
具体的にどのような目的なら認められるのか、そしてどこまで自由に設計できるのか。相続対策を検討している人にとって、選択肢の幅を見極めるヒントになる内容だ。

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